Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

中国商標法第4次改正

使用を目的としない悪意の商標出願

中国商標法が改正されるようです。NGBのサイトに紹介があります。

【商標NEWS】 中国商標法第4次改正可決|知財情報|日本技術貿易株式会社


使用を目的としない悪意の商標登録出願への対応

  • 使用の意図を有さない商標ブローカーによる悪意の先駆け出願、大量出願が横行
  • 「使用を目的としない悪意の商標登録出願」を拒絶理由、絶対的異議理由、絶対的無効理由として明文化
  • 悪意による商標登録行為を行政罰の対象とし、悪意による権利行使を裁判所による司法罰の対象とすることが規定された
  • 依頼人の上記事情を知り又は知り得た代理機構はその依頼を受けてはならない
  • 違反した代理機構及びその責任者、管理者も行政罰の対象


損害賠償額の引き上げ

  • 懲罰的損害賠償の倍率は「1~3倍」から「1~5倍」に引き上げ
  • 裁量に基づく賠償額も「300万元以下」から「500万元以下」に引き上げ

侵害品等の廃棄命令

  • 侵害品について裁判所は権利者の請求により原則廃棄を命じなければならない
  • 主に侵害品を製造するための材料、道具についても原則廃棄を命じ且つ補償を行わない
  • 侵害品については、登録商標を削除したことのみをもって商業的に流通させてはならない

 

条文は、下記のCCPITのサイトが分かりやすいようです。

https://www.ccpit-patent.com.cn/ja/node/6200

 

コメント

「使用を目的としない悪意のある商標登録出願は拒絶されるものとする。」

悪意の商標登録出願を、拒絶、異議、無効の対象にする点が、一番のポイントです。

この4条は、日本でいう3条1項柱書のような条文です。ここに、悪意の出願の排除規定があります。

 

しかし、この悪意の出願の認定は簡単ではありません。異議申立をする場合、ある出願人が近い商標を出していることが分かり、中国商標局のサイトでその出願人名で、検索すると、近い商標を沢山出願していることを発見したりします。

この出願人は、怪しいということが分かります、異議申立の中で、この出願人は悪意があると主張したりしますが、異議ではなく、通常の審査で、審査官がそこまでやってくれるのでしょうか?

 

また、「使用を目的としない」という文言は、どう考えればよいのでしょうか?

NGBの解説にあるように、今回、排除しようとしている、悪意の出願をする出願人とは、自分は使うのではないけれども、高値で売りたいという出願人のようです。使用を目的としないとは、その趣旨を言っているのだと思います。

 

しかし、悪意の出願人には、もう一つあります。実際に使用する悪意の出願人です。有名商標に似せた商標で、自ら実施しようという出願人の場合は、使用を目的としているのですから、文理上、「使用を目的としない」に該当しません。

 

先日、日本商標協会の実務検討部会で、アシックスの齊藤部長の話を聞いたのですが、asicsとは、一般的には類似ではないけれども、使用実態を含めてアシックスの商標に似せている商標について、中国のAICが大々的にレイドをやってくれたという話がありました。

《知財》アシックスの偽物3万点を摘発、北京工商局 - NNA ASIA・中国・その他製造

 

紹介されていたケースは、日本の類似は遥かに超え、世界の商標の専門家に聞いても商標だけの単純比較では、類似という人はいないような代物です。

 

しかし、中国の当局は、商標権侵害として、止めています。

相手方の使用実態(本物に似せる意図がある、発音を無理やりアシックスと言っている、消費者が偽物をアシックスの本物と誤解しているなど)を考えると、全体としては、出所混同が生じており、商標権侵害としても良いという判断です。

混同を生じる範囲が類似という商標法本来の姿からすれば、まぎれもない類似です。

 

中国では、審査の類似と、侵害の類似は、違います。非常に素直な法解釈です。

使用を目的とする悪意の商標の場合は、この侵害時の「類似」の解釈で対処することができるとすれば、今回の法改正に、「使用を目的としない悪意の商標登録出願」と、すこし限定的な文言をいれても許されるような気がします。

 

まったくの推測ですが、「使用を目的としない」のチェックは、2つのチェック方法があります。

1)使用宣誓書を導入する

今、世界の商標法では、先使用主義ではない、先願主義の国で、使用宣誓を求めるところが増えています。メキシコもそうですし、アルゼンチンもそうです。

2)  数でチェックする

中国商標局は、小さな会社や実体の会社でありながら、大量出願をするような会社を、この規定を根拠に、自動的に拒絶を出し、反論がないときは、拒絶にしてしまうのかもしれません。

 

日本は、3条1項柱書を緩める方向ですが、世界の流れに逆行しているような気がします。1)が法制度としては、筋がよく、これを基本に検討すべきだと思いますが、2)の方法はベストライセンスに適用できます。

 

今回の法改正は、米中関係なども関連している感じですし、また、運用を実際どうするのか不明ですが、中国の法律家はさすがだなと思います。

 

中国では、出願手数料を半額にしたあたりから出願件数が激増したということもあり、出願費用を上げようという考えもあったようですが、それは今回の改正には入っていません。

circleksunkus.jpのドメインネーム(その2)

落札額は6000万円

2019年6月18日のITメディアに、circleksunkus.jpのドメインネームが、オークションで6000万円で落札されたという記事を見ました。

「サークルK・サンクス」公式サイトの中古ドメイン、約6000万円で落札される - ITmedia NEWS

  • 開始価格は6000円。18日間で自動入札を含めて1250件の入札
  • 6000万300円
  • かつてcircleksunkus.jpには4973のリンクが貼られていた
  • 検索エンジンからの評価は、出品されている中古ドメインの中で最も高い49(100段階評価)
  • 今後、同ドメインを使ってどのようなサイトを構築するのか。動向が注目される

コメント

6月15日の日経の記事では、100万円ぐらいでした。3日間に、60倍になったようです。スタートの6000円からすると、1万倍です。 

nishiny.hatenablog.com

 

お名前.comを見ると、6000万300円となっています。

circleksunkus.jp | .jp ドメインオークション | お名前.com

このサイトで、入札の経緯が見れるのですが、6月16日は、まだ100万円台でした。

自動入札と入札が交互に繰り返されています。

 

ドメインネームが脚光を浴びた、1995年頃に、日産が、2000万円でドメインネームを買収したというのが、話題になっていた記憶があるのですが、6000万円は驚きの金額です。

ITメディアではないですが、本当にどのように使われるのかと思います。

 

お名前.comのGMOインターネットが、現在の所有者のようですので、GMOインターネットには、6000万円が入るのだと思います。

 

ただ、本当に入金されるのかなぁという気はします。

 

クレジットカードの自動引き落としとなっています。通常のクレジットカードでは、6000万円の支払はできません。

 

どんなカードなのでしょうか?ブラックカードの所有者なんでしょうか?

サービス概要|ドメインオークション - 中古ドメインで集客効率UP|お名前.com

 

もし、引き落としできなければ、どうなるのでしょうか?

おそらく、次の人に行くのか、もう一度、オークションをするのか、何らかのルールがあるのだと思いますが、サイトを見た限りは、そのような時の説明はありませんでした。

 

新聞ネタになったので、手放してしまったファミリーマートが怒って、いくら払っても落札せよとの会社の指示があったという可能性はありますが、現実的とは思えません。

  • 誰が落札したのか(相当なお金持ちです)?
  • 次に使う人は、どんなサイトで使うのか?
  • SEO対策上の効果は、持続するのか?

など、話題が尽きないドメインネームになりました。

 

何はともあれ、6000万円という金額は、ニュースです。ドメインネームの人気が再発するかもしれません。

 

 

 

 

 

 

知財の下請けいじめ

公取の調査

2019年6月15日の朝日新聞に、ノウハウ開示や名ばかり共同研究など、大企業が下請けの中小企業の知的財産を盗む実体についての、公正取引委員会の調査報告についての記事がありました。

  • 問題事例は、延べ1400件
  • 公正取引委員会は、独禁法違反にあたるかどうかを調べる方針
  • 優越的地位の乱用
  • 3万社にアンケート。1万6000社の回答
  • 問題事例のうち、営業秘密などのノウハウ開示を迫られたケースが4割
  • ノウハウが含まれる設計図を買いたたかれるが1割
  • 名ばかり共同研究契約締結を迫られるが1割
  • 他に、秘密の製造工程をすべて動画撮影、無償提供の強要。アイデアや技術を取引先が無償・無制限で使える契約など
  • 背景に、大企業が、技術自前主義からオープンイノベーションになった点

などです。

 

コメント

3万件のアンケートで、半数回答ありというのは高率の回収率です。この問題は、ポイントを突いた良い調査だったのではないでしょうか。回答のあった企業の1割で、問題事例があったようです。

 

公取の報告書がでています。

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jun/190614_files/houkokusyo.pdf

概要もあります。

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/jun/190614_files/gaiyou.pdf

問題事例は、

  • 片務的なNDA: 相手方の秘密は厳守する一 方,自社の秘密は守られないという片務的なNDA契約を締結させられる
  • ノウハウの開示強要:  営業秘密のレシピを「商品カルテ」に記載させられた挙げ句に模倣品を製造され,取引を停止される
  • 技術指導等の強要:  競合他社の工員に対して自社の熟練工による技術指導を無償で実施させられる
  • 買いたたき:  金型設計図面等込みの発注になったにもかかわらず, 対価は従来どおりに据え置かれる
  • 名ばかりの共同研究:  ほとんど自社で研究するのに,成果は取引先だけに無償で帰属するという名ばか りの共同研究開発契約を押し付けられる
  • 出願に干渉:  取引と関係のない自社だけで生み出した発明等を出願する場合でも,内容を事前報告させられ,修正指示に 応じさせられる
  • 知財の無償譲渡等:  特許権の1/2を無償譲渡させられる 。 一方的に無償ライセンスさせられる

どれも実際にありそうな話です。これに対して、公取は、これを放置しては、我が国における企業の知的財産戦略自体が成り立たなくなるおそれがあるとして、

  1. 経済産業省特許庁と連携し,製造業全体に参考事例集を含めた調査結果の周知
  2. 引き続き優越的地位の濫用行為等の情報収集に努める
  3. 違反行為には厳正に対処(下請法違反行為については,中小企業庁と連携して厳正に対処)

とあります。

 

独禁法ですが、昔は、公正取引委員会が、行政的に調査したり、処分したり、罰則を与えるものでしたが、現在は、独禁法を私訴で使えます。

民事的救済制度:公正取引委員会

中小企業も、独禁法や下請け法を学んで、理論武装しておく必要があります。

 

中小企業も、法務や知財のレベルを格段にアップして、大企業に伍して、戦う体制を整える必要があります。海外の中小企業には、大企業顔負けの法務スキルをもった中小企業が沢山あります。イスラエルの中小企業など、契約書をみて、驚いた記憶があります。

 

日本の中小企業をサポートする、法律事務所、特許事務所のレベルも問われています。日本の特許事務所では、明細書を書くのが仕事という人がまだ多いのですが、それだけでは社会へのお役立ちが少なく、結局、評価されないように思います。

街の特許事務所にも、大企業と中小企業のWinWinの構築に関与できるように、企業の知財部レベルの契約能力が必要なように思います。

iTunes 18年の歴史に幕

完全にはなくならないらしい

2019年6月5日の朝日新聞に、「iTunes 18年の歴史に幕 アップル、機能ごとにソフト再編」という記事を見ました。

  • iTunesが幕を下ろす
  • 新マックOS「カタリナ」には搭載しない方針
  • 機能を、ミュージック、ポッドキャスト、TVの3つのソフトに引く継ぐ
  • 機能ごとに再編することで、使いやすく
  • 従来のマックOSや、ウィンドウズOS向けには引き続き提供
  • iTunesは、2001年登場。2003年にミュージックストアを追加

などとあります。

 

コメント

この記事の見出しは、どうやら、ミスリードのようです。

新型のOSであるCatalinaには、iTuneが搭載されていないというだけであり、iTunesが無くなるわけではなく、ダウンロードで購入をしたいときは、引き続き、iTunesから購入してくださいと、Appleのリリースにあります。

Apple、macOS Catalinaを発表 - Apple (日本)

 

良くいわれるように、ストリーミング型が主流になり、ダウンロード販売は低迷しているということを象徴するような見出しですが、実はAppleにとっては、ダウンロード販売はまだまだ大きな商売であり、急になくなるわけではないそうです。

ASCII.jpに、詳しい説明があります。

https://ascii.jp/elem/000/001/870/1870818/

 

それは、さておき、日本の新聞記事は、縦書きであり、アルファベットはカタカナ書きすることになっていますし、字数が増えることを極力避けようとします。まさに、この記事にその響がでています。

という部分ですが、

これは、Apple Music、Apple Podcasts、Apple TVのことのようです。

 

ちなみに、ポッドキャストAppleというイメージはありますが、完全にそうでないようです。

ポッドキャスト - Wikipedia

 

「ミュージック」、「TV」といわれたときには、何のソフトなのか、全く分かりません。

 

さて、Music、Podcasts、TV、は普通名称の部分ですが、それに、企業名(ブランドネーム)のAppleを付けて、ネーミングにしています。

 

この方式は、日本企業のブランドマネジメントや商標管理では、避けるように指導されることが多いのですが、Appleではやっています。

それも、戦略商品的な重要商品(ソフトウェア)に、Apple冠称名称を付与しているようです。

 

安易にブランドを冠した商品名を認めると、メインではない、しょうもない商品がブランド冠称名称を使ってしまい、ブランドの価値を下げます。

一方、ブランドを冠した商品名やサービス名は、戦略商品の名称としては消費者には理解しやすいものです。

 

このようなネーミングの管理を、ちゃんとやっている商標部門は、少ないと思います。企業の商標部門は、権利問題(クリアランス、権利取得、模倣品排除など)を扱い部署という認識があるためです。

 

宣伝部や広報部が、しっかり、統制を取っていれば良いのですが、これらの部門も、そこまでやっていません。

 

そうなると、ブランドマネジメント部門の出番なのですが、ネーミングを統括しているブランドマネジメント部門が、日本企業にどの程度あるのかなという気がします。

 

ということで、日本企業では、一般的に、ブランドを冠したネーミングは禁止とせざるを得ないのだと思います。

 

ただ、皆、あまり、認識はないのですが、関係会社の社名は、この「ブランド+業態を表す普通名称+株式会社」になっています。

「株式会社」の部分は、表現されないことも多いので、組織を示すものとして、「ブランド+一般名称」は案外あります。

 

商品やサービスを示すのか、組織を示すのかは、よく似ているようですが、組織はただの器であるのに対して、商品やサービスはより具体的なので、当該名称の定義が必要になり、そのあたりで、両者はだいぶ違うのだと思います。

 

外国商標をやっていると、例えば、識別性のない言葉とブランドをくっ付けて、登録を取るという運用がありますが、これは、登録を取るための便法という面と、ブランドを冠した本格ネーミングという面の両面があります。

 

日本企業がこのブランド+商品名の方式を嫌がるのは、三菱、三井、住友のどの旧財閥ではないですが、欧米企業に比べて、何でも取り組んでしまう、日本企業の際限のないブランド拡張傾向に原因にあるのではないかと思っています。

 

Appleの外縁と、グループのブランド外縁では、全く違います。例えば、Mitusbishi Music、Mitsubishi Podcasts、Mitsubishi TVは、MitsubishiAppleのような特定のイメージが薄いために、言葉として使いにくいのではないかと思います。

 

これは、PanasonicSONYであっても、多少は狭くなりますが、ほぼ同じレベルです。

 

また、各グループにある、三菱社名商標委員会などの影響もあるかもしれません。

三菱社名商標委員会

グループブランドとネーミングを峻別しているようです。

circleksunkus.jpのドメインネーム(その2)

100万円の記事を見て

2019年6月15日の日経に、「circleksunkus.jp」のドメインネームのオークション価格の現在金額が出ていました。

(電子の森)有名ドメイン 「中古」高額売買 「サークルK」100万円!? アクセス狙う悪用例も :日本経済新聞

  • 2018年6月1日、「お名前.com」で「circleksunkus.jp」が6,000円でネット-クションに
  • 入札期限は、18日午後7時。価格は、14日午後5時時点ですでに約101万円
  • このドメインは、4月に更新期限。6月1日には誰でも取得できる状態
  • GMOインターネットが出品
  • ユニー・ファミリーマートホールディングスは、使用予定がなく、社内規定に基づき対応(※おそらく放棄という意味)
  • 有名企業が使用していたドメイン名は、検索サイトで有利。アクセス数があがりやすく、広告収入増につながるので、高値取引
  • 政府のドメインは、ガイドラインで、ドメインを変えるときは、第三者に取得されないように1年以上登録を続けるようにもとめている
  • 良く知られているドメインは、悪意を持つ第三者に悪用されるリスクがあり、一定期間は保有し続けるべきとのIT専門家の声

コメント

2019年6月17日、朝5:23時点で、10,530,300でした。日経の6月1日に、101万円とありますので、そこからは、それほど上がっていません。 

マスコミの報道があって、跳ね上がるのかと思ったら、そうではないようでせす。

 

nishiny.hatenablog.com

 

識者は、ある程度、使った有名ドメインは、一定期間保有し続けることを勧めています。

 

この点、内閣官房IT総合戦略室は、政府のドメインは、終了後も1年以上保有し続けるとあります。

1年以上とは、難しい基準です。

1年でも、10年でも、30年でも1年以上です。

現場裁量が多そうな期間設定の仕方です。

 

お名前.comで、circleksunkus.jpを検索してみたのですが、circleksunks.jpとuを抜かしてしまい、検索結果がゼロでした。

 

thanks→sunkusと、違った綴りをして、面白くしているようです。大体合っていますが、sunkusの綴りまでは覚えていませんでした。

また、jpだったか、.co.jpだったかも覚えていません。

 

お名前.comで、circleksunkusを打ってみると、お名前.comで取り扱っている、circleksunkusの一覧が、出てきます。

.jpの他に、.net、.com、.co.jpなどいろいろあります。

このうち、オークションになっているのは、.jpだけのようです。

.incは、216,000円と高いですが、.xyzは、1円とあります。

 

こんな状態なら、何も無理して、使用中止後、維持しなくても良いんではないかという気もします。

 

購入者はSEO対策上有利ということで、購入するようです。しかし、検索エンジンは、数ヶ月もすると、新しい情報に置き換わるので、内閣官房の政府のサイトについての、1年以上という基準は、あながち悪くない基準ではないかという気もします。

 

それにプラスして、実際に使用していた有名ドメインの場合は、終了後3年なり、5年なりは保有する(※日本の商標法の不使用取消は3年、欧州や中国は5年)というぐらいが、妥当な基準のような気がします。

 

今回、GMOインターネットは、自分で購入して、オークションにかけていますが、これは、

  1. 単に、売れて儲かると判断したのか、
  2. 社会に対して、ドメインネームは、使用を終了しても、一定期間は持っておきましょうというメッセージを送りたかったのか?

どちらなのかなぁと思いました。

上期のヒット商品番付

日経MJヒット商品番付

2019年6月5日の日経に、日経MJの2019年上期のヒット商品番付が出ていました。

横綱は「令和」「スマホペイ還元」 19年上期ヒット番付 :日本経済新聞

番付  東:西

横綱  令和:スマホペイ還元

大関  10連休:任天堂大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL

関脇  東京五輪チケット:ダイナミックプライシング

小結  「樹木希林さん」本:翔んで埼玉

前頭  ライオン「ルックプラスバスタブクレンジング」:花王「アタックZERO」

同   ローソン「バスチー(バスク風チーズケーキ)」:トヨタ新型「RAV4

同   無印良品 銀座:スターバックス リザーブ ロースタリー東京

同   ムーミンバレーパーク:うんこミュージアム

 

コメント

ダイナミックプライシングは、USJのものが紹介されていましたが、家電量販店が他店対抗で、電子値札を使って値段を変えるのもの同じですね。

 

赤字で書いたものは、聞いたことがないかなと思ったものです。

 

任天堂大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL

ファイター | 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL | 任天堂

マリオや、ピカチューだけでなく、ゼルダ、動物の森、ソニックロックマン、その他、キャラクターが大集合した、任天堂SWITCHの格闘ゲームのようです。

これは人気になりそうです。

 

ライオン「ルックプラスバスタブクレンジング」

ルックプラス バスタブクレンジング|ライオン

このCM見たことがありました。

ミストの洗剤で、擦らずに洗えるというものです。これは、使ってみないと効果が分かりませんが、もし、宣伝通りなら、素晴らしい洗剤です。

 

ついでにアタックZEROも

花王株式会社 | アタック | アタックZERO

バイオ洗剤ということで、洗濯用です。落ちにくい汚れゼロ、生乾きのにおいゼロ、洗剤残りゼロ、など、ちょっと誇大表示的ですが、大丈夫なのでしょうか?

 

ローソン「バスチー(バスク風チーズケーキ)」

近くにあるコンビニが、ファミマばかりなので、ローソンに行くチャンスは少ないのですが、バスク風チーズケーキは、食べてみたいと思います。215円(税込み)

バスチー ‐バスク風チーズケーキ‐|ローソン公式サイト

  

うんこミュージアム

まったく、知りませんでした。横浜駅東口の崎陽軒の裏手にあるようです。

 

うんこ漢字ドリルの会社がはじめたのかと思ったのですが、ちがう感じです。

子供達がターゲットかというと、そうでもなく、女子高生、女子大生あたりで、SNSインスタ映えするというのが、ポイントのようです。

 

近くなのですが、残念ながら、あまり行きたいという気持ちになりませんが。

 

高島屋の原産国表示問題

ブランド化粧品147点

2019年6月13日の日経で、高島屋がブランド化粧品の原産国に関して異なった表示をして、原産国の不当表示として、景表法に基づき再発防止命令を受けたという記事を見ました。

高島屋、原産国を違法表示 ブランド化粧品147点 :日本経済新聞

  • 高島屋が、オンライン販売で、事実と異なる原産国を表示
  • 消費者庁は、景品表示法違反(原産国の不当表示)に当たるとして再発防止命令
  • シャネルやディオールなど有名ブランド
  • 化粧品の種類は147点
  • 景表法違反と認定された1社当たりの販売商品としては過去最多
  • ディオールの韓国産ファンデーションを「フランス産」と表示するなど
  • 原因は取引先から誤った原産国を伝えられた
  • 原産国が変わったことに気付かず、誤った掲載を続けたなど
  • 購入した顧客から高島屋に「原産国が違うのではないか」と問い合わせで発覚
  • 報告を受けた消費者庁が調査

同日の毎日新聞には、

  • 25ブランドの正規の化粧品
  • 韓国産をフランス産、フランス産をアメリカ産などと表示
  • 購入した客から、原産国が違うと高島屋に問い合わせ
  • 高島屋の報告を受け、消費者庁が調査
  • 対象商品の販売数は3920点(計約1500万円)
  • いずれも商品自体には正しい表記

高島屋通販サイト 化粧品など原産国表示に誤り 消費者庁が再発防止命令 - 毎日新聞

 

コメント

消費者庁の報道発表資料があります。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/release/2019/pdf/fair_labeling_190613_0001.pdf

原産地表示は、景表法の中に、

  • 商品・サービスの取引に関する事項について一般消費者に誤認される
    おそれがあると認められ内閣総理大臣が指定する表示(5条3号)

というものがあり、その中に、

  • ②商品の原産国に関する不当な表示

というものがあるようです。

 

最近、話題の、課徴金の対象ではなかったようです。

 

消費者庁の管轄となったことや、課徴金制度で、景表法ががぜん、脚光を浴びています。今や、商標法よりも、重要な法律になったような感じさえします。

例えば、花王のブランド法務部は、商標法と景表法の二つに対応するのが、ミッションです。商標部門の再生、強化の一つの方向性ではないかと思います。

 

商標部門の依頼者は、マーケティングの人達であり、その人に対する法務サービスという点で、客先が共通しているのだと思います。

景表法の担当は、事業毎に公正取引協議会が別だったために、薬事であったり、宣伝であったり、営業であったり、法務であったり、色んな部門に点在しているので、それを一か所に集めて、強化するのはありだと思います。

 

さて、今回の件は、顧客から高島屋に問い合わせがあり、高島屋消費者庁に通報したようですが、消費者庁には、独自の通報システムがあり、Webサイト上で問題を通報できるようです。

景品表示法違反被疑情報提供フォーム|消費者庁

 

あるWebサイトによると、消費者庁景表法担当の課長補佐がある会合で言うには、概数として、

景表法違反の通報が年間11,000件あり、そのうち、調査に取り上げるのが5-600件で、そのうち、措置命令に至るのが50件。それを70名くらいの職員で対応しているとあります。

景表法違反の通報/食薬区分・機能性表示の変更 ~1783号~(2019/03/19) : 化粧品広告表示・健康食品広告表示ナビ

 

この通報制度は、景表法の運用上、良く機能していると思います。

 

日本でも、最近は、ネットショッピングや、オークションサイト、フリマアプリを中心に、模倣品が出てきています。

この対応は、このような通報システムが必要です。

 

経産省の模倣品対策課が、近いことはやっていますが、これの拡充が必要なような気がします。

被害に遭ったら -相談窓口(METI/経済産業省)

 

韓国の特許庁には、模倣品対策の捜査権があります。厚生労働省麻薬Gメンのようなものです。日本も、特許庁に、この種のものを設置するべき時期に来たのではないかと思います。

特許庁が知的財産権侵害犯罪を根絶する! | 知的財産ニュース - 知的財産に関する情報 - 韓国 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ