ネット掲載解禁
2018年2月1日の日経夕刊に、ジャニーズ事務所がタレント写真のネット掲載を解禁したという記事がありました。
- ジャニーズ事務所は、所属タレントの会見写真などをインターネットのニュースサイトに掲載することを解禁すると発表
- 従来は、タレントの肖像権保護の観点からネットニュースへの掲載を認めていなかった
- 今後、記者会見や舞台あいさつなどジャニーズのタレントについて、各メディアが撮影した写真を使えるようになる
ジャニーズ事務所は段階的に変化しているようで、2018年1月4日の日経電子版の記事がありまいした。
コメント
ネット配信の是非も入っているので複雑ですが、ジャニーズは、肖像権の管理を徹底していたという理解です。
ブロマイドは、事務所が撮影を依頼して、そのコントロールのもとブロマイド屋さんで販売するので許されるが、個人がコンサートで撮影は厳禁という考え方です。個人で楽しむ分には構わないように思いますが、ブロマイドの時代でも個人で撮影してそれを販売する人が相当数いたので、カメラ持ち込み自体を禁止するという対応になっていたのだと思います。
手元の著作権法辞典(出版ニュース社、昭和60年、古いです)によると、肖像権とは人の肖像について肖像者本人が有する権利で、実定法上の規定はなく、判例で承認されたもののようです。人格権としての肖像権と、財産権としての肖像権に分類できます。
- 人格権としての肖像権は、①無断撮影に対する拒絶権、②作成された肖像の公表・利用に対する拒絶権とあります。(なお、写真の著作権は、撮影者にあります)
- 財産権としの肖像権は、肖像を対価を得て使用させることを決定する権利で、他人に譲渡可能なものとあります。
基本は、タレント本人の権利ですが、契約で事務所に集めているのだと思いますが、肖像権の二重性は、著作権の構成(著作人格権と著作財産権)と近いですね。
ネット社会の前は財産的価値がメインかと思っていたのですが、人格権的側面も重要なようです。SNSが広がり、自ら肖像を出すことも普通です。
アマゾンでジャニーズのタレントのDVDを注文するときですが、そう言われれば、ジャケットのタイトルだけで写真がありませんでした。
解禁といっても、事務所のWebサイトで解禁とか、ネットニュースで解禁とか、一部のようですが、DVDのジャケットも解禁されると良いかなと思います。
今は、監視カメラが多いですので、実は個人の肖像は撮られまくっています。こちらの方は、監視の必要性からやっているのですが、こちらと肖像権の関係はどう考えたらよいのかと、ふと疑問に思いました。