歩かないでキャンペーン
2017年7月21日の日経に、8月31日まで、全国の鉄道事業者・商業施設運営会社が、エスカレーターを歩かないでというキャンペーンをしているという記事がありました。www.nikkei.com
- エスカレーター利用時の事故を無くすことが目的
- 歩かずに手すりにつかまるよう呼び掛けるキャンペーン
- 8月31日まで
- 他人との衝突、転倒の危険性
日本エレベーター協会のWebサイトには、歩かないよう注意喚起があります。
- エレベーターの安全基準はステップ上に立ち止まって使用することを前提にしている
- すり抜けは危険
- 事故などで、片方の手すりにしかつかまれない人がいる
◆2016年7月20日の朝日新聞の「あのとき それから」1989年(平成元年)「エスカレーターの片方空け出現」というものがあります。簡単に紹介すると、
- 東京は右を空け、大阪は左を空ける
- 海外のロンドンの地下鉄では、第二次大戦後、左空けに
- 1980年代朝日新聞がこの習慣のすばらしさを絶賛
- 急ぐ人のために、かたわらを空けるのが英国のマナー
- 80年代の日本では片方空けは一般的ではなかったが、67年の大阪梅田の3階までの長いエスカレーターで阪急電鉄が指導(→阪急梅田駅には当時珍しかった「動く歩道」があり、こちらはスピード重視で、歩くことが前提となっています。動く歩道を前提に考えると、エスカレーターも歩くべきものになります。)
- 阪急は、身体の不自由な人のために、98年にこの指導はとりやめ
- 東京では、事前発生的。89年の新御茶ノ水駅から。41メールで1分30秒。階段もなかった。
- スピード優先のバブルの影響
- 現在は、安全対策として、歩かないよう呼び掛けることに変化
- 韓国も現在は両方立ちを推奨
また、2016年9月10日の日経にも関連記事があり、海外の例が紹介されており、右立ちは大阪、英国、フランス、米国、中国で、一方の左立ちは東京、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドとあります。
コメント
この問題は、社会的には歩行禁止という方向性は決まっているのに、慣性の法則が働いており、なかなか止まらないものの代表ですね。商標やブランドとはあまり関係ないのですが、社会の慣性の法則が良くわかります。
機械からすると、重さが片方にかかりすぎるのは、良くないので、バランスよく左右に載ってほしいところだと思います。
また、2020年のオリンピックで東京の人が増えるので、効率的に多くの運ぶには両方立ちとなります。
身体障害者や高齢者にやさしいのも、歩かないということでしょう。
本気で政策としてやるなら、歩行禁止として、危険回避時以外の歩行は罰金刑をとるかですが、今までマナーだと思ってやってきたことですから、急にそこまではできませんね。
バブル以前は、大阪のターミナル駅の長いエスカレーターで指導があった程度で、大阪でも百貨店のエレベーターは、片方空けせず、適当に乗っていました。
駅のエスカレーターは、影響が大きいので、鉄道事業者がどう判断し、指導するかは重要だと思います。
朝、横須賀線に乗って新橋駅で降りることがあるのですが、地下3階ぐらいから上がるのですが、エスカレーターに乗れない人で、エスカレーターの乗り換えのとき、人であふれて危険なのに、それでも、皆さん丁寧に左を空けて順番待ちしており、ここだけでも、どうにかならないかと思います。
ちなみに、このエスカレーターは、普通のエレベーターより、スピードを上げていますので、降りるときに気を付ける必要があります。
このエレベーターだけは、安全のため、早期に歩行禁止にした方が良さそうです。