知財管理に出ていた論説
1年ぶりのブログです。毎日書くのは大変ですが、気が向いたときなどに、書いてみようと思います。
さて、昨日、知財管理誌の2022年6月号に出ていた、「BtoB企業におけるブランディングの実践論」という、博報堂コンサルティングの森門教尊さんの論説を読みました。
知財担当やその中の商標担当は、BtoB企業ではブランディングの主役になることが多く、その方々にブランディングの実践方法を解説しているものです。
確かに、技術に特徴のあるBtoB企業では、広告宣伝や広報もそれほど人がいるわけではない反面、知財担当者は充実していることもありえますので、知財担当がブランド戦略の推進役になることもあるのだろうと思います。
そのほか、論説の内容としては、BtoB企業とBtoC企業の違いの説明や、ブランドのプロジェクトの進め方、特に既存の社内の会議体の活用などに言及しているところがポイントでしょうか。
知財担当が、BtoB企業においては、重要なブランディングの推進役であるという指摘が、この論説のメインの主張と思いました。詳細は、知財管理誌をご確認ください。
<敷衍して>
最近、弁理士会の関係で、コーポレート・ガバナンス・コード(CGC)について、教えてもらったり検討することが多かったのですが、CGCにおいては、「知財財産」ではなく、「知財・無形資産」と広がりをもって捉えられています。
「知財・無形資産」は、「技術、ブランド、デザイン、コンテンツ、データ、ノウハウ、顧客ネットワーク、信頼・レピュテーション、バリューチェーン、サプライチェーン、これらを生み出す組織能力・プロセスなど」を指すようです。
また、サービス業で、従来、技術や特許にあまり関係のなかった企業でも、十分に「知財・無形資産」があります。
上場企業には、サービス業も沢山ありますので、それらの知財担当者がいない会社にも、当然に、「知財・無形資産」はあります。そして、従来型の技術・特許では収まりきらないところまで、CGCは知財開示や取締役会などでの監督を求めています。
冒頭の論説にもどりますが、この論説がターゲットにしているのは、部品・部材などを作っている技術の会社なんだろうと思いますが、世間には、技術や特許に関係ないBtoBの会社というものも、相当にあると思われます。
そして、技術や特許に関係ないと、特許担当という意味での知財担当者はいません。
そのタイプの会社でも、商標はあることが多いですので、法務や総務の担当者が、商標担当者になっているのだろうと思います。
まだまだ、知財=特許=技術、という感じで捉えてしまいますが、上記の「知財・無形資産」の定義は、「技術、ブランド、デザイン、コンテンツ、データ、ノウハウ、顧客ネットワーク、信頼・レピュテーション、バリューチェーン、サプライチェーン、これらを生み出す組織能力・プロセスなど」ですから、技術やノウハウ以外の方が種類は多いように思います。
CGCは、知的財産の概念も変えていくものになるかもしれません。
知財管理誌は、知財担当者が読む雑誌ですので、冒頭の論説の知財担当者あてで良いのですが、本当は、それ以外の方で、上記の「知財・無形資産」を扱っている方にも、ブランディングの裾野を広げる必要があるのかもしれないと思いました。