Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

ダイエーのブランド

600品目値下げ

2017年9月9日の朝日新聞に、イオン傘下のダイエーが、食品や日用品など約600品目を値下げすると発表したという記事がありました。

www.asahi.com

内容は、次のようなものです。

  • 13日から約3か月間、値下げ、値下げ幅は1~2割程度
  • 全国のダイエーグルメシティ176店
  • 大手メーカーの商品が対象
  • ペットボトルのお茶や顆粒だしなどの食品
  • シャンプー・リンスなどの日用品
  • 購入頻度の高い商品を選んで3ヶ月ごとに値段の見直し
  • 節約志向の根強い消費者をつなぎとめる
  • イオンや西友も値下げしている

コメント

自宅の近くのダイエーが昨年イオンに変り、食品専門店の中型店舗のグルメシティは別として、ダイエーはすべてイオンになったのかと思っていました。

ダイエーとイオンのホームページで、過去自分が行っていたダイエーで、既にない奈良店を除き、今はどうなったかというと、

  1. ダイエー古川橋店(大型、郊外)→イオン
  2. ダイエー京橋店(大型、都心)→イオン
  3. ダイエー三田店(大型、郊外)→イオン
  4. ダイエー十日市場店(大型、郊外)→ダイエー
  5. ダイエー金沢八景店(大型、郊外)→イオン
  6. ダイエー横浜西口店(大型、都心)→ダイエー
  7. ダイエー横須賀店(大型、郊外)→イオン
  8. ダイエー戸塚店(大型、郊外)→イオン

だいたい、イオンになっているのですが、十日市場店となんと横浜西口店(ビブレの横)がダイエーのままでした。

Wikipediaによると次のようになっているようです。

最後のところがポイントですが、Wikipediaの脚注によると、毎日新聞が元ネタのようです。

mainichi.jp

関西での高い知名度を生かし、食品専門店のグルメシティが、ダイエーのまま残るとあります。

この方針通りなら横浜西口店は何でも売っている大型店なので、変更されることになるのかもしれません。

 

関西でのダイエー知名度の活用と、会社としてのダイエーを受け皿にして食品スーパーを強化するという方針なのだと思いますが、ジャスコも、マイカルも消したのに、ダイエーを残すというのは驚きました。

マックスバリューは確かに機能名的すぎて、食品スーパーのブランドとしてどうかと思いますが、今まで、大型のモールを「イオンモール」、GSMを「イオン」としてきた延長で、食品スーパーも「イオンフードスタイル(仮称でWikipediaにあった名称)」などとするのが、通常だと思います。

 

一病息災というか、少しぐらい問題がある方が、結局、健康に気を付けているので良いという考え方もありますが、あえてダイエーを残す理由と戦略を聞きたいなと思いました。

 

商標権は3年使用していないと誰でも取消請求することができますので、使い続けないと関係ない第三者にダイエーのブランドを横取りされてしまうのかもしれませんが、第三者が下手に使ってイオン傘下のダイエーとの混同が生じれば、不正競争防止法で差止請求できる可能性はあります。よって、商標更新問題は決定的な理由にはなりにくいと思います。

 

ガソリンのような商品ではブランドは地域を超えますが、小売店では地域性も重要なファクターであるように思います。

また、専門性、価格帯、その他何らかの特色があれば、ブランドを分ける意味があるのですが、単にブランドが有名だからというのでは、理由としては弱いと思います。

 

関西人ですので、関東に転勤して来たとき、ダイエーがあると安心しました。ヒガシマル醤油の薄口を売っているためです。特色としては弱いですが。