投資ファンドに売却
2020年6月25日の日経にオリンパスが映像事業を投資ファンドに売却するという話が出ていました。
オリンパス、デジカメなど映像事業をファンドに売却 :日本経済新聞
- オリンパスはデジタルカメラ事業などの映像事業を、投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に売却すると発表
- 9月末までに正式に契約、年内に売却完了
- 売却額は明らかにしていない
- オリンパスは内視鏡などの医療事業に経営資源を集中させる方針
- 映像事業の売上高は、総売上高7974億円の5%強の436億円にとどまる
- 3年連続営業赤字
コメント
株式市場ではこのニュースのあと、1割程度、株価が上昇しているようです。さすがに市場はドライです。
JIPは投資ファンドですので、いずれは株式公開(IPO)か、別の会社への事業売却をするということなんでしょうが、売却対象のデジタルカメラに、オリンパスのブランドをいつまで継続するのかがポイントだと思います。
オリンパスのサイトを見ると、次のリリースがありました。
https://www.olympus.co.jp/ir/data/announcement/2020/contents/ir00012.pdf
オリンパスがこれまで培ってきた革新的な技術とユニークな商品開発力を活用し、OM-D や、PEN、ZUIKOなどをはじめとしたブランドを継承する事業体として、お客様にとってより良い製品 / サービスを提供するとともに、事業に携わられている役職員の方々にとってもより働き甲斐のある会社とすることを通じて、事業の持続的な成長を実現します。
この文章からは、積極的に、今後もオリンパスのブランドを継続使用できるとは読めません。
JIPの期間中は、オリンパスブランドで、もし事業会社に売却されたら、オリンパスブランドは外すということでしょうか。
可能性としては、IPO(新規株式公開)に成功し、カメラのオリンパスと、内視鏡のオリンパスの2つのオリンパスというような、ヤマハとヤマハ発動機のようなことができるという可能性は無きにしも非ずなのですが、この道は相当厳しいんだろうなと思います。
しかし、内視鏡事業に比べて、カメラ事業は売上げや利益での貢献は少ないのですが、ブランドの露出という意味では、事業をやっているだけで大きな効果があります。
日本の商標管理の常套手段としては、リスクマネジメントの観点で、カーブアウトした会社へのブランドライセンスは、一時的にしか認めないということが一般的です。
これは、昔の戦後すぐのアメリカから学んだものですがすが、特段これを規定した法律がある訳でもなく、反対に、最近の欧米企業はGEタイプの、家電事業はブランドライセンスという方法で、ブランドを継続するということをやっています。
品質監査、ブランド監査、契約などで努力して、なんとか、オリンパスブランドの継続使用を認めるという選択肢はないものかと思います。
JIPは、NECビックローブ、ソニーVAIOを再生させた投資ファンドらしいので、期待はでようです。
マイクロフォーサーズの未来はどうなる。オリンパス、映像事業を譲渡(ギズモード・ジャパン) - Yahoo!ニュース
ちなみに、パナソニックのLUMIXもマイクロフォーサーズ規格でしたが、最近はLマウントアライアンスというライカの新規格を採用しているようです。
Lマウント アライアンス | Sシリーズ スペシャルコンテンツ | デジタルカメラ LUMIX(ルミックス) | Panasonic
今、デジタルカメラなどの映像事業を強化したいという会社は、中国のスマホメーカーか、GoProぐらいしか思いつきませんでした。
デジタルカメラは、競争も激しいので、白物家電中心のGEのように、安定性はないのですが、オリンパスブランドの継続使用を認めるという選択肢はないものかと思います。
もしだめなら、どういうブランドにするのでしょうか。OMでしょうか?PENでしょうか?