マツモトキヨシの商品に酷似
2021年6月16日の朝日新聞(夕刊)で、マツモトキヨシのマスクに酷似したパッケージでマスクを販売したとして、千葉県警が男2人を、商標法違反の疑いで逮捕したという記事がありました。
- マスクは、ネットや店頭に出回っていた
- 非正規品には「マツモトキヨシホールディングスのオリジナル商品」との記載
- 正規品と同じ「耳が痛くなりにくいマスク」の記載
- しかし、正式なロゴマークがなく、正規品のマスク中央部に付いているワイヤがない
2021年6月17日の読売新聞にも、記事があります。
「耳が痛くなりにくい」偽マスク、マツキヨ商品に酷似…正規品と品質異なる | ヨミドクター(読売新聞) (yomiuri.co.jp)
- 品質や作りは正規品と異なる
- 昨年3月〜7月に、模倣品を含め、約5万3000箱のマスクを販売。価格は1000~2000円。9000万円以上の売り上げ
- マツモトキヨシが、被害を千葉県警に相談。昨年5月には、ホームページに正規品と模倣品のパッケージを載せ、消費者に注意喚起
2021年6月16日のTBSニュースが、正規品と模倣品の特長がよく分ります。
コメント
昨年のマスクがなかったときに、マスクを販売していたようです。その時の価格としては、良心的です。
パッケージは酷似していますので、不正競争防止法違反というのは間違いなさそうです。
商標としては、正規品には、左上の黒色の略四角形の中に「matsukiyo」の文字があるのですが、模倣品には、このロゴがありません。
また、模倣品には、「(株)マツモトキヨシホールディングスのオリジナル商品です。」という記載があります。
「matuskiyo」ロゴの削除が商標権侵害かというと、通常は難しいと思います。真正品のマスクのパッケージから、ロゴを削除する行為は商標権侵害になるというのは聞きますが、模倣品のマスクのパッケージに、ロゴを入れないことが商標権侵害とは言えないと思います。
(この点で、商標権侵害にするには、特殊な論理展開が必要と思います)
もう一つの、「(株)マツモトキヨシホールディングスのオリジナル商品です。」は、虚偽であることは確かで、不正競争行為にはなりますが、「(株)マツモトキヨシホールディングス」の部分(商号です)を捉えて、商標権侵害といえるのかどうか不明確です。
「マツモトキヨシ」という商標の類似範囲として、商標権侵害ということは可能かもしれませんが、文章になっているので、商標的な使用ではないという反論は可能です。
まあ、これは商標権侵害と不正競争防止法違反のセットの事案だろうなと思いました。
折角、皆が困っているときに、良心的な価格で販売するなら、下手なパッケージ模倣をしなければよかったのにと思いました。
ちなみに、千葉県は、マツモトキヨシの本社があるようです。