人口換算で仏、伊よりも多い
2020年5月7日の日経夕刊の三面で、少し注目したい記事がありました。新型コロナウイルスなどに対応する集中治療室(ICU)の数ですが、人口10万人あたりで換算して、欧州各国よりも多いという記事です。
「ICU相当1万7000床」 厚労省、人口換算で伊仏上回る :日本経済新聞
- ICUとして「特定集中治療室管理料」を請求できるのは5211床
- しかし、ICUに準じた機能を持つ分類がある
- 「救命救急入院料」を請求できるのは6411床
- 「高度治療室(HCU)入院医療管理料」を請求できるのは5412床(ICUよりも看護師が少ないが、看護師を融通するとICUと同等の機能)
- 合計すると1万7034床
- 人口10万人あたり、13.5床。イタリヤ12.5床、フランス11.6床、スペイン9.7床、英国6.6床を上回る
コメント
ICUやICU相当のものが沢山あったとしても、他の怪我や病気でも使いますので、実際に新型コロナウイルスに活用できる数が、重要なのだろうと思います。
この記事は、日本のICUが少ないことで不安を持つ人がいるのを、厚生労働省が実はある程度あるのだということを説明した記事ではないかと思います。
詳しいことは不明なのですが、類似の病床があるなら、ICUの数だけで比較しても仕方ないように思います。
ただし、比較対象の欧州各国に、そのような類似の病床があるのかどうかは不明です。
日本の場合は、定義の問題なのか、看護師不足の問題なのか、医療費の計算の問題なのかよくわかりませんが、いろんな分類があるようです。
定義の問題として思い出したのは、発泡酒や第三のビールという分類です。酒税法のために、原材料を少し変えて、違う分類・名称にしているものです。
ビールと第三のビールでは価格は半分くらいになっているのですが、最近は第三のビールも味が向上しており人気です。
病床の問題とは違いますが、税金や国の施策が絡むと、この種のものが生じやすいのかなと思いました。
ちょっと話はズレますが、以前、法曹人材が不足しているとして、法科大学院を作るという議論があったあたりに、法曹人材の人口比率ということのが議論になったことがありました。
そのとき、確か、司法書士、行政書士、弁理士といった、海外の弁護士に類した仕事をしている人がいて、それを入れると、対欧州との比較では、それほど不足はしていないという議論があったように思います。
その後、法曹人材も増えましたが、弁理士なども相当増えました。弁護士は、10年で7割増えたそうですが、司法書士は2割増にとどまっています。
弁護士人口は7割増、司法書士人口は2割増|平成19年から29年の10年間 | 司法書士の求人、就職・転職ならメンターエージェント
弁理士は、平成20年と平成31年の比較で、7806人から11474人ですので、46%増ぐらいのようです。
弁理士試験のデータから難易度を考える~合格者はピークの約3割、高い難易度を維持 | 資格スクエア MEDIA
司法書士は合格率も低く(3~4%)、以前より難関資格になったイメージです。では、なぜ、司法書士は増やさなかったのでしょうか?需要の伸びが少ないという予想があったのでしょうか?
チャンスがあれば司法書士さんに聞いてみたいなと思います。