Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

日経リサーチ 企業ブランド調査

アップルとソニーが首位

2020年9月23日の日経に、日経リサーチの企業ブランド調査の結果が掲載されていました。

企業ブランド評価、アップルとソニー首位 3位ヤマト :日本経済新聞

 

  • 消費者やビジネスパーソンが企業ブランド(コーポレートブランド)をどう評価しているかを多角的に分析したもの
  • 総合点の順位は、以下の通り。


1位(昨年1位) アップルジャパン(Apple) 昨年

1位(2位) ソニー

3位(5位) ヤマト運輸

4位(3位) 日本マイクロソフトMicrosoft)

5位(4位) グーグル(Google

6位(6位) パナソニック

7位(8位) キユーピー

8位(7位) 日清食品

9位(9位) 味の素

10位(18位) 日本コカ・コーラ(Coca-Cola)

となっています。

 

コメント

まず、総合ランキングですが、昨年とほぼ同じであり、新聞の分析にもあるように、コロナ禍の理由のある企業がすこし順位を上げているという、非常に理解しやすい結果となっています。

 

新聞には、消費者の評価と、ビジネスパーソンの評価を分けて順位が記載してあるので、そちらもご確認ください。

見ていると、例えば、キユーピー日清食品、味の素などの食品企業は消費者の評価は非常に高い(1位、5位、4位)なのですが、ビジネスパーソンの評価はそうでもない(58位、38位、56位)ようです。

 

全体には、昨年比で、あまりボラティリティが高くないなと思いました。

 

調査日は、2020年6月~7月とあります。緊急事態宣言解除後です。

ブランド戦略サーベイ | 日経リサーチ

 

総合評価は、この消費者の評価と、ビジネスパーソンの評価を、単純に足すのか、何か方程式というか、関数というか、そういう処理をして、総合評価を出すのか、どちらなのでしょうか。

 

日経リサーチの説明を見ると、ブランドPQ(知覚品質)というものを「統合」しているとあります。

ブランド戦略サーベイ2020 総合評価ランキング | 日経リサーチ

 

消費者

  • 自分必要度
  • 独自性
  • 愛着度
  • 価格プレミアム
  • 推奨意向

ビジネスパーソン

  • ビジネス有用度
  • 独自性
  • 企業魅力度
  • 価格プレミアム
  • 推奨意向

消費者とビジネスパーソンですが、自分事か他人事かの違いのようです。

例えばアップルを見ると、消費者の方が評価点が高く、ビジネスパーソンの方が厳しいので、同じ人でも視点を変えるだけで、まったく違う答えになるのかもしれません。

ブランド戦略サーベイ2020 総合評価ランキング | 日経リサーチ

 

BtoBブランド戦略を検討するには、ビジネスパーソンの評価を気にすると思いますが、それで良いのかなと思ったりします。

 

なお。この調査ですが、「ブランド総合力」(総合PQ)以外に、「ブランド浸透状況」(現在に関する指標=認知度、理解度、購入・利用経験、共感度と、未来に関する指標=購入・利用意向、ロイヤルティ、リレーション、を測定するとあります。

 

また、「ブランド価値の構成要素」として、企業との「接点」(アクセスポイント)、企業の「魅力点」(バリュードライバー)、「ブランドイメージ」、商品・サービスの利用で得られると思う「経験価値」の4つを、ブランド価値の構成要素として測定しているあります。

 

相当、分析している感じです。

 

対象が600社に絞られるので、この600社に入ること自体が、困難なことではあります。

調査報告が40万円しますが、それぐらいはするのかなと思います。