Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

研修

知財部という仕事

商標協会の講演会に行きました 2020年10月14日に、全日通虎ノ門ビルディングで開催された日本商標協会の実務検討部会の講演会に行きました。 講演者は「友利昴」さんです。発明推進協会から「知財部という仕事」という本を出している方です。 知財部という仕…

新・商標法概説(その66)完

民事訴訟としての商標関係訴訟 差止請求訴訟、損害賠償請求訴訟、差止請求権不存在確認訴訟、先使用による使用権存在確認訴訟などがある。 差止請求訴訟 裁判管轄について、被告の住所地が原則であるが、不法行為地の特別裁判籍が認めらるのか判例・学説の対…

新・商標法概説(その65)

審決取消訴訟 拒絶査定不服審判、補正却下の決定(査定系)、 登録無効の審判、登録取消の審判(当事者系)については、 東京高裁(知的財産高等裁判所)に提訴できる(63条)。 査定系の訴えでは、特許庁も一方の当事者であり、特許庁との連絡の便宜のた…

新・商標法概説(その64)

代理人等の不登録登録に対する取消請求、審判手続き一般 (代理人等の不当登録に対する取消請求) 外国商標権者の商標を、日本の輸入代理業者などが、外国商標権者の承諾を得ないで、商標登録を取得したときの取消規定である(53条の2)。 取引の円滑、需要…

新・商標法概説(その63)

分離移転後の一方権利者の混同行為による商標登録の取消審判 これについては、次のような説明があります。 平成8年法改正により、商標権の分割移転ができるようになった(24条) また、連合商標制度が廃止され、商標権の分割に伴って商標権の分離移転ができ…

新・商標法概説(その62)

使用権者の不正使用取消審判 本書には、条文に従い、53条の説明の前に、52条の2の「分離移転後の一方当事者の混同行為による商標登録の取消審判」がありますが、51条の不正使用取消審判と、53条の使用権者の不正使用取消審判は、セットの方が素直なので、こ…

新・商標法概説(その61)

不正使用による商標登録取消審判 不正使用による商標登録の取消審判は、商標権者の不正使用(51条)と、使用権者の不正使用(53条)の2種類がある。 商標権者の不正使用取消審判は、類似範囲のみ。一方、使用権者の不正使用取消審判は、同一及び類似範囲まで…

新・商標法概説(その60)

不使用取消審判 不使用登録商標という形式的、空権的存在をいたずらに許しておくことは、業界の表示使用の自由を圧迫し、かつ、商標選択の範囲を不当に狭めるもので、商標法の理念から見て望ましいものではない。 そのため、①継続して3年上日本国内において…

新・商標法概説(その59)

商標登録無効審判 登録に瑕疵がある場合、このような本来登録されるべきでなかった商標を、排他的独占的な商標権として有効に存続されることは、表示自由使用の利益に反し、公益に合致しない。このような登録商標は、原則として登録無効にすべである。 説明…

新・商標法概説(その58)

審査主義と無審査主義、登録異議申立制度 審査主義と無審査主義については、審査主義が妥当であるとして、各国法の比較をしています。 出願公告制度の廃止の理由は、マドプロの条件を満たすのが大変だったことと、早期権利付与の要請があり、特許法に合わせ…

新・商標法概説(その57)

出願公開制度 特許庁長官は、商標登録出願があったときは、出願公開をしなければならない(12条の2第1項)。国際登録も、国内登録も同じ。 商標登録出願人は、①商標登録出願をした後に、②当該出願に係る内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、③そ…

新・商標法概説(その56)

先願主義の例外(博覧会出品、出願分割、出願変更、優先権、要旨変更新出願) これらは、先願主義の例外とまとめられています。 博覧会出品物は、商標出願はその出品又は出展の時にしたものとみなされる(9条1項) 分割による新たな商標登録出願は、元の出願…

新・商標法概説(その55)

先願主義 我が国は登録主義を採用し、商標権者の商標使用の法的安定を確保している。 2以上の商標出願があるとき、最先の出願人に登録をするのが、先願主義であり、我が国は「先願登録主義」をとっている。 ここで、単一の商標だけしか登録されないことが不…

新・商標法概説(その54)

一商標一出願の原則、一出願多区分制、指定商品(役務)の指定、商品(役務)の一部放棄 重要な点は、 平成3年の法改正で国際分類が採用され、それまで認めらてきた、「その他本類に属する商品」というような「全類指定」や包括概念が認められなくなり、省令…

新・商標法概説(その53)

業務記載の廃止、標準文字、国語主義 業務記載については、商標法条約により、手続きの簡素化の観点から廃止された。 ただし、願書に記載を要求しないだけであり、審査はあり、例えば銀行のように法的な業務制限のある企業が、明白に行うことができない商品…

新・商標法概説(その52)

手続的商標法/総説/代理人、弁理士、不受理処分 新・商標法概説は、3部構成の最後の「手続的商標法」という部分になっています。審査、審判、訴訟を扱う編ですが、例えば、弁護士が商標案件を取扱うときに、特許法の参考書を見なくても、全部の事項が記載…

読んでみました

「社長、商標登録はお済ですか? Ⓡの逆襲 商標登録で成功する経営者、失敗する経営者」 上記タイトルの本を読みました。 社長、商標登録はお済みですか?II Rの逆襲――商標登録で成功する経営者、失敗する経営者 作者:平野 泰弘 発売日: 2018/03/08 メディア: …

読んでみました

Branding(ブランディング) インターブランドの中村正道さんの「Branding(ブランディング)」(日経文庫)を読んでみました。 ブランディング (日経文庫) 作者:中村 正道 発売日: 2019/12/14 メディア: 新書 会社員時代に、インターブランドの方とは接する機…

新・商標法概説(その51)

商標権の移転と更新と放棄 移転: 新法は営業と分離した移転を認めているが、これは、旧法当時から実務的には営業譲渡証を添付すると認めらており、実質審査もなかった。 移転よりも、使用許諾の無制約の方が、問題かもしれない。 ちなみに、ドイツは、1995…

新・商標法概説(その50)

刑事的救済 商標権侵害は、従来から非親告罪である。商標権侵害罪には故意が必要である。 保税倉庫・保税工場: 商標の輸入に関連して、保税地域内にある貨物は、関税法上は国外であり、いまだ商標権侵害ではないという説(通関説)もある。 しかし、それで…

新・商標法概説(その49)

民事的救済 本では、このあたりは詳しく解説されています。必要なときには、該当箇所を読みなおそうと思います。 気になったところだけピックアップします。 差止請求: 辞書などに普通名称のように登載されたからと言って、それだけでは普通名称になったと…

新・商標法概説(その47)

真正商品の並行輸入問題 商標権の地域的効力の問題、その他に絡む複雑な問題です。要約することが、難しいテーマですので、本を読んでもらえばと思います。 大きく、パーカー事件、大蔵省通達、フレッドベリー事件などが説明されています。 パーカー事件判決…

新・商標法概説(その46)

侵害とみなす行為 37条各号の行為があった場合は、権利侵害の事実の立証を必要としない。登録商標の信用を害するおそれのある行為を権利侵害とみなして、商標権の保護を強化したもの。 一般に本来の侵害が直接侵害、本号の侵害は間接侵害、みなし侵害という…

新・商標法概説(その45)

商標権の侵害 商標権侵害を、単に侵害者が登録商標を無権限で付する行為のみに限定すべきではない。 商標法では、36条(差止請求権)や38条(損害賠償)などの規定において、「商標権の侵害」という文言のみで規定され、「商標を無断で付する行為に対して」…

新・商標法概説(その44)

先使用権(32条) 先使用権は、 他人の商標登録出願前から、日本国内において、指定商品若しくは指定役務と同一又は類似する商品若しくは役務に、登録商標と同一又は類似する商標を使用しており、 出願前から不正競争の目的でなく使用していたこと、 他人の…

新・商標法概説(その43)

専用使用権・通常使用権 使用許諾制度の国際比較があまりないのですが、基本は通常使用権のところの青本の記載を引いています。 現行法は、商標権の財産性・自由譲渡性を重視し、こに関連して「商標使用許諾制度」を設けた。そして、需要者保護としては、 「…

新・商標法概説(その42)

判定制度 判定制度は、旧法の確認審判制度に替わるもの。旧法の確認審判制度には法的拘束力があるかどうか説が分かれていたが、裁判所に不服について出訴できた。 一方、判定は法的拘束力はないとされ、一事不再理の適用もなく、出訴することもできない。 専…

新・商標法概説(その41)

他人の意匠権、特許権等又は著作権による制限 ここは、商標権と著作権と抵触関係についての判例の紹介が面白いところでしょうか。 商標権と著作権の抵触は、岩波書店のミレーの種まく人のような著作物的色彩のある登録商標の使用について、著作権と抵触する…

新・商標法概説(その40)

権利の限界からくる制限 商標権の効力と表示使用とを調整し、公益上1個人のみに独占させることが適当でない商標の自由使用を確保する。この条理的限界からくる制限が次の3つである。 26条 商標権者の権利行使の制限(39条、特104条の3第1項第2項) 権利の…

新・商標法概説(その39)

商標の同一は又は類似(2) 昨日のコメントです。 コメント 小野先生は、類似をまとめて効力のところで記載し、「混同のおそれ」で判断することが、確定した最高裁判例としています。 残った問題が、出願時は不使用で、従来の経験則による一般的抽象的な類…