Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

氏名のローマ字表記

公文書などで「姓・名」に

2019年9月7日の日経によると、日本人の氏名のローマ字表記について、政府の方針が決まったようです。

ローマ字表記「姓→名」順に 日本人名、政府文書で :日本経済新聞

  • 9月6日に柴山文部科学大臣が、政府が作る公文書などでは原則としては、姓・名の順での表記を要請
  • 他の閣僚から異議がなく、今後、内閣官房を中心に具体的な取扱いを定める
  • グローバル社会が進むにつれて、言語の多様性を意識することが重要になっている。伝統に即した表記にするのがいい
  • 2000年の国語審議会が答申。学校の英語の教科書は「姓・名」の順
  • 企業などのへの周知は、並行して検討されていく
  • 官房長官も、文科相の方針に沿った方向と発言

コメント

この問題は、5月の末に一度議論になっていたものです。3ヶ月ほど経って、まったをかけていた菅官房長官も、問題ないと判断したのでしょうか、今回は反対をしていません。 

nishiny.hatenablog.com

 

数か月もすると、内閣官房を中心に公文書についての基準が出てきて、1年もすると公文書は、姓・名の順序になるんだろうと思います。

 

政府の公文書が変わると、自治体の文書も変わるでしょうし、徐々に、企業もそれになびくように思います。数年で、皆さん、姓・名の順序に変わってしまうのではないかと思いました。

 

中国、韓国は、以前から、習近平(シー・ジンピン、Xí Jìnpíng)、金大中(キム・デジュン、Kim Dae-jung)という順番を良く見ます。

 

ちょっと脱線しますが、姓・名の問題に関連して、最近読んだ本に次の話が載っています。筆者は外資系企業の秘書などを経て、英語の先生をしているICU出身の方のようです。 

ネイティブにほめられる英語

ネイティブにほめられる英語

 

手紙等の冒頭に、Dear...でフルネームを続ける場合にはMr.やMs.などの敬称はつけない。すなわち、「よくある間違いは、Dear Mr. John SmithのようにフルネームにMr.などを敬称をつけてしまうこと」とあります。

Dearに続ける場合は、Mr.やMs.などの敬称は、ラストネーム(苗字)にしかつけることができないとあります。

これは、日本語で考えると、

がおかしいのと同様であるとあります。

 

Dear Ms. Hanakoがおかしくて、Dear Hanakoは良いというのは、理解していたのですが、フルネームは問題ないのかと思っていました。 

 

手元のTOEICの問題集(これは英語のプロの文章ですので)のレターでチェックしてみたのですが、20個ほどみて、19個は、Mr.やMs.のあとは、姓、氏、苗字、ラストネームだけです。

一つだけ、例外的に、Mr.やMs.のあとにフルネームのものがありました。

 

 

しかし、海外からのレターを見ていると、確かに、欧米からのレターはこの筆者のいうようになっていますが、中国からのレターは、Dearの後に、フルネームです。

(宛先を示す、attention:の箇所には、Dearがないので、Mr.のあとは、フルネームで、Attention: Mr. John Smithです。)

 

この問題、考えてみたのですが、中国や韓国では、姓名のフルネームを書かないと、区別ができないという問題があるのではないでしょうか?

Leeさん、Kimさん、Suzukiさんが沢山いるので、東アジアでは、姓だけでは、個人の特定がしづらいという問題です。

もしそうなら、少し先になるかもしれませんが、東アジアの英語では、Mr. Suzuki Ichiroと記載するのが、通常になっているかもしれないなと思いました。

 

ただし、当面は、Mr. Smith、Mr. Suzukiとしようと思いますが。