Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

公文書の「,」の見直し

そんなルールがあったとは

2019年11月18日の産経新聞(THE SANKEI NEWS)で、公文書の「,」(コンマ)の話を読みました。

公文書の「,」なぜ? 半世紀以上、見直し検討 - 産経ニュース

  • 公文書の読点は、「,」(コンマ)が使われている
  • 一方、民間では広く「、」(テン)
  • 昭和27年、官房長官が各省庁の事務次官に通知した「公用文作成の要領」
  • それまでの通達は縦書きで、文語調。難解。分かりやすくするためにルール化
  • 公文書は「なるべく広い範囲」で左横書きとし、句読点にはコンマと「。」(マル)を使うとした
  • 法令や各団体への通知など公文書のほか、学校教科書でもコンマ
  • しかし、半世紀以上を経て、省庁でもテンを使う文書が増加、専門家会議で議論
  • 現在は、コンマとマルよりも、テンとマルを統一的に使う省庁・自治体が大勢
  • 日本語入力ソフトの影響

とあります。

コメント

確かに、なぜコンマを使っている文書があるのだろうかと思っていました。
手元にある、左横書きの知財の雑誌の記事を見ると、
  • 知財管理:「,」(コンマ)
  • パテント:「,」(コンマ)
  • 発明:「、」(テン)
  • 商標協会誌:「、」(テン)
  • 特許ニュース:「、」(テン)

となっています。

同じく、左横書きの本では、

  • 網野先生の「商標」:「,」(コンマ)
  • 注解商標法:「,」(コンマ)
  • 加戸先生の「著作権法逐条講義」:「、」(テン)

色々ですが、特許の世界では、「、」(テン)よりも、「,」(コンマ)が多いような気がします。

 

例えば、パテント誌に論文等を提出するときは、「、」(テン)で書いた原稿は、「,」(コンマ)に変換して提出しないといけないのでしょうね。(事務局が変換するのでしょうか?)

 

コンマというようですが、英語ではカンマと発音するように思います。

そもそも、この「,」(コンマ)は、全角です。日本語としての約物、句読点としての「,」(コンマ)なので、日本語で「コンマ」で良いのでしょうね。

 

確かに、文語調から現代文になったときに、日本語の文書革命があります。特に、左横書きするなら、英文等にならって、句読点が「,」(コンマ)になったのも、理解できるように思います。

縦書き文書まで「,」(コンマ)にしておけば、「,」(コンマ)がデフォルトになったのでしょうが、左横書きだけにしたというのは、ちょっと中途半端だったのかもしれません。

ちなみに、中国では、縦書きでも「,」(コンマ)を使うようです。

コンマ - Wikipedia

 

パソコンが一般に普及したのは、1995年のWindows95からですから、平成6年からです。それまでは、日本語タイプのプロの世界です。

 

通達が改正されたら、知財管理やパテントも、「、」(テン)になっていくのでしょうか。