Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

日本ケロッグ

味の素との販売契約解消

2019年9月7日の日経に、味の素が、日本ケロッグとのシリアル商品の独占販売契約を2020年3月末で解消すると発表したという記事がありました。

味の素、日本ケロッグとのシリアル販売契約解消へ :日本経済新聞

コメント

この記事を読んで気になったのが、①ケロッグが日本市場よりもアジアを重視しているという点と、②食品業界では合弁を終了するケースが広がるという点です。

 

①のアジアを重視するという点ですが、良くあるバターンは、日本に開発や生産の拠点があったのをシンガポールなどに拠点を移す、日本離れというケースです。

しかし、それほど重要でない日本なら、味の素の既存の流通網を使う方が、追加投資をせずに商売を続けられるので、ケロッグ側に有利なように思います。

ここは、どういう意味なのか説明を聞きたいなと思いました。

 

②の食品業界の合弁終了が多いという点ですが、ヤマザキの例で考えてみました。

ブランドライセンスを引き上げたモンテリーズからすると、オレオやリッツの日本市場での認知度は十分確立できたので、ヤマザキの力がなくても、十分独自でもやっていけるとなります。

特に、グローバルに、ブランド戦略を(ブランドの導入、売却などを含んだブランド戦略)を貫徹するときに、合弁先があるとその了解をとらないといけませんが、独自の子会社なら、ブランドの売買も簡単です。

 

反対に、ヤマザキ側には、事業消失のショックがありましたが、もともと、製造力と販売力は強いので、スーパーマーケットでは、オレオやリッツよりも、YBCの商品を良く見ます。ロイヤルティの支払がない分、ヤマザキの経営は楽です。

 

そう考えると、合弁解消は、双方にとってメリットがあったような気がします。

 

森永製菓のウィダーインゼリーが、インゼリーにしているのは、インゼリーが森永の独自商品であったのと、2030年までウィダー社との契約があるが、その後を見据えた対応ということです。

 

ケロッグの場合は、販売だけを味の素が担当するという形態だったようですが、他人に営業をやってもらうより、独自に営業ができる方が、有利とも言えます。

 

最近、ラゾーナ川崎の日用品店で、ケロッグのキャラクターグッズを沢山見ました。ケロッグのキャラクターも出ているのですが、Kellogg'sのブランドロゴの入った、キャンプ用のシートのようなものもありました。

アメリカ企業は、コカ・コーラも含めて、グッズへのライセンスが好きだな程度に考えていたですが、独自に営業をするなら、とにかくブランドロゴの露出を上げておくべきですあり、これも必要なことかなと思いました。

 

もう一つ、ケロッグの主力商品は、グラノーラや玄米などにシフトしており、昔人気だった「シュガーポン」や「コンボ」などは、もう、とっくの昔に廃番になっているようです。

食の好みは、大きく変わっているようです。知りませんでした。