関心を持ったもの
元旦の新聞は、第1部から第5部ぐらいまであります。
その中でも、第1部の新聞広告には特別なものがあります。年賀状を見るように、各企業の新聞広告(ほとんどは1面全面広告)を見るのも、お正月の過ごし方の一つでした。
正月の企業広告を分析するのは、広告宣伝の人達だけではなく、営業の人や品質・CS系の人など、広い範囲の人がやっていました。クリエイティブだけではなく、社会やビジネスの傾向を見る上でも、正月広告は重要なものでした。
ところが、2021年の元旦の新聞には、主要企業の広告がほとんどありませんでした。
各社、コロナ禍で宣伝費が絞られているはずですが、テレビの商品広告CMは見ますので、正月の新聞広告などは一番初めに削られたのかもしれません。それにしても、今年の少なさは異常です。
数もさることながら、内容面でも、面白い広告や目についた広告が少ないという印象がありました。
数年前まで企業のコミュニケーションの部門にいたので、企業宣伝の担当者が、会議室いっぱいに各社の正月広告を貼っていたのが、ウソのような状態です。
さて、その中で異彩を放っていたのは、日経にあった株式会社スタートトゥディの代表 前澤友作さんの2面の広告です。
ご本人の正面視イラストがどんとあり、
コピーは、
「実業家『前澤友作』13の事業で再始動!!全社で上場を目指します」
というものです。背景には、13の出資している事業の紹介がご本人のイラストで掲載されています。
- フィンテック事業
- ペットを幸せにする事業
- ひとり親の養育費保証事業
- サバの養殖事業
- 釣りSNS事業
- 自宅で健康チェック事業
- 医療介護マッチング事業
- プライベートジェット事業
- 海中旅行事業
- 有名人にあなた向けの動画を注文できる事業
- 子どの才能を伸ばす事業
- 大学生向け履修管理SNS事業
- 政治家の選挙活動支援事業
です。
1~2 は前澤さんが100%出資で設立で、3~13は前澤ファンドが30%~70%の出資とあります。
- 自宅で健康チェック事業などは、大企業の新規事業でありそうなものですが、
- 釣りSNS事業や、有名人にあなた向けの動画を注文できる事業などはユニークですし、
- ひとり親の養育費保証事業など、社会問題系のものもあります。
ZOZOを売却した資金の投資先ということでしょうが、面白いですね。
スタートゥデイという会社名は、出ていますが、前澤友作という個人が全面に出ています。既存の大企業という枠組みではなく、前澤友作という個人の視点、選択、考え方が重要ということを示しているように思います。
また、これだけ、新しい事業のネタはあるんだなと思いました。
数年後、この13事業の中で、いくらかの事業が上場すれば十分成功です。
しかしそれよりも、正月の2面の広告を出して、社会に激を飛ばしているようで、前澤さんは凄いなと思いました。