AIで鑑定。精度99%
2020年8月20日の朝日新聞に、コメ兵がAIを使った偽ブランド商品を見分けるシステムを名古屋本店で導入するという記事がありました。
- 8月25日から名古屋本店で導入
- ルイ・ヴィトンのみ対応
- ブランドや商品を拡大し、全国の店舗へ
- 鑑定士が見極める場所を、数か所マイクロスコープで撮影
- コメ兵のデータと照らし、本物か偽物かを判定
- 数分間で、精度99%
- 買い取り査定の補助も
- 海外からの偽物の流入は増加傾向。フリマアプリに少なくない
コメント
この話は、2020年2月の日経 X TRENDにも出ていたようです。ニュース価値は実際にAIのシステムが動き出すという点にあるようです。
精度99%という点は、高いということだろうと思います。
良い偽物判定システムができた訳ですが、コメ兵の商品はこのシステムで査定したものは本物ということは言え、コメ兵で買う分には安心できますが、それだけでは、市場に流通している偽物商品を削減することはできません。
削減するには、コメ兵がこのシステムを、ライセンスなどにより、他社に公開するしかありません。
しかし、どこをチェックしているかや、どの特徴をチェックしているかは、模倣品業者に知られる訳にはいかない機密だろうと思います。そう考えると、ライセンスは簡単ではなさそうです。
そもそも、コメ兵としては、自社の販売する商品は、偽物ではないですよというPRが主目的かもしれませんので、フリマアプリの業者等のライバルも、自分でコメ兵と同じシステムを開発するしかありません。
コメ兵は、もともと専門の鑑定士がいるのでシステムができたと思いますが、フリマアプリなどは模倣品対策の専門家や、社会的な問題がないかチェックする専門家はいても、コメ兵ほどの鑑定士はいないのではないでしょうか?
コメ兵出身の鑑定士は、特殊な能力を有する人として、就職市場でも引く手あまたかもしれません。
コメ兵も、ライバル他社やフリマアプリにシステムをライセンスすることは難しいかもしれませんが、税関や警察などへの協力は、何からの形でできるようならないかなと思います。
例えば、ルイ・ヴィトンの偽物があったとして、ルイ・ヴィトン・ジャパンでも鑑定可能であるとしても、郵送で送り、鑑定してもらいとなると、時間がかかります。
このシステムでは数分ということですので、時間短縮になります。
税関に設置されたとなると、偽物の流入自体が減りますし、社会的な貢献は大きなものがあります。
それでも、やはり、自社の競争優位性のために、クローズドするしかないのでしょうか。少しもったいないですね。
結果は分かりませんが、税関から協力要請してみてはどうでしょうか?