味の素との販売契約解消
2019年9月7日の日経に、味の素が、日本ケロッグとのシリアル商品の独占販売契約を2020年3月末で解消すると発表したという記事がありました。
味の素、日本ケロッグとのシリアル販売契約解消へ :日本経済新聞
- 日本ケロッグの設立は1962年
- 味の素が、受注や物流を担当
- 日本ケロッグから契約解消の申し入れ。新たな販売網の構築へ
- シリアルは、1990年代までは、コーンフレーク
- 2010年代にカルビーのグラノーラがヒット。カルビーのシェアは4割
- 市場規模は10年前の2.2倍。日本ケロッグのシェアは3位に
- 日本ケロッグは、人口減の日本よりアジアを重視
- 味の素は、アミノ酸を重視。契約解消の影響は軽微
- 食品業界では、ヤマザキナビスコや森永製菓のウィダーインゼリー(単なるインゼリーになっている)などの、合弁を終了するなどケースが広がる
コメント
この記事を読んで気になったのが、①ケロッグが日本市場よりもアジアを重視しているという点と、②食品業界では合弁を終了するケースが広がるという点です。
①のアジアを重視するという点ですが、良くあるバターンは、日本に開発や生産の拠点があったのをシンガポールなどに拠点を移す、日本離れというケースです。
しかし、それほど重要でない日本なら、味の素の既存の流通網を使う方が、追加投資をせずに商売を続けられるので、ケロッグ側に有利なように思います。
ここは、どういう意味なのか説明を聞きたいなと思いました。
②の食品業界の合弁終了が多いという点ですが、ヤマザキの例で考えてみました。
ブランドライセンスを引き上げたモンテリーズからすると、オレオやリッツの日本市場での認知度は十分確立できたので、ヤマザキの力がなくても、十分独自でもやっていけるとなります。
特に、グローバルに、ブランド戦略を(ブランドの導入、売却などを含んだブランド戦略)を貫徹するときに、合弁先があるとその了解をとらないといけませんが、独自の子会社なら、ブランドの売買も簡単です。
反対に、ヤマザキ側には、事業消失のショックがありましたが、もともと、製造力と販売力は強いので、スーパーマーケットでは、オレオやリッツよりも、YBCの商品を良く見ます。ロイヤルティの支払がない分、ヤマザキの経営は楽です。
そう考えると、合弁解消は、双方にとってメリットがあったような気がします。
森永製菓のウィダーインゼリーが、インゼリーにしているのは、インゼリーが森永の独自商品であったのと、2030年までウィダー社との契約があるが、その後を見据えた対応ということです。
ケロッグの場合は、販売だけを味の素が担当するという形態だったようですが、他人に営業をやってもらうより、独自に営業ができる方が、有利とも言えます。
最近、ラゾーナ川崎の日用品店で、ケロッグのキャラクターグッズを沢山見ました。ケロッグのキャラクターも出ているのですが、Kellogg'sのブランドロゴの入った、キャンプ用のシートのようなものもありました。
アメリカ企業は、コカ・コーラも含めて、グッズへのライセンスが好きだな程度に考えていたですが、独自に営業をするなら、とにかくブランドロゴの露出を上げておくべきですあり、これも必要なことかなと思いました。
もう一つ、ケロッグの主力商品は、グラノーラや玄米などにシフトしており、昔人気だった「シュガーポン」や「コンボ」などは、もう、とっくの昔に廃番になっているようです。
食の好みは、大きく変わっているようです。知りませんでした。