Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

大戸屋の研修

不適切動画の事件を受けて

2019年3月13日の朝日新聞に、大戸屋が不適切動画の事件を受けて、一日休業を実施し、研修を行ったという記事があります。

内容は、

  • 国内290店を一斉休業し、再発防止研修を実施
  • 4500人超の従業員を対象。賃金を支払った研修
  • 売上減は、1億円
  • 人手不足から運営をバイトに頼る企業が増加
  • しかし、バイト教育に手が回っていない
  • 厚生労働省の4200社の調。7割の企業が、バイトに対して、仕事を離れての研修は実施せず
  • 店長クラスのマネジメントを高め、バイトの不満や、やる気の低下を防ぐ必要

というような内容です。

 

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不祥事系の問題で、危機管理、リスクマネジメントの一つですが、ブランド価値にも影響する話です。

一日休んでの研修の実施は、スターバックスが実施し、話題になりました。内容は違いますが、危機管理、リスクマネジメントとして、同じような感じがします。 

 

nishiny.hatenablog.com

 

今回の一斉休業研修ですが、朝日新聞には、「服務規程の読み合わせ、業務改善の話合い、店内清掃」を実施したとあります。

リスクマネジメント系のコンサルが入ってやったのか、社内で考えてやったのかまでは記載がありませんが、この研修の内容は、非常に一般的な話です。

1日休業というのは、スタバの例などを参考にすれば可能ですし、規程の読み合わせや、業務改善の話合いや、店内清掃は、社内で考えて、十分できる話です。

特別なビデオもありませんし、至って平凡です。

 

しかし、服務規程の読み合わせは、本当は非常に重要なことだと思います。

規程やマニュアルがあり、書いてあるので、自分で読んで仕事を進めてくれという指示をするだけでは、NGですか。

実際の仕事に入り、仕事が忙しくなると読む時間がありません。業務のマニュアルは、まだ、見ることがあっても、服務規程までは読みません。

新しく仕事に入るとき、規程の内容が変わるときに、ちゃんと上司から、口頭で説明することが大切です。メールで送っただけで、読んでいるなど思わない方が良いと思います。

そう考えると、この大戸屋の研修は、非常によい研修であって、重要なことをやっているなと思いました。

 

大戸屋のケースではなかったと思いますが、テレビで、不適切動画の投稿の抑止のために、損害賠償をするという話題がありました。そのとき、 コメンテーターの森永卓郎さんに、損害賠償はいくらになるかという質問があり、億は超えるという答えがあったように思います。

ちょっとした投稿で、そんなに高い金額になるの?という気がしたのですが、大戸屋の場合でも、この1日研修の費用だけで、1億円の売上減+1日分の人件費(1万円×4500人とすると、4500万円)であり、億を超える損害というのも、本当だなぁという気がします。

 

個人として、億を超える損害賠償を請求されても、自己破産するしかありません。未成年の場合は、親が自己破産するしかありません。大変なことです。

 

SNSの投稿を、もし、クローズドな仲間内に限定していたとしても、スマホで見た画像や動画を、別のスマホやカメラで撮って、それを友人などが拡散すれば、簡単に拡散はできます。

こういうものは流すと大変なことになるということを、しっかり研修しないといけないと思いました。

 

「そだねー」の商標出願

拒絶理由通知

2019年3月14日の読売新聞オンラインに、「そだねー」の商標出願についての、特許庁の判断が掲載されていました。

カーリングで流行語「そだねー」商標認めません : 経済 : 読売新聞オンライン

  • )kカーリング選手の流行語「そだねー」について、道内2法人が出願した商標登録について、特許庁が拒絶理由通知書を送付
  • 北見工業大の生活協同組合は「特定企業の利益独占を防ぐ目的だった」「通知書を歓迎する」
  • 通知書は、既に流行語として商品や広告に広く使われていると指摘
  • 同生協は「そだねー」Tシャツなどを製作・販売し、収益の一部を北見カーリング協会に寄付
  • 札幌市の企業も登録を断念する意向
  • 道内の菓子メーカーの昨年3月1日付の出願は、「チームと無関係なのに意図が不明だ」と物議を醸した

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そだねー」で調べると、5人の法人・自然人が商標出願をしていました。

 

何れも、識別性なしの拒絶理由通知が出ています。

問題になった菓子メーカーの方は、識別性なし+後願であるという2つの理由になっています。

特許庁は、「そだねー」のみの出願は、すべて拒絶するつもりのようです。

 

北見工業大学の生協は、16類「文房具」、25類「(Tシャツなどの)被服」、30類「菓子」などの指定商品ですが、実際に販売しているのは、記事にあるTシャツのようです。

 

他の出願の指定商品は、お菓子もあれば、少し違う商品もあります。

特許庁は、商品には関係なく、「そだねー」の商標出願に対しては、識別性なし・後願と抵触という拒絶理由通知を出しています。

 

AMAZONなどで、「そだねー」を検索すると、Tシャツや、スマホのホルダー、パンツなどの商品が出ていますが、このTシャツは北見工業大学の生協のものなのでしょうか?ちょっと違うような感じがします。

 

もぐもぐタイムですので、お菓子でどこか、商品を出していないか、検索したのですが、「そだねー」はありません。

薬が効きすぎたのか、怖くて誰も商品が出せないのではないでしょうか?

 

ただ、楽天で、「SODAね~」というソーダキャンディがありました。

【楽天市場】永田製飴 もぐもぐタイムに! SODAね〜 CANDY - そだね〜キャンディ -北海道 北見 ソーダキャンディ【プレゼント おみやげ 粗品 引っ越し 御挨拶 お土産 プチギフト 退職 お菓子 景品 】:北海道 くしろキッチン 和商店

 

永田製飴は昔からある飴の会社のようです。

永田製飴株式会社

 

「SODAね~」なら、ひとひねり入っているし、特許庁も登録してくれるのかと思ったら、こちらにも、識別性なしと後願の理由が入っていました。特許庁も厳しいですね。

この騒動がなければ、スッと通ったと思いますが、現時点では、難しいというところでしょうか。

当面、自由に使えますのでしばらく使うという方法はあります。また、長年使用して、有名になれば、使用により識別力の獲得で登録になってもおかしくありません。

 

この飴ですが、楽天で324円で販売しているのですが、東京までの送料が1,400円とあります。単価が安いだけに、こちらの方が驚きです。

TeaCoffeeの大阪地裁判決

妥当な結論

2019年3月14日の産経新聞に、TeaCoffeeの判決があったという記事がありました。

www.sankei.com

  • エーゲル(京都市)がアサヒ飲料に3,300万円の損害賠償を求めた訴訟で判決
  • エーゲルは2016年、京都の煎茶とコーヒーを融合させた飲み物を「ティーコーヒー」として商品化
  • 2017年に「TeaCoffee」の商標をイラスト付きで登録
  • アサヒ飲料は2018年、カフェラテとほうじ茶を合わせた商品「ワンダ TEA COFFEE」を発売
  • 大阪地裁は14日、請求を棄却
  • 判決理由は、商標の文字部分である「TeaCoffee」は、商品の品質か原材料を示すに過ぎない
  • 文字のみでエーゲルの商品を示すとまでの認識は得られていない
  • 2社の商標に共通するのは文字部分のみで、類似性は認められない

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裁判所のWebサイトには、未掲載なのですが、産経の記事を見た限り、判決は妥当なところと思います。

J-Plat Patで見たところ、すでに、アサヒ飲料の「(図形付きの)TEA COFFEE/ティーコーヒー」は、提訴後直後の2018年8月17日に商標登録されています(登録第6071970号)。異議申立てがあった記録もありません。この段階で、原告のエーゲル側に本気で争う意思なしとなります。

 

原告は、アサヒ飲料の登録を知って、あきらめたのかも知れませんし、気づかなかったのかもしれません。気付かなかったとすれば、訴訟までしていうのに、対応がまずかったとなります。

 

さて、判決は、商標の文字部分である「TeaCoffee」は、商品の品質か原材料を示すに過ぎないとしています。

原告のエーゲルは、他にも、文字商標の「TeaCofee」を出願していますが、こちらは、208年12月26日拒絶理由通知は出ていますが、拒絶査定は出ていません。

裁判の結果を待つというところだったのでしょうか。

 

さて、原告のエーゲルの商標も、アサヒ飲料の商標も、同じなのですが、気になったのは、登録時の指定商品の記載です。

「TeaCoffee」「TEA COFFEE」と、「TEA」「COFFEE」の2つからなる単語ですが、スペースの有無は、大文字小文字の違いは、ほぼ無視できる程度のものです。

通常は、何らかの形の「お茶とコーヒーの組合せ」だろうと推測できます。

 

実際の指定商品は、エーゲルの権利が第30類の「茶、コーヒー、茶入りコーヒー、コーヒー豆」であり、アサヒ飲料の権利が第30類の「コーヒー、茶、茶入りコーヒー、コーヒーを加味してなる菓子、茶を加味してなる菓子、コーヒーを加味してなるパン、茶を加味してなるパン、コーヒー豆」となっています。

 

双方とも「茶入りコーヒー」を指定していますが、これは、類似商品役務審査基準にある言葉ではありません。

「ラジカセ」「テレビデオ」と同じような複合商品です。

審査で審査官が、「茶、コーヒー、茶入りコーヒー、コーヒー豆」ではなく、「茶入りコヒー」だけにして限定するよう指令を出しておけば、この事件は、防げたかもしれないと思いました。「茶」「コーヒー」「コーヒー豆」があるので、原告が、この権利で権利行使可能と思ったのかもしれません。

 

もし、原告の「(図形付きの)TeaCoffee」の指定商品が、「茶入りコーヒー」だけなら、茶入りコーヒーとTeaCoffeeは、同じ概念の日本語英語の違いですので、商標の要部は図形だけになります。

権利は、図形にあることがより明確になり、原告も権利行使を思い留まったのではないかと想像します。

審査官も、この権利で権利行使するとは思わなかったのかしれませんが、審査官としては、複合商品の場合の指定商品は、そこまで限定させた方が、良いような感じがします。

 

nishiny.hatenablog.com

 

 

シンプル化した五輪ピクトグラム

バレーボールの新旧比較が面白い

2019年3月14日の日経夕刊で、64年の五輪ピクトの制作秘話のよう記事がありました。当時、ピクトグラム(ただし、競技用は前年に出来ていた)の制作に参加した方の記事です。

手弁当であったことや、著作権放棄をしたことが書いてあります。

東京五輪のピクトグラム、64年大会が先駆け 若手美術家ら作成 (写真=共同) :日本経済新聞

 

その記事のところに、1964年大会のピクトグラムと、2020年大会ピクトグラムが比較して掲載してあるのが、面白いと思いました。

日経の電子版が見つけられなかったので、産経になるのですが、次のリンクで見ることができます。

www.sankei.com

 

産経の記事によると、今回の改定については、「和」の要素を入れようという意見もあったようですが、1964年大会へのリスペクトがあり、それを承継して、シンプルさを重視したとあります。

2000年のシドニー大会は、ブーメランをかたどった。2008年の北京大会は、篆書(てんしょ)をモチーフとしたとあります。

 

産経の記事を見てもらえれば分かりますが、少し線が細くなり、全体にシャープな印象となっています。また、各競技で、最も躍動的なシーンを抽出して、ピクトグラムにしているようです。

比較的ボールドの線で構成された1964年から、細くなっているのは、時代の変化を示すものとして面白いと思います。

1964年には、基本は白黒テレビです(最近、1964年大会の映像をカラー映像で流していますが、当時はのテレビはほとんど白黒です)。Webサイトなどありません。

現在ほどは、細かく鮮明な画像ではないので、ある程度、太い線が必要なことだったのではないかと思います。

 

さて、ピクトグラムのデザイン自体ですが、柔道は、柔道着姿で腰に手を当てている静的なピクトから、背負い投げのピクトに替わっています。こちらは、動きに焦点を当てると、こうすべきだなと思います。

 

最も、面白かったのは、バレーボールのピクトグラムです。2020年のピクトはアタック時のものでバレーだと直ぐにわかりましたが、1964のものは、はじめ見た時は分かりませんでした。こちらは、レシーブです。

 

図形で、ブランドロゴ(商標)を作るなら、この1964のバレーボールのピクトあ、非常によいブランドロゴになるように思いますが、大会競技を示すピクトグラムとしては、新しいバレーボールのピクトグラムは、出色の出来栄えだと思います。

 

 

カナダグースの偽物

消費者庁の注意喚起

2019年2月22日に消費者庁から、「カナダグース」の偽物についての注意喚起が出ています。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/release/2018/pdf/release_2018_190222_0001.pdf

 

内容は、

  • CGJPなる会社が「カナダグース」(防寒用衣料品等を製造するカナダの企業)を、SNSで広告
  • CGJP のウェブサイトには、例えば、カナダグースのダウンジャケットが
    本来「123,800 円」が「24,700 円 」
  • アドレスは、http://www.coatwarm.asia/ と http://www.gooseyasuyi.com/
  • 消費者は、カナダグースの正規品が安売りされているものと思い、注文フォームから商品を購入
  • 支払方法は、クレジットカード決済か代金引換
  • カナダグースの正規品に比べると重量や質感が異なる
  • カナダグースの正規品を販売する直営店、小売店の中にCGJP という名称の事業者はなく、商品は正規品ではない(虚偽・誇大な広告・表示及び不実告知)
  •  CGJPのウェブサイトは、所々、日本語の「字体」や「文章表現」がおかしい
  • 偽造品について(カナダグース日本公式サイト) https://www.canadagoose.jp/counterfeit/

というようなものです。

 

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この消費者庁のリリースに記載がある問題業者のアドレスですが、一つは開けなかったのですが、もう一つは、今日も見れました。公式サイトとよく似たデザインで、良くできています。

いかにも偽物というサイトではなく、一見ちゃんとした、手の込んだサイトです。これなら、騙される人がいても不思議ではありません。

 

カナダグースの正規品のサイトには、模倣品の見分け方が載っています。現物を確認して購入するときは役立ちますが、ネットではあまり役立ちません。自分がネットで買ったものが本物か偽物か、判断するときに役立つかなという程度です。

 

消費者庁には、2017年10月~今年1月、同社に関する相談が782件寄せられたといいます(朝日新聞の電子版の2019年2月23日の記事)。これは、苦情が殺到しているというレベルです。

 

さて、模倣品というと、警察や、税関がメインの話なのですが、この話は消費者庁というのが、面白と思いました。リリースには、次のようにあります。

消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(虚偽・誇大な広告・
表示及び不実告知)を確認したため、消費者安全法(平成21 年法律第50 号)第38 条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。
また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。

模倣品対策として、消費者安全法が使えるんだと思いました。

 

ネットでは、この会社が危険という記事が沢山あるのですが、まだ、サイトを見ることができます。

サイト記載の住所は虚偽のようです。ここまで事件になっていれば、警察が動いても良さそうなのに、警察が動いていません。Webサイトも動いています。おそらく、海外に拠点があるのでしょうが、ここまで、堂々と偽物を売っているのに、消費者安全法で、周知するだけではなく、より実効的な対応方法がとれないものかと思います。

タバコのパッケージ規制

シンガポールで法制化

2019年2月27日のJETROのビジネス短信に、シンガポールでタバコのパッケージの規制が法制化されたという記事がありました。

たばこ製品の包装標準化、プレーンパッケージ規制が国会で可決 | ビジネス短信 - ジェトロ

内容は、

  • タバコの包装の簡素化を義務付ける改正

  • ブランド独自のロゴや色、パッケージデザインなど禁止。標準フォントや色でのブランド名表示を義務付け。警告表示を拡大

  • 包装を標準・画一化することで、広告効果を削減し、喫煙者数の減少を目指す

  • 同規制により、商品の出所表示や品質保証など商標の基本的な機能が阻害される恐れ

  • 不法取引業者による偽造品の製造を誘引するとの指摘

  • アルコール、食品、飲料など他の製品にも、規制が導入される懸念

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JETROは、面白い情報を提供してくれています。マスコミよりも面白いなと思うときがあります。知財の研修会も、JETROのものは同時通訳をいれたり、お金がかかっています。(弁理士会の英語で聞けというものも、英語の勉強になっていいですが。)

 

さて、確かに、プレーンパッケージは、昔の共産主義国配給制度のような感じです。配給制度なら、その商品しかないので、パッケージデザインやブランドロゴに拘ってもあまり意味はありません。

しかし、タバコは、嗜好性の高い商品なので、特定の銘柄へのこだわりが強いと思います。ピースの人はピース、セブンスターの人はセブンスターです。

意匠法の勉強をしているとき、ショートピースのデザインは、レイモンド・ローウィーのデザインで、彼は流線形のデザインに特徴があり、とか習いました。

タバコの人気銘柄ランキングまとめ!国産と外国産ではどっちがいい? | 大人女子のライフマガジンPinky[ピンキー]

 

蘊蓄の塊のようなタバコのブランド、デザインですが、自由主義国でここまで制限するのか?という気はします。

JETROの記事には、他に、オーストラリアやフランスが同様の規制をしているとありますので、あながちシンガポールだけが、突出している訳ではありません。

 

タバコは、広告規制があり、F1でも広告が禁止され、JTも大変だなと思います。

 

プレーンなパッケージが、お酒や、ビール、ソフトドリンクのソーダなどにも導入されると、これは大変です。

食品もプレーンパッケージ導入のおそれがあるということですが、どんな食品なのでしょうか。肥満を誘発するのでとなると、ほとんどの炭水化物の食品が該当します。

 

2016年6月29日のJETROのビジネス短信に、ヒントが載っていました。記事は、今回とよく似た、マレーシアのタバコのプレーンパッケージの話です。マレーシアが先行していたのなら、シンガポールは、これまで、良くブランドやデザインを守ったということなのかもしれません。

 

この記事に、チリの食品が出ています。チリでは、脂肪、糖分、塩分の多い食品のパッケージの20%に警告を表示するというプランとあります。

たばこにプレーンパッケージ規制導入を検討-懸念される他産業への波及- | ビジネス短信 - ジェトロ

知財侵害品の差止

医薬品とタバコが急増

 

財務省のWebサイトで、全国の税関の2018年の税関による輸入差止のまとめが掲載されています。

www.mof.go.jp

  • 輸入差止件数は26,005件。7年連続で2.5万件を超え

  • 輸入差止点数は929,675点。前年と比べて83.5%増となり、過去5年で最高水準

 

とあります。

  • 仕出国では、中国が多く、86.8%(約9割)
  • 医薬品の輸入差止点数が約32万点で、前年と比べて18.0倍。大幅増
  • 煙草及び喫煙用具の差止点数は28,897点。3.6倍
  • 差止品の金額の合計は、小売り換算で、約135億円
  • 輸入差止申立て件数は、701件
  • 内訳は、商標が57%。意匠権16%。著作権15%
  • 実際の差止品は、商標権が、93%。著作権が約7%といった数字です。この2つでほとんどです。

平成30年の税関における知的財産侵害物品の差止状況(詳細) : 財務省

平成30年の税関における知的財産侵害物品の差止状況(資料) : 財務省

 

関連で、2019年3月9日の朝日新聞の横浜版に、偽ブランド品などの知的財産侵害物品の、輸入差止の記事がありました。

横浜税関としては、輸入差止件数は、6064件で4%アップで、過去最多だったそうです。

個数は、約4万7000点で、1.3%減。業者による輸入から、個人によるインターネット購入が多いそうです。

 

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横浜税関ですが、非常に良いところにあります。横浜には、キング、クイーン、ジャックの塔がありますが、そのクイーンの塔が横浜税関です。みなとみらい線日本大通りから徒歩3分です。

 

そして、なんと模倣品展示室があります。

   

http://www.welcome.city.yokohama.jp/ja/tourism/spot/details.php?bbid=64

横浜観光情報というWebサイト(横浜コンベンション・ビューロー)には、次の紹介があります。 

横浜税関は、1934年竣工、「クイーン」の愛称で親しまれる塔はイスラム寺院風のドームでエキゾチックな雰囲気。横浜市認定歴史的建造物に登録されている庁舎(本関)の1階には税関資料室があり、横浜税関の歴史や役割、ホンモノ・ニセモノコーナー、ワシントン条約コーナー、密輸の手口など盛りだくさんの内容です。入口のカスタム君(税関イメージキャラクター)が目印。団体見学者には係員の説明もあります(要予約)。

 観光気分で、しかも、模倣品の勉強ができるレアなところです。

 

他の税関にも、税関資料室があるのかもしれませんが、ここは別格だと思います。

Yahooで、「税関資料室」を検索しても、TOPには横浜税関しかでてきませんでした。

 

財務省の発表のような件数統計も良いですが、リアルな現物を見るのが、一番だと思います。

 

以前の会社で、知財の会議室を模倣品展示コーナーにしていたことがあるのですが、現物の迫力はすごいものがあります。あれを見ると、関係者は、なんとかしなければと思うと思います。

 

脱線しますが、もう一つお薦めは、こちらも非常にレアものですが、同じ日本大通り駅から8分のところにある、海上保安庁海上保安資料館 横浜館です。実際の工作船が展示されています。

http://www.welcome.city.yokohama.jp/ja/tourism/spot/details.php?bbid=202