黎明期のようです
2020年6月29日の日経に、法律書や行政文書・判例などのリーガルリサーチのプラットフォームが出来ているという紹介がありました。
新型コロナ:法律書もサブスク 新型コロナで需要拡大 :日本経済新聞
コロナで大型書店や図書館が閉じている。専門書が品切れというときに有用
紹介されていたのは、
●法律書のサブスク
- リーガルテクノロジーのリーガルライブラリー:弁護士が起業。2019年末からサブスク開始。会員数2000名
- (弁護士ドットコムの)ビジネスロイヤーズライブラリー:企業向け(6300円)
- 弁護士ドッコムライブラリー:弁護士向け(9000円)
●行政文書や裁判例の調査
- リーガルスケープ:東大発のスタートアップ。森・浜田法律事務所と提携。位置的な検索・閲覧システムを開発中
- サピエンス ライオンボルト:長嶋・大野・常松法律事務所が導入。今後は企業向けにも
こうしたサービスは、リーガルテックの中でも、黎明期で、サービス自体に改善の余地が大きい。というような内容です。
コメント
法律書のサブスクについては、リーガルテクノロジーも、弁護士ドットコムのサービスも、まだ数百冊ということです。弁護士ドットコムに一覧表があったので、見てみましたが、今のところ、見たい本は特にないという感じでした。
まだ、図書館の方が多い感じです。
最近調べものをするときは、まずはネットで関連テーマをキーワード検索します。複数のキーワードで、何となく近いものがあれば、それを読みます。
そのとき、何回も引用されているような本や、ぴったりのテーマの論文があると、それを見ます。
本が特定されたら、ネットで図書館に申し込んで自宅近くの図書館で受け取ります。法律書は図書館が持っていれば、他の人に借りられていることは少ないので、数日で自宅近くの図書館に配送されてきます。
また、パテントの記事はネットで簡単にとれるので、どうしても他のものよりも見ることが増えます。
ネットで本が見れるなら、わざわざ借りに行く手間は省けますので、サブスクのサービスは可能性があるように思いますが、もっと対象となる本が増えると、便利なんだろうなと思います。今後に期待しています。
一つ、同じ弁護士ドットコム系のサービスなのに、値段が違うのは、どうしてなのだろうかなと、ふと疑問に思いました。
一方、行政文書は、Webサイトに各行政が資料を五月雨式に出しているので、ネットで資料がとれないということはないのですが、その資料が最新版か、過去のものか、どのようなコンテクストで出てきたものか、いまいち分からないものが多いように思います。そのあたりまで、体系的に表示されていると良いなと思いました。
判例ですが、有用なものは、最高裁のページや知財高裁のページで、閲覧可能です。しかし、弁理士としての今の業務では、それほど日常的に確認しなければいけないというものではありません。
また、そもそも公開されている判例が少ないという記事がありました。
大手法律事務所でやっているサービスが一般に公開されると、良いんだろうなという気はします。こちらも待つしかないようです。