Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

Google、facebook 対価支払い

日本でも

2020年12月5日の日経で、グーグルの記事使用に対する対価支払いが、日本でも始まるという記事がありました。

米IT大手、報道機関に記事使用料 Googleは日本に拡大: 日本経済新聞 (nikkei.com)

  • 広告収入の減少で、報道機関の経営が悪化
  • 一方、IT大手がインターネット広告で存在感
  • 2020年の米国のネット広告では、両社で50%のシェア
  • グーグルは2020年10月にドイツなど6カ国で新サービス「グーグル・ニュース・ショーケース」をスタート
  • 従来の「グーグルニュース」とは別に、報道機関に対価を払って入手した記事を無料で読めるようにする仕組み
  • 提携先報道機関は400社近く
  • 日本でも始める計画があると発表
  • 一方、フェイスブックは2019年に米国で「フェイスブック・ニュース」をスタート。英国に広げる

とあります。

 

コメント

フランスのメディアが、対価を求めていたと記憶しています。 

nishiny.hatenablog.com

  

nishiny.hatenablog.com

 

リンクが著作権の侵害になることはないのでしょうが、記事の冒頭のまとめ(リード)が表示される部分が、著作権の侵害になるということだろうと思います。

記事が有料でしか読めず、Googleからリンクした先で課金できるなら、問題なさそうなのですが、実際は課金が上手くいっていないということだろうと推測します。

 

しかし、Googleも世界のマスコミ400社などを対象に、契約を結ぶなど、凄い法務力だなと感心しました。

日本の法律事務所で、この仕事をやってのけることができる事務所があるだろうかと思いました。

 

Google Newsを見ていると、表示するのはタイトルだけになっています。リード部分はありません。

この表現では、著作権のでの対価の請求は難しいような気がします。

 

なんとなく想起したのはJASRACです。しかし、JASRACの場合は権利者側ですので、使用者であるお店を見つけてモグラ叩きを続けて、どんどん契約者を増やすことも可能と思いますが、Googleの場合は相手方が権利者です。無茶なことを言うかもしれません。

 

一方、相手方も金銭的補償が必要であるとして、話に応じてくれているのだろうとは想像できます。

 

記事の内容自体に、著作権がある訳ではなく、著作権があるのはあくまで表現の部分です。

この基本の点を外すと、萎縮効果が大きくなり、文化の発展を阻害し、著作権法の根本の趣旨にもとることになります。

 

おそらく、著作権の請求対象になるのは、Google Newsとは別の新サービス「Google News Showcase」ではないのかと思います。

こはちょっと気になるところです。