対策は食事メニュー拡充
2018年3月9日の日経に、ミスタードーナツが全1100店超を改装するという記事がありました。
- 2023年3月期までにドーナツ店「ミスタードーナツ」全1100店超を改装
- ミスドを中心としたフード事業は2014年3月期から営業赤字が続く
- 店内での飲食を増やすため、パスタやホットドッグなどを拡充
- 外観も黒基調の落ち着いた色に変更
- 一部の店舗はすでに改装に着手。改装が難しい店舗は移転や閉店を検討
- ドーナツ以外の商品をそろえ、朝食や昼食時間帯の需要を開拓
- これまでは家族層を中心に持ち帰り客が8割
- 若い女性などに気軽に店内を利用してもらうようにする
- ドーナツを持ち帰って家族に食べてもらう、創業からのビジネスモデルにこだわりすぎていた
コメント
一昨年によく大阪の千里に出張することがあり、時間があると、セルシーのミスタードーナツで仕事をしていました。確かに、コーヒーは何杯でも入れてくれるのですが、お年寄り、主婦、学生がちらほらという感じで、あまり流行っている感じはありません。
また、地元の戸塚では、学生が図書館の替わりにミスドで勉強をしているので、座る場所がありませんし、何となく騒がしいので、勉強するなら、サンマルクカフェの方が環境が良いように思います。
ミスタードーナツは、ドーナツという業態ではガリバーで、クリスピー・クリーム・ドーナツが出てくるまで、ライバルらしいライバルはいませんでしたが、この最近は、赤字が続いているようです。
ただし、ドーナツ事業の低迷傾向は、クリスピー・クリーム・ドーナツでも、また、コンビニ・ドーナツでも同じようです。健康志向の中で、ドーナツのカロリーが嫌がられているのでしょうか?
このニュースを見た時に思ったのは、ドーナツ屋さんがドーナツ以外に注力するのは、ブランド戦略や経営戦略として、はたしてどうなのか?というのが第一印象です。
ただ、ネットで検索をしていると、ミスタードーナツは、一旦は、ドーナツに注力し、コンビニ・ドーナツとの差別化を図るため、店内調理を重視し、調理場をガラス張りにして、顧客から見えるようにするなどをしていたようです。しかし、それでは客離れが止まらず、結局、値下げしてしまったようです。
今回は、色んなメニューを出すことと、店舗デザインの変更ということで、店舗の有効活用としては正しいのでしょうが、これでは「ミスター『ドーナツ』」という看板と、実際の事業が一致しません。
本来は、美味しいドーナツ、美味しいコーヒーにこだわりたいところですが、その方法で上手くいかないなら、いっそのこと大きく業態転換するのも、経営戦略かもしれないと思います。
ドーナツではなく、パスタやホットドッグを中心にするなら、いっそのこと、ブランドも「ミスド」に変更してはどうかと思います。ファミリーマートが時々ファミマになっているように、ミスドをメインとするのです。
プロントであれば、朝はコーヒーショップ、昼はファミレス、夜は飲み屋になっています。しかし、ミスタードーナツという名称が、ドーナツからの転換の邪魔になります。
一部のミスタードーナツ店舗は、ドーナツのブランド力維持のために、スペシャルティ化して、すこしだけ残すオプションもありえます。
ちょっとみたところ、Mister Donutは、米国以外の多くの国では、ダスキンが商標権者のようです。
Wikipediaに面白いことが載っていました。
なんと、ミスタードーナツとダンキンドーナツの創業者は親戚であること、米国のミスタードーナツの運営会社はダンキンドーナツの運営会社に買収され、基本的にすべてダンキンドーナツになっていること。ミスタードーナツがあるのは、日本中心であることなどです。