ロートが買収
2021年6月9日の日経に、一般用目薬の国内最大手のロート製薬が、痔治療薬の「ボラギノール」の天藤製薬を買収するという記事がありました。
ロート製薬、「ボラギノール」の天藤製薬を買収 90億円: 日本経済新聞 (nikkei.com)
- 創業家から67%の株式を取得
- 買収金額は、90億円
- 天藤製薬は江戸時代に創業
- ボラギノールは、100年間続く商品
- 武田薬品工業が、天藤製薬の3割の株式保有し、今後も保有する
- ボラギノールは国内販売中心
- 今後、海外での販売で売上増
とあります。
コメント
ロート製薬は、胃薬(パンシロン)と目薬(Vロート)の会社と思っていたら、メンソレータムの買収で、現在はスキンケアの会社でもあるようです。
ヘルス&ビューティー事業 | ロート製薬株式会社 (rohto.co.jp)
痔のクスリはスキンケアの延長線にはあるので、商品戦略としては理にかなったM&Aのようです。
天藤製薬の2021年3月期の売上は58億円とありますので、90億円の買収金額は、少しプレミアムがついているなと思いました(この点、薬は利益率が高いので、適正なのかもしれませんが)。
少しに気なったは、武田薬品が30%の株式を持っているという点です。
確か、ボラギノールは、元武田コンシューマヘルスケアのアリナミン製薬が販売していたと思います。
アリナミン製薬株式会社(旧社名 武田コンシューマーヘルスケア株式会社) (alinamin-pharma.co.jp)
また、今回の買収の立役者のロート製薬の杉本社長は、武田の出身のようです。天藤製薬のことも良く知っていたんだろうなと思いました。
アリナミン製薬は今後もボラギノールの販売を継続するようですが、これは日本での話であり、海外ではあまり販売していないようです。
一方、ロートはメンソレータムがあるためでしょうか、海外販売網があり、ロートの海外販売網にボラギノールを載せることができるそうです。
国内販売にも影響を与えず、海外を攻めることができるということで、上手く整理されているM&Aだと思いました。
大衆薬は、多くの儲けにはならなくても、着実に儲けができるので、ボラギノールなどでしっかりと稼いで、その資金を再生医療に投入するということです。再生医療の知識がないので、どれほど重要なことかわかりませんが、夢がありそうです。
武田薬品は、一般大衆薬の武田コンシューマーヘルスケアを切り出しましたが、大衆薬で儲けるというビジネスモデルもまだ健在なんだなと思いました。
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