Daieiとdaiei
2021年2月25日の朝日新聞と日経の両紙で、ダイエーの1面広告がありました。これは、ちょっとした事件です。
Citrus Bibbonとは、新型コロナウイルスに感染した人たちへの差別や偏見を減らし、感染した人や医療従事者が普通に「ただいま」といえる雰囲気を作り、おもいやりある暮らしやすい社会を目指す運動とあります。
紙面の左端上段に、ダイエーの以前の「オレンジのＤのマーク＋Daieiの文字」、右端上段に現在の「オレンジの小文字dのマーク＋小文字のdaiei」のブランドロゴがあります。
そして、紙面下には、AEON、daiei、AOEN FOOD STYLE、goumet city、foodiumのロゴがあります。
コメント
ダイエーのロゴが、現在の「オレンジdのマーク＋小文字のdaiei」のブランドロゴになったのは2005年です。当時、ダイエーは1995年に発生した阪神淡路大震災以降の業績悪化がとまらず、積極的な経営スタイルが災いして、業績悪化となり、現横浜市長の林文子さんが会長に、現パナソニックの樋口泰行さんが社長になり、ブランドロゴを変更したと記憶しています。
当然、古い「オレンジのＤのマーク＋Daieiの文字」は店舗の看板からもなくなり、現在の「オレンジの小文字dのマーク＋小文字のdaiei」のブランドロゴに変更になりました。
ダイエーの歩み 2000年代 - 会社案内 | ダイエー[企業情報] (daiei.co.jp)
その後、2013年にイオンの傘下に入り、2015年には100％子会社になっています。
ダイエーの歩み 2010年代 - 会社案内 | ダイエー[企業情報] (daiei.co.jp)
イオンの傘下に入った、MYCAL（旧ニチイ）などは、ブランドを消し、VIVREなどが残っているだけです。
ダイエーもそうなるのかと思っていたのですが、ダイエーは別格のブランド力があるということか、ダイエーに対する配慮か、組織を活用したいということか分かりませんが、ダイエーは食品スーパーのブランドとして残ることになりました。そこまでは、理解していました。
企業買収したからっといって、価値あるブランドをすべて消してしまい、単に統合するだけで、業績が向上するかというと、世の中はそんな簡単なものではありません。
ダイエーブランドを、食品ブランドとして残すことは、非常に良い選択だったように思います。
しかし、このCitrus Ribbonの広告を見ていると、最も重要な左肩の部分に、昔の「オレンジのDのマーク＋Daieiの文字」があります。現在の「オレンジの小文字dのマーク＋小文字のdaiei」のロゴの位置（右肩）は、セカンドベストかそれ以下の位置です。
Z型に紙面を見る場合のセカンドベストの位置は、通常は右下の位置と言われます。なんとそこには、QRコードがあり、それを見ると、下記の1分のTMCMがあります。
CMでは、最後のCI表示の部分に、なんと以前の「オレンジのDのマーク＋Daieiの文字」が出てきます。そのあと、daieiやgoumet cityその他のブランドがあります。
このCMですが、歴史の一コマとして、以前の「オレンジのDのマーク＋Daieiの文字」を使っているのか、企業ブランドとしての使用なのか、不明確なところがあります。
一方、新聞の方は、最も良い位置に以前の「オレンジのDのマーク＋Daieiの文字」を使っていることは確かです。
素直に考えると、昔のダイエーロゴの大復活です。イオンという大きなグループの中に、ダイエーという小さなグループがある訳ですが、グループ内のダイエーグループのロゴとして、位置づけ直したように見えます。
確かに、ブランドのパワーとしては、現在の「オレンジの小文字dのマーク＋小文字のdaiei」よりは、以前の「オレンジのＤのマーク＋Daieiの文字」の方が強烈です。
そのうち、現在の「オレンジの小文字dのマーク＋小文字のdaiei」は、以前の「オレンジのＤのマーク＋Daieiの文字」駆逐されるかもしれないなという予感を持ちました。
以前の「オレンジのＤのマーク＋Daieiの文字」のパワーは強烈です。一方、現在の「オレンジの小文字dのマーク＋小文字のdaiei」ロゴは大人しい印象です。
ただ、以前の「オレンジのＤのマーク＋Daieiの文字」は、中内功さんのイメージとかぶったりするメッセージ性があります。
イオンという組織がそれをそのまま飲み込めるかどうかです。イオンは懐が深いところがあるので、可能かもしれないなと思いました。
ただ、一点気になることがあります。
ダイエー「シトラスリボンプロジェクト」への賛同について (daiei.co.jp)
このページでPDFが添付されているはずなのですが、Not Foundになっています。以前の「オレンジのＤのマーク＋Daieiの文字」復活の反響が大きく、止められたのかしれません。
この新聞広告やTVCMが、アドバルーンだった可能性です。もう少し、様子を見ないと分かりませんね。
