4割減。中国からの留学生がEUからと同数に
2021年4月7日の日経に、Brexitの影響で、EU諸国から英国留学生が激減(4割減)し、英大学は中国、インドからの留学生に期待しているという記事がありました。
英大学 揺らぐ求心力: 日本経済新聞 (nikkei.com)
- Brexitで、EU出身学生への学費や滞在許可証の優遇措置撤廃
- オックスフィード大学の生物学の授業料は、9250ポンド(約140万円)から3万7510ポンドと4倍に
- 学生ローンも利用できなくなり、就学ビザの取得が必要に
- 1月締め切りの秋入学では、前年比4割減
- 特に東欧諸国からが激減
- 増えたのは優遇措置の続くアイルランドのみ
- 2019年ではEU出身学生は、全学生の6%。外国出身者の3割だった
- 替わりに、英大学は、中国とインドに期待
- 中国からの留学申請はこの10年で5倍に。今年は25,000人超。EUからと同じ水準に
- 欧中対立の影響。中国に批判的な研究ができなくなる危惧。中国研究の授業の録音を禁止(オックスフォード大)
- テクノロジー研究でも、中国との共同研究が多く、2~3割
- 日本からの入学申請は、570人。在籍者数は2867人。韓国の約半数
- 学問の自由を守るため、強権国家からのマネーに頼るべきではない
コメント
140万円/年なら、何とかなるのかもしれませんが、560万円/年は、支払えないですね。
しかし、中国の英国への留学生は、従来EUからの留学生が享受していた優遇措置などはなかったでしょうから、どこからその費用を捻出していたのでしょうか。親からでしょうか。中国政府の奨学金があったのでしょうか。
それにしても、中国からの申請者は多いですね。日本からの留学生の44倍いる計算になります。人口が10倍あることを差し引いても4.4倍です。
ただ、韓国は、人口が半分とすると、約4倍となり、こちらも同じ水準です。
日本だけが落ち込んでいるようです。
そういえば、日本政府も「トビタテ!留学JAPAN」などの事業をやっていたと思います。
【文部科学省】トビタテ!留学JAPAN - その経験が、未来の自信。 (mext.go.jp)
昨年からのコロナ禍で、リアルな授業がなくなったりして、留学生は減ってているんでしょうね。
記事の最後に、中国からの留学生や研究費に頼るべきではないという指摘がありましたが、日本の大学では、中国からの留学生はどの程度いて、研究費がどの程度流れてきているのでしょうか。
関連する文部科学省の資料がありました。
「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について (mext.go.jp)
大学生だけを比較しておらず、専門学校なども入っていますが、日本に来ているの留学生数は、約28万人で、約12万人が中国からです。他は、ベトナム、ネパール、韓国、台湾と続きますが、アジアが多いようです。
28万人の留学生中、13万5000人が、大学以上の学校です。
正確は数字は不明ですが、どうも英国への留学生以上の数が、中国から日本の大学に来ているようです。
また、日本からの留学の人気があるのは、アメリカ、中国、台湾となっています。
中国には、1万4000人程度の留学生が行っているようです。
この数からすると、日中の結びつきは、やはり強いなという気がします。
米国か中国か、二者択一は難しそうです。