Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

東京都で時間差通勤

東京都と企業が連携して7月に実施

2017年4月22日(土)の日経の記事からです。首都圏の通勤ラッシュ緩和を目指し、7月に東京都で、企業を巻き込んだ時差通勤の試みがあります。夏休み前の2週間、大手企業と官庁などが時差通勤を実施します。

朝の混雑が7時~8時にあり、その時間を1時間~3時間ずらすということでした。参加企業は、東京都の他、全日空サントリーパナソニック三菱地所など数百団体という規模です。

 

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3月から虎ノ門勤務で、新橋から虎ノ門までの銀座線の混雑に驚きました。汐留勤務が5年ほどあったので、新橋駅は使っていたのですが、銀座線に状況は知りませんでした。8時過ぎに銀座線の新橋駅に行くと、地震の改札規制の時のように階段上まで人であふれており、改札内に入れないのではという状態です。

虎ノ門ヒルズができてから人が増えたとか聞きました。虎ノ門地区はビルの開発ラッシュですので、今後ますます増えそうです。

10分~20分、少しずらすだけで、だいぶ混雑は緩和しますが、どの時間帯も、混雑はしています。花粉の季節が終われば、一駅ですので、できるだけ歩こうと思っています。

 

オリンピック・パラリンピックを乗り切るために、在宅勤務の活用が言われていますが、この時間差通勤もその一環になると思います。

 

1月に大阪にいたときに、京阪電車に乗っていた感想ですが、朝でも電車は混んでおらず、ゆったりとしていました。関西や中部地方の方が、通勤はだいぶ楽だと思います。

中央省庁の地方移転が、東京の通勤問題(東京の一極集中問題)を解決する一番良い方法ですが、中央省庁の方は、この話題は嫌いです。

ちなみに、韓国の特許庁は、ソウルからだいぶ離れた大田市というところにあります。アメリカの特許庁バージニア州アレクサンドリアにあるようです。

 

nishiny.hatenablog.com

 

新しい裁定制度(ADR)

知財法制の一括見直し

2017年4月20日(木)の日経にで、知財法制の一括見直しの記事がありました。基本的には、IOTやビックデータの時代に「データ」を知財としてどう扱うかの話です。

www.nikkei.com

その中で、パテントトロール対策で、トロールに訴えられた企業が駆け込むことができる裁定制度を新設するという記載がありました。専門家が間に入ることで、乱訴を防ぐとあります。

下記の経産省の報告書が元ネタのようです。

www.meti.go.jp

標準必須特許をめぐる紛争を対象とし、特許法の改正も視野に入れ、行政が適正なライセンス料を決定するADR制度(標準必須特許裁定)の導入を検討すること

  • ライセンス契約や特許権侵害紛争を対象とし、中小企業等が使いやすいADR制度(あっせん)について検討すること

日経電子版に関連記事がありました。

www.nikkei.com

トロール対策だけではなく、中小企業が大企業を訴えたいときにも、この新裁定制度は有効ということでした。ADRの利用促進策でしょうか。

 

先日、弁理士会のADRの研修会に参加しました。専門家の弁護士・弁理士などが、間に入って、主としてビジネスとしての見地から解決策の提案をして、Win-WInの関係を作るのがADRという説明でした。しかし、ドメインネーム紛争を除き、ほとんど活用されていないことを知りました。また、Win-WInを実現するのは、説得が大変で、大変苦労するという話でした。間に入る専門家の努力や能力が必要なのが現状と思います。

 

一方、裁判は、民事訴訟の原則に則って主張のあった点を中心にすすめられますので、Win-Winを構築するのとはだいぶ違います。知財には法解釈論以外の部分が非常に多くあり、そのあたり非常に泥臭いビジネスです。日本では、企業の知財部がやっている交渉事の数は、実際に裁判になる件数の100倍以上?の件数があると思いますので、うまい制度を設計すれば非常に良いと思いますが、前述の実際のADRの少なさや、苦労を聞くと、どうするのかなと思っています。

 

通常、ADRは仲裁・調停で、特許庁は出てきません。必須特許を念頭にしているようですが、裁定というぐらいなので特許庁が絡むと思います。どんな制度設計か関心をもって見ていこうと思います。

パナソニックの外部人材登用

樋口泰行氏が社内カンパニーの社長に

2017年4月21日(金)の日経に、松下電器を飛び出し、アップル、ダイエー社長、日本マイクロソフト社長を務めた樋口さんが、パナソニックの社内カンパニーのコネクティッドソリューションズ社の社長(会社としては専務役員)になったことなどについての特集記事がありました。

www.nikkei.com

6月からは、4人しかいない代表取締役になるようです。「若気のいたり」で飛び出したが、「恩返ししたかった」という言葉が載っていました。

その他、パナソニックは、外部人材を多数登用しているようです。

記事には紹介されていませんが、社外取締役に冨山和彦さんがおられます。

 

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樋口さんは、元松下産業機器㈱の技術者で、パナソニックOBでは一番の有名人でしたので、パナソニックにいたときに、話題にのぼることがあった人です。

  • 会社派遣でMBAを取られ、社外に転職した人ということ
  • ダイエー社長のときは苦労されていたこと
  • マイクロソフトでは、社名に「日本」をつけるということをしたこと

以上が、私の知っているすべてですが、是非、パナソニックの停滞状況を打破してもらいたいと思います。

樋口さんのいいところは、パナソニック経験があるという点と思います。パナソニックは、歴史のある会社ですし、創業者の経営理念が重要な会社ですので、そのあたりと欧米流の経営戦略やビジネス感覚のようなものをうまくミックスさせる必要があるような気がします。

なお、マイクロソフトの日本法人の社名に「日本」をつけたのは、グルーバル企業としては、珍しい解決策であり、それを樋口さんが米国本社に掛け合って認めさせたと記憶しています。日本のインナー企業になるという趣旨です。特に、ジャパンではなく、「日本」という選択肢は、非常にしっかりした会社という印象を与えます。「マイクロソフト」という会社は、なんとなくですが、業務運営が翻訳調で、バタ臭い会社でしたので、理解はできます。

ただし、通常、グローバル企業の現地法人は、「ABCジャパン㈱」や「日本ABC㈱」という方法を避け、単に「ABC㈱」と名乗る方向性です。これは、法人格こそ日本法人であっても、ABCの日本法人は、グローバルABC社の日本での総責任窓口ですということを鮮明にする趣旨であり、ジャパンや日本を抜くのが良いのではないかと思います。樋口さんは、この方向とは全く逆の選択をさせたのは印象的でした。

司法修習生に支給

月13万5000円を支給

2017年4月19日(水)の日経(夕)に、司法修習生に月額13万5000円を支給した法改正案が成立したという記事がありました。

毎月13万5000円の支援金が支給されるようです。

以前は、月20万円が支給されていたようですが、2011年に廃止され、返済が必要な貸与制(月18万円~28万円)になっていたものを、金額は低くなりましたが、復活したのです。

貸与制も金額を見直して継続するとのことです。

 

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法曹志願者の減少に歯止めをかけるのが狙いと説明されています。

 

しかし、給付制の復活はいかがなものでしょうか。新聞には国の財政負担になり、国が司法試験合格者を抑える方向性になる可能性があるという反対意見が紹介されていました。

法曹志願者の減少は、弁護士の仕事に魅力がないからです。弁護士になっても仕事がないなら、結局、法曹志願者の減少はさけられません。

企業の法務部員が全員弁護士というアメリカのようにするしかないのではないでしょうか。そのための環境整備が一番筋が良いのではないでしょうか。

 

nishiny.hatenablog.com

ちなみに、弁理士は修習期間はないので、給付金もありません。

裁判官、検察官になった人で、「一定間勤務したら返済不要の貸与制」が良いところではないでしょうか。今の貸与制でも無利子のようですので、十分良い条件だと思います。

 

 

 

 

スマホ広告の拡大

昨年は6400億円で(4年で8倍に)

2017年4月17日(月)の日経に、2016年の日本のスマホ広告の市場規模の記事がありました。サイバー・コミュニケーションズとD2Cの調査で、スマホ向けが6476億円で前年比30%の伸びで、2012年からの4年で8倍に伸びています。

一方、パソコン向けは3902億円で7%減です。2015年にパソコンはスマホに抜かれました。

2017年は、さらにスマホ向けが拡大し8010億円となり、パソコン向けは3579億円と8%低下する予測です。www.nikkei.com

 

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日本の広告費は、電通のホームページによると、2016年で6兆2880億円ということですので、約6分の1がネット系で、スマホで約10分の1ですね。

www.dentsu.co.jp

 

日本では、まだTVが多いようですが、そのうちに海外のようにネット系に抜かれるのだと思います。 

nishiny.hatenablog.com

 

ネットの広告は、TVや新聞の広告に比べて、新聞社やテレビ局のチェックもなく、また、多く購読者や視聴者が監視しているものではないので、どうしても言い過ぎも出てきます。広告作成者も、Webデザイナー等になりますので、知識の面で昔の広告パーソン程の経験がない可能性があります。

最近、消費者庁景品表示法違反の措置命令を沢山出していますが、ネット広告の隆盛と関係があるのような気がします。

広告審査は、下手をすると表現の自由との関係が生じますので、自主審査や事後審査が望ましいのだと思います。Web広告主のコンプライアンスのレベルを上げ、Webデザイナーに高い職業意識をもってもらうようにすることが必要だと思います。

一般向け情報/JAROの仕事は?|JARO 日本広告審査機構

AIで同時通訳

オリンピック・パラリンピックまでに実用化

2017年4月17日(月)の日経夕刊に、政府が人口知能(AI)を使った同時通訳システムを2020年の五輪・パラリンピックまでに実用化する計画であるという記事がありました。

www.nikkei.com

ディープラーニング(深層学習)という最新の技術を使い、スマホで通訳ができるようにして、ビジネスや観光や医療の言葉の壁をなくすという夢のような話です。

総務省傘下の情報通信研究機構が、パナソニックベンチャーと連携して、システムを開発し、2015年度からの5年間で、100億円程度を投じる計画ということです。

 

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自動翻訳は、夢の技術の一つですので、これが達成できれば、言葉の壁だけで見れば、日本人がより世界で活躍できるはずです。あとは、日本人が海外の人と話をするときの話の内容(コンテンツ)次第となりますので、言語のレベル以上の、次のレベルに進まないといけないと思います。

  • <自動翻訳の技術について>

太陽電池も経済合理性の見地から見るとなかなか実用化レベルにならない技術ですが、自動翻訳もこれもまだまだ実用化レベルではない思っていました。

しかし、昨年11月からGoogle翻訳の精度が向上は、驚くべきレベルです。実際にGoogle翻訳を使ってみて、以前に比べて、だいぶ良くなったと思います。

(自動翻訳の精度向上の方法自体は、いろいろな方法があるのだと思いますが。)

  • <特許業界への影響>

特許業界でも、Google翻訳の話は良く聞きます。言われているのは、特許業界は、特許明細書の翻訳で儲けていた面があり、今後、荒い翻訳は無料になりますので、翻訳の価格が安くなり、翻訳では儲からなくなるという話です。まあ、そういう面は出てくると思います。

  • <今後、何を伸ばすか>

次は、その変化を受けて、どのように動くかです。翻訳、言葉の壁が低くなるのですから、従来、アメリカ企業、英語母国語の企業が受けていた、世界共通言語を使っているという優位性が、日本企業にも与えられると考えることができます。考え方を変えれば、日本企業とって有利な状況が生まれつつあるのではないでしょうか。

英法系の国は、弁護士資格なども共用できますので、例えば、オーストラリアなりシンガポールなりの弁護士は英法系の国では弁護士資格の取得も可能で、世界を相手にした法務のOne Stopサービスが可能でした。

単に言語だけではなく、法律知識や文化・社会的背景など、総合的に学ばないとこのレベルにはないませんので、これからも海外ロースクール留学などは必要と思いますが、日本人にとっても、言語という高いハードルが下がるはずですので、それ以外の学習にシフトできることは朗報であるように思います。

ベンチャーと法務・知財人材

ベンチャーが伸びるためには

2017年4月17日(月)の日経に、「法務人材 VB飛躍の支え」という記事がありました。

www.nikkei.com

①アプリを使った送金や、②遠隔診断サービスや、③フリマアプリ(メルカリ)などのベンチャーで、法務人材が非常に重要な役割を果たしているという内容です。

①の送金関係は大手法律事務所のパートナーが、②の遠隔診断サービスは外資系法律事務所の弁護士が当該企業に転職して、③のフリマアプリでは国家公務員出身者が転職しているということです。

 

この背景は、

ロースクール出身者や大手法律事務所の出身者が、新たな活躍の場を求めてベンチャービジネスへの関心を高めていることと、

ベンチャーキャピタルなどから、ベンチャーに、資金が大量に流れており、弁護士を雇用する余裕ができている、と解説していました。

 

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この話は、非常に重要な話だと思いました。ベンチャーが出てこないと経済が活性化しません。しかし、なかなか成功するベンチャーが出ないのが日本が成長できない理由です。

では、なぜ日本でベンチャーが成功しないのか?よく言われるのは、日本人に挑戦する気持ちがないとか、寄らば大樹という人が多いとか。確かに、そういう面もあると思いますが、それだけでもないと思います。

 

アメリカのシンコンバレーの会社やイスラエルの研究開発型の会社など、小さな会社でも法務・知財について、大企業顔負けの能力があったりします。

実際、日本の大企業が日本のベンチャーと組んだというのはあまり聞きませんが、その日本の大企業がシリコンバレーベンチャーと組むのは日常茶飯事です。実は、海外のベンチャーは、技術力なりビジネスのプランに特徴があるというだけではなく、企業の管理系の質という面で、大企業顔負けのレベルなのです。

 

大企業の社員にとって、相手方の管理系のメンバーのレベルが高いということは、例えベンチャーであっても安心して組めるという面があります。この点、日本のベンチャーは、既存の法律事務所や特許事務所のサポートは受けているものの、ベンチャーの法務・知財力が強いという印象は全くありません。

 

弁護士・弁理士などの有資格者は、規制緩和の流れの中で量産されました。その人が今のところ、既存の法律事務所や特許事務所では吸収しきれず大企業の法務・知財部門にどんどん流れています。

今後は、経験を積んだ有資格者が、そのような大企業だけではなく、ベンチャー企業のメンバーとして参画する流れができれば、ベンチャーの活性化にとって非常に良いことと思います。