Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

アマゾンの不正商品流通の課題

名誉棄損、わいせつ物頒布

2021年6月20日産経新聞に、アマゾンの不正商品管理に不備があり、名誉棄損やわいせつ物頒布が頒布されているという記事がありました。

<独自>アマゾン、不正商品管理に不備 名誉毀損やわいせつ物頒布の疑い - 産経ニュース (sankei.com)

  • 女性芸能人への名誉毀損やわいせつ物頒布などの疑いがある不正な商品が多数販売
  • マーケットプレイスの商品
  • 販売されているのは女性芸能人の顔とわいせつ画像を合成した画像を使った商品
  • 検索で女性芸能人の名前を入力しただけで、検索候補として不正商品名が表示される
  • 政府もアマゾンに聴取するなどの検討
  • アマゾンは出店者の行動規範にすべての法律と利用規約を遵守することを明記
  • 人工知能(AI)などの技術を使って出品物の監視
  • アマゾンは1週間に世界で数億件、規約を侵害する商品を排除

というような内容です。

 

コメント

全世界で、一週間に数億件の規約違反を排除しているとあります。ECをあまり使っていない人々も、世界中には多いはずですので、アマゾンにおける日本のシェアが1割と仮定して、日本でも数千万件の規約違反を排除している勘定になります。

 

数千万件、本当に排除できているかどうかは別として、少ない数ではなさそうです。

 

アマゾンが、自ら販売している商品では、このような問題は起こりませんが、マーケットプレイスでは起こりがちです。

アマゾンの販売ボリュームは絶対的なものがあるので、このルートに乗せられるかどうかは、業者としては死活問題です。

 

不正商品を販売している者は、通常は、自分のサイトとか、闇サイトとかで、販売するのでしょうが、もし、アマゾンのルートに乗せることができれば、販売量が稼げるので、不正認定されるまでの間に売り切れば、自分でサイトを土あげるよりは、早く目標の売り上げを達成できそうです。

 

アマゾンも、AIなどを使い機械的に、不正商品を発見しようとしているんでしょうが、限界があるんだろうと思います。

試しにアマゾンで、「広瀬すず」さんの名前を検索してみると、これは偽物ではないかというタペストリーがありました。よくわからない出店者です。また、同種の商品として、橋本環奈さん、有村架純さんもあります。

 

本物か偽物かは、タレントが所属する事務所はすぐにわかるでしょうから、定期的にアマゾンを巡回して、発見したら、アマゾンに抹消申請をしないといけないように思います。

 

アマゾンとしても、有名女優の名前があるものは、書籍やDVDとして正規に流通しており、コードがあるような商品以外は、受け付けないようにしないにしないといけないのではないかと思いました。

 

これを規制しても、違う種類の商品で同じようなことが起こりそうです。抜本対策は出店者の規制強化なんでしょうが、マーケットプレイスへの出店をしやすくすることと、矛盾するんだろうと思います。しかし、ある程度の規制は必要と思いました。