Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

分身ロボット「オリヒメ」

テレワークが進むツール

2017年8月5日の日テレのZIPで、分身ロボットのオリヒメが紹介されていました。働き方革新のツールとして紹介されていました。

orihime.orylab.com

番組では、導入しているオフィスの課長さんが、自宅で子供の面倒を見ながら仕事をするというシチュエーションでした。オリヒメは会社の課長さんの机の上に置いてありました。

オリヒメができるのは、まず、在宅勤務の課長さんからは、

  • カメラが目の位置に入っているのですが、首を動かせて、広い範囲で見渡せる
  • 課内での会話が聞ける
  • 課員を呼びたいときに、オリヒメの手をあげて、「〇〇さ~ん」と声をかけられる
  • 課長は、自宅のPC、タブレットなどから、オリヒメを簡単に操作可能

課員の立場からは、

  • 課長に話かけ、質問できる
  • オリヒメは、動作で、困っている、うれしいなどを表現してくれる

というものでした。今回は、課長が在宅勤務でしたが、課員が在宅勤務のときも、オリヒメを活用しているとの話でした。

 

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Office365の、PC画面に在宅勤務中の方のアイコンが出てくる方式も良いのですが、オリヒメの方が、リアル感があります。

 

課長としては、自宅にいながら会社と同じ雰囲気の中で、仕事ができますし、仕事のお願いなどをするのも、メールよりも直接話ができる方が、話は早いと思いました。

仕事の依頼は、当然、電話でもできるのですが、視覚でも繋がっている分身ロボットが手をあげて、「〇〇さ~ん、お願いがあるのけど」と言っている方が、だんぜんリアル感がちがいます。

 

面白いとおもって、上記のオリヒメのWEBサイトを見たのですが、この分身ロボットは単に、在宅勤務用に開発されたものではないようでした。

会社は、オリィ研究所というベンチャーで、若いイケメン社長の吉藤健太朗さんという方が作られた会社です。

ご本人が小学校、中学校時代に、不登校の経験があるようです。その後、高専、大学と進まれ、ロボットの道に入ったようです。

オリヒメの活用例として、難病、遠隔教育、遠隔・在宅勤務とありますが、難病、遠隔教育が先にあり、サブで遠隔・在宅勤務に活用先が広がったと感じです。

 

難病の方の病室と自宅などをつなぐ、不登校の生徒と教室をつなぐ、結婚式にどうしても参加できない人と式場をつなぐなどが紹介されています。

 

在宅勤務と自宅勤務の境目が消えていく印象がありました。マルチメディアという言葉が流行ったころに、皆が言っていたようなことが、やっとできるようになった感じです。

当時のNTTのデモでは、大型スクリーンがあり、在宅勤務者本人が常時そこに映っている感じでしたが、オリヒメの方が多少子供の世話をしていても平気なので、利用者にも喜ばれると思います。

IPランドスケープ

知財部門の経営貢献

 少し前ですが、2017年7月17日の日経に「IPランドスケープ」の紹介がありました。私個人は、初めて聞いた言葉です。

www.nikkei.com

定義として、次がありました。

  • 経営陣のニーズをつかむ
  • 特許やマーケティング情報から戦略報告書を作成
  • 経営陣に提案、全社戦略に反映

これに対して、従来の知財部門が実施している特許調査は、自社の製品が他社の特許に抵触していないか調べるためのもので、事業の失敗を防ぐためのものとあります。

www.nikkei.com

こちらの記事に具体的な成功例があります。

  1. ナブテスコ知財部門と技術部門が主導したM&A事例
  2. 三井物産戦略研究所の知的財産室長の山内明さんが、グーグルのAIを使った自動運転が脅威になると予言していた話

そして、企業の知財部が、社内特許事務所であり、研究部門が提案した特許を出願し、特許の量を増やすことが仕事であり、経営にかかわることは期待されていなかったとあります。

最後に、日本では知財部門の位置づけが低いという話があり、例外的に位置づけの高いキヤノンの長澤健一常務執行役員のいつでもトップに進言できる立場にあるという話で締めくくられています。

 

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何のことはない、以前から言っている、知財情報に基づく、知財報告書、知財経営のことのようです。大きな企業でも、同じようなことをやっているのではないでしょうか。ただし、知財部門だけではなく、技術部門と共に、やっているような気がします。

 

さて、このIPランドスケープという言葉ですが、他に出典がないかと検索したら、特許庁知財人材スキル標準(Version2.0)に、知財ポートフォリオマネージメント、オープン&クローズド戦略などと並び、IPランドスケープができることというものがありました。

知財人材スキル標準(version 2.0) | 経済産業省 特許庁

みずほ情報総研の研究報告をベースにしたもののようです。

 

知財ポートフォリオは、特許マップの発展形ですし、オープン&クローズといってもライセンス方法の発展形ですし、IPランドスケープ知財トップ提言で、何も、今、始まったことではないと思います。

ただ、知財部が出願・権利化や、特許事件対応など、MUSTの業務で精いっぱいで、なかなかやろうと思ってもできなかったことだと思います。

新しい言葉で説明し直して、多少なりとも戦略的なことができるようになるなら良いというところでしょうか。そのためには、定義や概念を明確にさだめて、一般のビジネスパーソンにも共通認識となるようすることが欠かせません。

 

知財は、工業系大学の知財学部や知財専門職大学院で研究等がされていますが、これらの学校は、発信力に欠けます。本来、このあたり、経営学系のビジネススクールで研究した方が良い領域であるように思います。

 

海外でIPランドスケープという言葉は、ほとんど使われていないようですが、Patent Landscapeの使用例は割と沢山ありました。両社は同じ意味のようです。

 

Finnegan事務所が、IP Landscapingについての記事を掲載しています。

http://www.finnegan.com/ja/resources/articles/articlesdetail.aspx?news=3ba78275-d12a-4a72-993c-f06839284f54

日経の記事の、GoogleのAIの自動運転技術の予言のような話よりは、特許調査寄りの、企業の知財部で日々発生している実務的な話をしているようです。

五輪マスコット

マスコットの公募方法

2017年8月1日の日経夕刊に、五輪のマスコットの公募開始についての記事があり、選定のスケージュールがありました。

<選定方法のスケジュール>

  • 8月1日~14日 デザイン応募受付
  • 玩具、漫画、アニメなど専門企業社員による選考
  • 審査、商標などの調査
  • 12月上旬 最終候補作品3、4点程度を公表
  • 12月11日~2018年1月19日 全国の小学生による投票
  • 2月上旬 デザイン発表
  • 7月~8月 ネーミングを含めたマスコットの正式発表

関連する、日経の記事はこちらです。

www.nikkei.com

 

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マスコット自体の選定と、マスコットの名前の選定は、分けているようです。前半のマスコット自体の選定に、玩具、漫画、アニメの企業の担当者が入るのは、商品化の展開しやすさなどをチェックするのだと思います。

 

商標調査がありますが、この種のマスコットは、本来的には、商標よりは、著作権だと思います。

しかし、商標や意匠は調査が可能ですが、著作権は正確な調査ができません。最近の検索エンジンは、キーワードから画像を検索する機能が良くできていますが、画像から画像を検索するのは、まだ得意ではないと思います。

独自創作である(依拠性がない)ことを理由に、著作権はチェックしない作戦なのか、商標調査に著作権調査の代替をさせるのでしょうか?

 

また、マスコットの審査に、小学生のみ投票できるという点が気になりました。マスコット=子供向けという時代ではないと思いますし、盛り上げ策と考えると、何も小学生に限定せず、誰でも投票できるとする方が良いように思います。

ネットでは、小学生かどうかのチェックが難しいですので、小学校の授業で投票するのでしょうか?と思ったら、日刊スポーツに答えがありました。

 

小学校のクラス単位で投票するようです。教育と大会をつなげるという目的があるようです。クラス単位で議論することが重要とありました。

www.nikkansports.com

 

応募要項などの募集の詳細は、こちらです。

tokyo2020.jp

シンボルマークに比べて、準備が相当大変そうです。

  • オリンピックとパラリンピックの2つのマスコットが必要
  • 東京五輪パラリンピックのシンボルマークを入れて描くこと
  • 斜視図だけではなく6面図が必要
  • マスコットが喜んでいるのと驚いている、2つのデザイン案が必要
  • マスコットが競技している姿が2つ必要

などです。企業で専門にやっている方しか提出できないと思います。

 

日刊スポーツによると、マスコットの名前は、作品決定後にプロのコピーライターが複数案提示し、最終決定段階でマスコット作者も含めて審議するとありました。

 

全体に、プロ対象のコンペという印象です。考えられていると思った点は、小学生に議論させるようにしたことで、マスコットを題材に、大会の理念を議論する機会にするという点ですね。

行ってきました(映画)

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

2017年8月5日の土曜日に、ファウンダーの映画を観てきました。横浜ではジャック&ベティでしかやっていませんでした。そのため、今回、初めて、京急黄金町駅を利用しました。

thefounder.jp

映画は、レストラン事業のフランチャイズ化によって、マクドナルドを大成功に導いたレイ・クロックの話です。

 

マクドナルドは、マクドナルド兄弟がはじめた、美味しくて、スピーディな、画期的なレストランビジネスで、大成功をしており、また、彼ら自身でも多少はフランチャイズ化までやっていたようです。特に、弟さんがアイデアマンです。

 

しかし、品質管理などが課題で、大きく広げていなかったところに、その繁盛している店舗を見たミキサーのセールスマンのレイ・クロックが成功を確信し、フランチャイズ権の再販売権を獲得します(52歳からの再スタートです)。

そして、フランチャイジーの発掘や指導、資金繰りなど多くの苦労をしながら、事業を全米に推進していく過程を描いたものです。

 

資金繰りの悪化で、黒字倒産の危機にあったときに、偶然出会った税理士に、

  • レストランビジネスの売り上げについて、ロイヤルティを得るだけでなく、
  • 良い物件を見つけて不動産を取得し、フランチャイジーにレンタルして、
  • ロイヤルティと、賃料のダブルで儲けるビジネスを伝授されます。

これにより、会社には担保ができて、資金繰りが改善し、出店ペースが加速します。

 

保守的なマクドナルド兄弟と急進的なレイ・クロックの言い争いがあります。レイ・クロックが、自分の経営する会社の社名に、マクドナルドの文字を入れて、兄弟が契約違反であると激怒するシーンがあります。レイの答えは、「レストランの中の話は兄弟のものだが、その上下は契約にはない」と反論するなど、ヴェニスの商人ような展開です(シャイロックをやりこめた裁判官を思い出しました)。

 

最終的に、レイ・クロックは、マクドナルド兄弟から事業を奪うのですが、そのときの対価は、兄弟二人で、270万ドルです(一人、135万ドル)。当時ですので、悪い金額ではないように思います。

 

映画の最後の方で、レイ・クロックとマクドナルド兄弟の弟さんの会話シーンがあるのですが、この映画で一番印象的で、かつ、ブランド的でした。

 

弟さんから、一番初めに出会ったとき(ミキサーのセールスでいったとき)に、「レストランビジネスの秘密もすべて教えたのに、なぜ、自分でレストランを始めなかったのか」という質問があります。

 

レイの答えは、「気がつかなかったのですか?名前です。クロックというスラブ系の名前のレストランで誰が食事をしたいでしょうか。マクドナルドの名前が良かったのです。単にあなた方のビジネスの真似をした人のビジネスは皆つぶれたでしょう?」というものでした。

 

結局、マクドナルド兄弟は、自分達のやっていた店舗から、McDonald'sの看板を下ろし、Big Mという看板にかけ替えます。マクドナルドの商標権譲渡までが、契約内容だったようです。

 

ブランドの要素も入った、また、契約社会のアメリカらしい映画でした。ブランド、商標担当者には、お薦めです。

 

レイが、ノーマン・ビンセント・ピールのレコードを聴くシーンも良かったと思います(ピールは、ドラルド・トランプ大統領が、唯一の師匠としている人のようです)。

また、映画には夫婦関係や、1950年代の再現や、誰がファウンダーなのかなど、面白い話があるので、是非、見てください。

富士ゼロックスの偽造防止技術

Yoctrace(ヨクトレース)

2017年7月28日の日経で、富士ゼロックスの新しい偽造防止技術の記事を見ました。本件については、富士ゼロックスニュースリリースがまとまっているようです。

news.fujixerox.co.jp

リリースをまとめると次のようなものです。

  • 画像処理により、物体表面のパターンを識別する、「一意識別技術」
  • 工業製品などの物体表面に偶然生成された固有のランダムパターンを識別
  • 商品券やIDカードの真贋判定や偽造防止、ブロックチェーン技術と組み合わせた仮想通貨のセキュリティー強化に貢献
  • OECDによると、模倣品や海賊版の被害は、世界総貿易額の約2.5%に相当する5,000億ドル。高級ブランド品から医薬品、電子部品、航空機・自動車部品、農薬、食品にまで。偽造品製作技術の発達に伴い、巧妙化・悪質化
  • 名称は、「Yoctrace(ヨクトレース)」国際単位系で一番小さい単位を示すYoctoと、追跡を意味するTraceを組み合わせた造語
  • 印刷業などにライセンス提供
  • 具体的には、対象製品の物体表面をスマートフォンデジタルカメラで撮影、または、スキャナーで読取り、その画像情報をサーバーに事前登録。照合したい物体の同じ箇所を撮影し、登録した画像と照合。同じ物体か識別
  • 指紋認証のように特徴点を抽出して照合するのではなく、ランダムパターンをもった画像全体を照合。精度が高い照合
  • タグ付けが難しい錠剤のような小さい物体の識別も行える
  • 製造工程の品質管理や物流の効率化のためのIoT技術としての利用検討も進める

 

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ここ20年ほど、中国をはじめとして、模倣品が問題になっており、モグラたたきのような模倣品対策が続けられています。

模倣品対策は、民事・刑事の法的対応や、行政罰がメインになる分野なのですが、もう一つの可能性として、技術でなんとかできないかという話があります。

 

物品の模倣品の保護というと、シリアルコード、ホログラム、ICタグといったものになりますが、シリアルコードやホログラムはそれ自体が真似されたり、ICタグはシステムとして高価であったりして、それぞれ一長一短があり、技術的な模倣品対策として決め手に欠けるように思います。

 

今回の技術は、大量の画像データをサーバーに蓄えておく必要がありますが、一意識別可能というのが、面白いと思いました。また、サーバー利用料も、どんどん安くなっていくと思いますので、実現可能性がある技術のように思います。

 

レジスタのバーコード読み取り機のような端末で、模倣品の真贋判定ができれば最高です。

 

以前の会社で、商標の®部分に、模倣防止の技術を入れる特許出願をした方がいました。

 

また、工場の生産ラインで、チップや基盤などの画像を高速で撮影して、不良品かどうかチェックする工程がありますが、あれを思い出しました。

 

なお、名称が、「良く」「トレース」できるので、「ヨクトレース」という駄洒落なのかと思ったのですが、富士ゼロックスのWebサイトには、次の説明がありました。

  •  Yoctrace (ヨクトレース)は、国際単位系で一番小さい単位10-24 (一秭(じょ)分の一)を示す"Yocto"と追跡を意味する”Trace”を組み合わせた造語で、本技術の一意識別精度が極めて高いことを表しています。

特許庁が旧姓使用を容認

省庁で初

2017年7月28日の日経に、特許庁が、職員に、すべての業務において、結婚前の旧姓の使用を認めるというニュースがありました。

www.nikkei.com

 記事には、次のようにあります。

  • 公的文書への記名なども対象、行政処分などの書類も対象
  • 中央省庁では初
  • 目的は、職員が働きやすい環境をつくるため
  • これまでは、職場での呼称など庁内だけだった
  • 旧姓の使用は法律的な書類の多い省庁では、虚偽の可能性を排除するため認められていないかった
  • 旧姓使用は、6月に最高裁が裁判官や書記官が判決文や令状に旧姓で記名することを認めると発表

経産省のWEBサイトに、この件についてのリリースができいました。

www.meti.go.jp

  • 初の女性長官は、就任以来、長官の旧姓で長官名の文書を出している
  • 今回の対象は、文書
  • 制度のスタートは9月1日から(裁判所のスタートと同じ)
  • 文書作成者の同一性確保が課題であったが、それは、庁内で旧姓使用者を適切に管理することで確保できる
  • 旧姓使用の大半をしめる女性職員の意欲向上につなげる

 

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裁判所が、旧姓使用を認めるぐらいですので、各省庁が旧姓使用を認めるのは、その流れに沿ったものだと思います。

特許庁の審査官や審判官は、名前が出る公的文書が沢山あります。

 

今回、特許庁が、各省庁に先駆けて発表して実施しようとしている点が、ニュースなのですが、新長官がすでにご自身が実施していたようです。意思もあるでしょうが、整合性確保という面がありそうです。なんでも、一番にやることは意味がありますので、旧姓使用の動きは良いと思います。

 

しかし、新長官が、特許や商標についてどのような方針をもっておられるか、何を目指されているのかは、まだ明確に伝わってきていません。

 

大きな目標設定、方向性の転換、斬新な施策、強い指導力の発揮など、可能性は色々あるのですが、同じメンバーでは、違う意見は出てきません。外部から特許庁に、新しい人を入れることはできないものでしょうか。

 

nishiny.hatenablog.com

 

nishiny.hatenablog.com

 

 

 

 

 

国立公園

統一マークの制定

 

http://www.env.go.jp/press/104335/np_rogo.png

2017年7月26日の日経に、国立公園の統一マークが制定されたという記事がありました。

www.nikkei.com

記事の内容は、次のようなものです。

  • 環境省が、34ある国立公園の利用拡大を目指し統一ロゴマーク公表
  • 太陽が地平線から昇る様子や、赤と青の鮮やかなグラデーションでかすみがかった風景を表現
  • ロゴは日本語と英語の2種類
  • 国立公園内の標識、公式ホームページ、インターネットのSNSで活用
  • 政府は、2020年に国立公園を訪れる外国人観光客を現在の2倍以上の1千万人に増やす方針

環境省のウェブサイトには、デザインナーの紹介や、適用事例がPDFで掲載されていました。

www.env.go.jp

 

コメント

やっている内容は非常に良いことだと思います。国立公園毎にパンフレットやウェブサイトのデザインが違うのでは統一感がでず、国立公園のイメージ、ひいては日本のイメージも分散してしまいます。

このように統一マークを作ることで、すくなくとも、国立公園というもののイメージは一つにすることができると思います。

デザイン自体も、日本の国立公園のイメージに合致して、良いように思います。

 

話はズレますが、日本国には統一的なデザインの指標はなく、各省庁や関係団体が比較的自由にマークを作っているようです。そのため、例えば、一例ですが、中央官庁のマークをみてみると、経産省のマークは幾何学的な図形で、法務省のマークはモノグラムで、農林水産省など省庁のマークのない省もあるなど、バラバラです。

 

外国人からみた日本のイメージを統一感をもったものにしようとすると、内閣府などにブランドマネジメントをする人材を配置して、内閣法制局ではないですが、各省庁のマークのチェックをして、OK、NGを出すようにしてはどうかと思います。いわば、内閣法制局のブランドマネジメント版です。

 

当然、そのようにしようとすると、考え方の整理をしておかないといけませんので、あるべき日本の姿や、受け取ってほしいイメージなど、事前に決めておく必要があります。個別企業では、ロゴマークの変更の際などに、やっていると思いますが、この作業を日本で一度やっておくと、しばらくは、日本全体の統一感が保てると思います。

キャンペーン的なものは、一時的なのであまり目くじらを立てる必要はありまんが、永く使くものは、慎重に対応した方が良いと思います。2020年には間に合いませんが、その後のことありますので、考えてはどうかと思います。

 

全くの私見ですし、好き嫌いの世界になってしまいますが、今回の統一マークの英語のフォントについては、国立公園だけなら良いのですが、日本全体の印象との関係ではどうなんだろうという感想を持ちました。

 

場面場面で色んなフォントがあっていいという立場も、もちろんありますが、日本という国を印象づけるなら、ある程度のコントロールが必要になります。

 

また、今回の件とは別に、一般論として、日本人は欧文字フォントについては素人なので、日本人が良いと思ったフォントでも、欧文字の母国の外国人にとっては、奇妙な印象をもたれるフォントであることがあります。このチェックだけは、この道の専門家に入ってもらうのがベストです。