2.2兆円で買収
2020年8月3日の日経に、セブン&アイ・ホールディングが、米石油精製会社からコンビニ併設型ガソリンスタンド部門「スピードウェイ」を、210億ドル(約2兆2000億円)で買収するという記事がありました。
- 今春の独占交渉は価格が折り合わず断念
- 石油精製会社が、原油安や新型コロナウイルス感染拡大で業績不振に
- 同社が改めて入札を実施
- 以前の提示額が220億ドル(当時約2兆4500億円)
- 顧客基盤の共有や仕入れの共通化で、4億7500万~5億7500万ドルの統合効果
- 世界的にガソリンから電気自動車にシフトが進み、EV向け給電設備への投資も必要
- 3日の株式市場は、巨額買収額を嫌気し、セブン&アイ株は8%安に
翌、4日の日経の社説にも、この内容が出ています。
[社説]セブン&アイ巨額買収に見る流通の未来 :日本経済新聞
- 日本流通のM&Aとしては過去最大
- 業界が新たな段階に
- 海外、デジタルを駆使したデリバリーやテークアウトが流通産業の将来を左右
- 今回の巨額買収は条件にかなっている
- 現地はネットとデリバリーを融合した事業を推進
4日の日経には、別の記事(社長インタビュー)もあります。
セブン&アイ、食のコンビニに米で挑む 社長「店の価値変える」 :日本経済新聞
- 海外に成長の種をまく
- 食で選ばれる店を目指す
- ガソリンを入れることが主目的の米国のコンビニの価値を変える
- 人口密集50地域のうち、47地域で影響力
- 米セブンが一部店舗で展開している宅配事業をすべての店で展開可能に
コメント
原油安とコロナの影響で、10億ドル安く買えたようです。この間、為替も少し円高になっているので、日本円では2500億円ほど安く買えています。
一割程度、取り戻したということであり、セブン&アイは上手いことをやったなと思いました。
日本のコンビニだけでは限界があり海外にという流れがあり、また、ネットや宅配というものを展開している米国でスケールメリットが出て、ネットや宅配がリアルな店舗を補うことができるのだとすると、非常に良い買収ではないかと思いました。
ただ、2兆2000億円も借り入れで調達するとなると、いくら低利の時代とはいえ、返済するのは大変そうです。
イオンなどは、AMAZON GOタイプのことを実験していますが、セブンイレブンはあまり聞きません。
AMAZON GOは、人件費の削減や24時間営業などには向いていますが、ウィズコロナの時代は、24時間営業は必要ないとすると、ネットと宅配が主流になりそうですので、こちらの方が将来性があるのかもしれません。
スピードウェイは、ガソリンスタンド併設型のコンビニのようですので、交通の便の良い所にあるのは間違いありません。
以前からネットと運送はセットだとは思っていましたが、コンビニを拠点に小回りの利く宅配をしていくとなると、運送業者に近いのでしょうか?
Google Playで、「7 now」というアプリがダウンロードできるようです。地域限定があるのでしょうが、30分で配達されるとあります。
7NOW: Food & Alcohol Delivery - Apps on Google Play
ピザの宅配に近い感じですね。便利は便利です。