読んでみました
Branding(ブランディング)
インターブランドの中村正道さんの「Branding(ブランディング)」(日経文庫)を読んでみました。
会社員時代に、インターブランドの方とは接する機会もあり、身近に感じている会社なのですが、著者の中村正道さんとは一緒に仕事をしたことはないと思います。
インターブランドの本と言えば、
があります。インターブランドジャパン編著とあり、複数のインターブランドのメンバーが書いた本であり、インターブランドのノウハウをまとめたものです。
今回の中村さんの本は、本の表紙の氏名の上に、「インターブランドジャパン」とあるので、会社の承認までは得ていると思います。ただ、一人の個人がまとめたものなので、より分かりやすく、読みやすくなっているのではないかと思って、読んでみました。
結論からいうと、インターブランドのコンサルの皆さんが、常々説明していることが、新書本の中に、要領よくまとめられているという感想です。
印象に残ったのは、次のような点です。
1.「ブランドの目指す姿」という日本語を使っているのは、非常に良いと思いました。
2.ブランディングは、経営者や経営企画が行うもので、コミュニケーション部門が行うものではない。広告代理店がブランディングを紹介したために、日本では誤解が広がっている。
3.ブランドのオーナーは、CEOなどのトップマネジメントだけではなく、従業員も含む意味。
1.の点ですが、日本でブランディングが根付くには、全てのブランド用語を、全て日本語で表現できることが必要だろうと思いました。インターブランドは外資系ですので、英語の用語がカタカナになり、そのまま表現されることが多いですが、やはり頭に入りません。これを全て日本語にするだけで、相当分かりやすく、日本にブランドマネジメントが根付くと思います。
2.の点は、本当にそうです。経営企画が最適だろうと思います。コミュニケーションの部隊が絶対にだめということではないですが、コミュニケーションに置けばよいという考え方では、経営者はブランドを本気でマネジメントするという意識がないといえます。
3.の点は、なかなかそこまで言い切った人を見たことが無かったので、素直に関心しました。まさしくそうだなと思います。
ちょっと疑問に思ったのは、細かい点ですが、ブランド体系のところで、ソニーのサブブランド戦略を、エンドースブランド戦略と説明している点でしょうか。
エンドースというには、ソニーが全面に出ているように思いました。
また、内容がてんこ盛りな感じはします。広く、ビジネスパーソンに、ブランディングを理解してもらうには、インターブランドの各種ツールの紹介は最小限にした方が分かりやすかったのではないかなという気がしました。
でも、日経文庫ですし、読者も相当にいると思いますので、この本が売れ、また、その改訂版もでて、長く読まれるようになれば良いなと思いました。
個人的には、通勤大学の下記の本が好きですが。改訂版が待ち遠しいと思います。