近現代史をあまり知らない
ゴールデンウィークに「ウィンストン・チャーチル(ヒトラーから世界を救った男)」を見てきました。
もう、ロードショーの最終で、夕方に一回上映されているだけでした。そのためか、連休中というのに座席はだいぶ空いていました。中高年が多かった感じです。
特殊メイクで、日本人がアカデミー賞を受賞したということは、聞いていましたが、内容の予習はせずに行きました。
予想としては、多少の戦闘シーンのようなものがあるのかと思ったのですが、そのようなものはなく、また、英国が勝利するまでを描いたのでもなく、首相就任から約1ヶ月の心の葛藤劇のような内容でした。
近現代史、それもイギリス視点の近現代史の知識は全くなく、ダンケルクの撤退というのもほとんど知りませんでした。
カレーの2000人を見殺しにして、ダンケルクの本体を救ったというのは、史実なんでしょうが、プレジャーボートで英仏海峡を渡ったというあたり、面白いなと思いました。海賊のキャプテン・ドレークが無敵艦隊を破ったというのに近い感じです。
映画の内容ですが、これだけの傑物でも、映画がフォーカスしている首相就任後の一ヶ月間は、悩みに悩んでいます。チャーチルでさえ、ドイツとの融和に進むしかないという、弱気が覗くときがあり、ギリギリのところだったのことが描かれています。
原題が、DARKEST HOURですので、イギリス人にとっては、最も暗かった時間でなんですね。
Wikipediaからの引用ですが、映画にもあった演説で、次のようなものがあります。
- 「万が一イギリス本土が占領されたとしても我々は戦いをやめないであろう。海の彼方にも広がる我が帝国は、新世界から海軍を使って旧世界の救援と解放を目指す。」
演説が上手いのですが、原稿は自分で考えて、秘書にタイプしてもらっています。
ただ、上手い演説と、反感を買うというのは、裏腹の関係にあるようであす。
「フランス艦隊を全てイギリスの港に送れ」や、「英仏連邦」という名の一つの国家にしようという演説に対しては、「死体(イギリス)と結合するくらいならナチスの占領下に入った方がマシ」というように、フランス軍人・政治家の反感を買ったとあります。
Wikipediaのチャーチルの項目は、非常に丁寧にまとめてあったのですが、一人の人間があまりに沢山のことをしているので驚きです。
必ずしも、成功ばかりではなく、多くの失敗をしているようです。
しかし、失敗を積み重ねているのに、これだけ重要な仕事に関わり続けれるというのは、どういう理由なのかなと思いました。
単に、上流階級出身(公爵の庶子の子供で、自身は平民だそうです)というのが理由なら、そんな人は沢山いたでしょうから、やはり人間的な魅力があったんでしょうね。