Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

正式商品名は「C」

黄色いセメダイン

2020年1月29日のwithnewsの記事で、工作用の黄色いの「セメダインC」の正式商品名は単なる「C」であり、「セメダイン」は会社名という話を読みました。

商品名、単なる「C」でした… 黄色いセメダイン正式名称に驚きの声

 

「セメダイン」は会社名であり、弊社の接着剤ブランドの総称です。 接着剤ブランド「セメダイン」に、「C」「スーパーX」「木工用」などそれぞれ名前のついた商品があるのです。

 pic.twitter.com/6xxxMR5Rgn

  •  Cが発売される前にAとBが販売されていてCという名称になった
  •  透明で乾きが速いCはヒット商品に

とあります。

 

確かに、セメダイン社のWebサイトを見ると、商品名は単なる「C」となっています。

C|接着剤|家庭用|セメダイン株式会社

 

この商品以外にも、「スーパーX」「木工用」など、多くの接着剤があるようです。

 

同社のロゴマークは、黒い正方形の中に白抜きで「C」の文字があり、その横に「CEMEDINE」とあります。この「C」はCEMEDINEの「C」のようです。

 

プラモデル用のセメダインの表記は、製品本体に、左から目立つ赤色でコーポレートロゴの「C」があり、次に大きく「プラモデル用」とあり、そして小さく「セメダイン」となっています。

「プラモデル用」はあくまで用途ですので、ブランド的、商標的な使用がされているのは、「C」のコーポレートロゴと最後の小さいめの文字の「セメダイン」です。

 

コーポ―レートを代表する「C」のコーポレートロゴと、「セメダインC」の「C」は、全く違うもののようです。

 

「C」という文字がシンボルであり、大事にしているという意味では、コーポレートの「C」も、工作用の接着剤の商品名の「C」も同様に大事なものなのでしょうが、少し、こんがらがります。

 

コーポレートロゴの「C」のフォントと、商品名の「C」のフォントが大きく違えば、少しは分かりやすいかもしれませんが、あまり変わらないので、区別は困難です。

 

ブランドマネジメントでは、通常、コーポレートブランドとサブブラインドやネーミングは分けて表示することが推奨されることが多いと思います。「セメダインC」とくっつけないという考えです。

これは、商品レンジが多い会社か、商品レンジが少ない会社かで違いがあります。TeslaならTesla model S、Tesla model Xで十分です。

ただ、商品レンジが広がると収集がつきません。「SONY model X」では、何の商品か分かりません。「SONY」はコーポレートブランド、「WALKMAN」は商品名と区分けをし、表示する場所も変えて、「SONY WALKMAN」とセットでは表示しないとなります。

 

 「セメダインC」が発売されたのは1938年とあり、80年続いている商品ということになります。相当なロングライフ商品です。ロングライフ商品で、当初の商標や意匠がそのまま使われ続けているというところでしょうか。

 

そういえば、TOEICを受けるときに、いつも持参する鉛筆は、三菱鉛筆の"MITSU-BISHI”9800のHBという普通のものですが、はじめて見た時からデザインが全く変わっていません。

文房具はロングライフデザインの宝庫です。

 

セメダインの商品レンジも、接着剤に限定はされていますが、相当な種類に拡張してきているので、「C」のような記号的なネーミングではなく、「木工用」「ホビー用」と機能で区別しているようです。 

 

忘れていました。「C」単独では日本では商標登録されません。