Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

2つの類似品にご注意くださいの広告

ブロッコリースプラウト龍角散

2020年12月23日の日経に、村上農園の「ブロッコリースプラウト」の1面広告と、別のページには龍角散の「龍角散ダイレクト」の広告があったですが、双方とも、メインのコピーは、「類似品にご注意ください」でした。

 

意図して同じ日に同じ「類似品にご注意ください」のコピーの1面広告が2つきたのか、日経の広告局の人の匙加減なのか、よくわかりません。

この2つの広告を見た時に、一瞬、ついに日本も中国のように模倣品被害大国になったのか?!と思いました。

 

ポイントは「類似品」という言葉のようです。

 

中身を読むと、村上農園のブロッコリースプラウトの広告が言っているのは、ブロッコリースプラウトの効能は、ジョンズ・ホプキンス大学の研究成果で「スルフォラファン」という有効物資が、ブロッコリースプラウトブロッコリーの新芽)にあることを発見したことによるそうですが、どのブロッコリースプラウトにあるのではなく、ほとんどスルフォラファンを含まないものもあるそうです。

 

村上農園のものは、ジョンズ・ホプキンス大学の栽培方法もま守り、検証を受け、認証マーク(Brassica、ブラシカ)を付けているとあります。

 

一種の技術ブランディングですが、村上農園の整理による類似品と真正品の違いなどが良く分かりました。

知らなきゃソンする、ブロッコリースプラウトのすべて|村上農園 (murakamifarm.com)

 

類似品に注意と言われてしまった他のブロッコリースプラウトですが、有効成分は少ないものの、ブロッコリースプラウトであるいことは間違いないので、有効成分が少ないことを承知なら、買っても何ら問題なないことになります。

有効成分量の違いがあるなら、この広告は正当化されるかなと思いました。

今日、スーパーで見ると2倍の価格差があります。

 

一方、龍角散ですが、こちらも「類似品にご注意ください。」なのですが、龍角散がいうところの類似品の説明がありません。

ただ、類似品との区別をするには、パッケージを確認する、商品名を確認する。製造販売元を確認する。とあるだけです。

 

ちなみに、龍角散PM2.5の対策で、中国で人気商品になっているようであり、また、まいどなニュースに記事があった程度です。

 

まいどなニュースの「これではゴホン!といえない・・・中国でのど飴の偽造品出回る」の記事にあった記事は、中国の模倣品の話は、「龍角散のど飴」の話であり、「龍角散ダイレクト」の話ではありません。

 

また、中国と日本は市場が違うので、龍角散は何と何を比較しているのか不明です。

言葉の検索条件を変えて検索をして、画像を確認したりしましたが、Web検索では、龍角散ダイレクトの模倣品は発見できませんでした。

 

類似品、偽造品、模倣品についての広告は、エビデンスを元に、消費者に対する注意喚起が必要ではないかと思いました。

下手をすると、「龍角散ダイレクト」は模倣品がでてくるほど有名な商品です、と言っているだけの広告になってしまいます。

何かちょっとすっきりしません。