企業法務の弁護士を調査
2018年2月19日の日経の法務面に、企業法務を手掛ける弁護士への調査結果の一つに、リーガルテックの導入に前向きという話がありました。
- リーガルテックは、ITを活用して法律関連サービスを提供するもの
- 企業法務をてがける法律事務所にも広まりつつある
- 調査では企業法務を手掛ける弁護士の7割弱がリーガルテックの利用に前向き
- 顧客にも弁護士費用の低減などの利点
- 既に取り組んでいると回答したのは24%、これから取り組む予定は42%、7割弱が前向き
- eディスカバリーの導入(51%)
- 電子契約のフォーマットの提供(10%)
- ネットで顧客を募る無料のマッチングサイトに登録(3%)など
- 欧米では、顧客からの簡単な問い合わせにチャットなどで自動的に回答するシステムの提供。人工知能(AI)を活用して弁護士業務を効率化
- その他には、「裁判例や学説の単純な調査へのAIの導入」
- 「買収先企業の資産査定でのAIによる資料検索の導入」など
- 多くの弁護士を投入していた業務を効率化する手段として、リーガルテックの活用への期待
とありました。
コメント
法律事務所の業務の効率化についての話です。
リーガルテックで一番よく聞くのは、ディスカバリー関係ですが、日本にはアメリカのような徹底的なディスカバリーがないので、あまり実感のわかない話です。弁護士では取組み数が多いようですが、渉外案件なのでしょうか?
また、その他のところにありますが、M&Aのときのデューデリジェンスも、大変な業務のようですので、リーガルテックが使われるようです。
ディスカバリーやデューデリジェンス以外で、リーガルテックが活用できそうな分野はどんなものかと思いました。一般には、判例検索や、契約書の作成や調印、保管について、テクノロジーが使えそうです。
下記のサイトでは、次の事例を挙げていました。
(前略)
リーガルテックのサービスを提供するのは主に専門のベンチャー企業で、またその先進国は米国です。
<リーガルテックのサービス例>
・士業への無料相談サービスやマッチングサービスのサイト
・中小企業などに対して、海外への特許出願を仲介するサイト
・企業間の契約をクラウドで認証するサービス
・企業内の社内データを精査し、裁判に向けた証拠を作成するサービス(eディスカバリー)
・不祥事や訴訟を抱える企業などに対して、情報機器から消去されたデータを復旧するサービス
・取引先や事務所員などと安全にチャットできるアプリ
・サービス残業に苦しむ従業員向けのアプリ(残業証拠レコーダー)
・郵便物(文書)スキャンシステム 他
渉外事件や刑事事件でのテクノロジーの活用が始まっているようです。
タイムスタンプも聞きます。工業所有権情報・研修館(INPIT)が開始したようです。www.inpit.go.jp
色んな種類のテクノロジーがあります。リーガルテックとは、結局、弁護士の業務全体に、もっとテクノロジーを使いましょうということなのだと理解しました。
個人的には、契約書の雛形を豊富に提供したり、契約書作成を支援するようなサイトや、わたしの作った英訳を意味が正確に通じるかチェックしてくれるサイトなどがあれば、活用したいと思います。
特許の世界では、WIPOや各国特許庁が、情報提供に積極的ですので、検索はだいぶ楽になっています。
また、昔のように、書誌的情報を完全に記録する必要性が低下しています。公開情報の活用で、事務管理の流れを良くするのは課題だと思います。