ウイグル問題で税関が
2021年5月20日の日経に、米国のユニクロの税関当局(米税関・国境取締局、CBP)が、ユニクロの男性用シャツの輸入を差し止めていたという記事がありました。
米、ユニクロ衣料輸入停止: 日本経済新聞 (nikkei.com)
- 中国・新疆ウイグル自治区の団体が関わった衣料品などの輸入を禁止する措置違反として、男性用シャツを1月に押収
- ウイグル問題は日本企業にもリスク
- ユニクロは、製品に使った綿は中国産ではないと反論する文書を提出
- 禁止措置の解除をもとめた
- CBPは、ユニクロの主張には証拠がないとしてふ拒否
- ファーストリテイリングは、非常に遺憾とコメントを発信
- 北米の売り上げは少なく、事業への影響は軽微
とあります。
コメント
ファーストリティリングのWebサイトを見ると、5月25日に説明文が出ています。
米国における製品輸入差し止めに関する報道について | FAST RETAILING CO., LTD.
この中で、輸入差し止めであり押収ではないことと(よく似たものではありますが)、同じ生産工程で製造したものが輸入を認めらているが、今回は同社の説明が認められなかったとあります。
日経の別の記事には、CBPは「生産工程と生産記録のリストに不備がある」などと指摘しているとあります。
米税関、ユニクロシャツの輸入差し止め ウイグル問題で: 日本経済新聞 (nikkei.com)
結局、生産履歴管理が重要なようです。生産履歴管理については、次の記事が参考になります。
アパレル、「ウイグル」が迫る生産履歴確認の厳格化: 日本経済新聞 (nikkei.com)
今回はウイグルの人権問題ですが、児童労働、労働環境などの問題を、生産履歴管理で証明しないといけない状態になっているようです。
児童労働は、ナイキなどで不買運動などの大きな事件になり、ブランドを毀損する問題となりました。
米ナイキが苦難の末に学んだ、CSRとは? | ここが変だよ!日本のCSR | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 (toyokeizai.net)
ブランドリスクマネジメントの観点では、生産履歴管理は避けて通れないようであり、安くて品質がよければそれで良いというグローバリゼーションとは違ってきています。コストをかけてでも人権に配慮したアプローチが必要なようです。
伊藤忠総研の深尾三四郎さんは、次のようにコメントされています。
アディダスやアシックスでは、ナイキ問題から対策を打っているとあります。
アディダスが実施!ナイキの「搾取工場 (sweatshop)」問題に学ぶサプライチェーン管理の重要性 | Kanekyo Online
ナイキ・アシックスの事例から学ぶ、ビジネスに付帯する人権リスクについて。 | Books&Apps (tinect.jp)
主に、CSRやESGから捉えることが多いようですが、ナイキまで問題が広がるとブランド毀損になりますので、ブランドからも関与が可能です。