商標協会の講演会に行きました
2020年10月14日に、全日通虎ノ門ビルディングで開催された日本商標協会の実務検討部会の講演会に行きました。
講演者は「友利昴」さんです。発明推進協会から「知財部という仕事」という本を出している方です。
コロナ禍になって、はじめてリアルな講演会にでました。これまでは、弁理士会の講演会や、商標協会、発明協会など、各種の講演会にいくチャンスは多く、月一回ぐらいは何かあったのですが、この半年はリアルな講演会はゼロでした。
この間、最近は、商標委員会などはZoomなどを使ってやっており、お客さんへの講演もTeamsでやることがありましたが、リアルな講演会はやはりいいなと思いました。
講演の始まる前に、前から写真を撮るのですが、コロナの感染が分かったときに、対応するためだそうです。
聴衆は、150人は入る会場に50人ぐらいです。参加者は47人と連絡にあったのですが、3人掛けの机に一人ずつ、ジグザグ模様に座りましたので、数えなくても150人の会場と考えることが可能でした。
質疑応答の時間は、マイクが回って来たりするのですが、一回ずつ除菌されていました。
ここまでやるから、リアルな講演会が開催ができるのですね。
講演は45分間で、商標担当者向けに企業の商標の仕事で、良く発生するようなシチュエーションで、どのように対処していけば良いのかという話です。
- こんな知財部員は嫌われる?
- 評論でなくアドバイスを心がけるべし
- 現場の敵であるな、常に見方であれ
- 現場には「あなたを守ります」という姿勢を見せる
- 現場にナメられる知財部になるな!
- グレー事案への向き合いこそ信頼を得るチャンス
- 偉い人の暴走を止められるのは知財部だけ
というテーマでした。
事業部への回答で、専門用語を使わないという指摘は、まさにそうです。識別性、指定商品(指定役務)、商標的使用、商品等表示、出所混同、当職、縷々、蓋し、乃至、思料します、は使わないとありました。
識別性は、特に一般人には意味不明の言葉です。
本当にその通りなのですが、商標業界人、特に弁理士は、「識別性」「商標的使用」「出所混同」という言葉を使わずに、一般の人に説明できるでしょうか。
講演のあとにパネルディスカッションがあったのですが、準備されたテーマが5つあるですが、3つめに入ったところで、時間オーバーとなりました。盛り上がっていたと思います。
特に、幹部から一見すると無理な要求かなと思うものを要求され(弁理士や弁護士は皆無理といったそうです)、それでも、実際やってみようと動いてみたら、半分ぐらいはなんとかなったという話は、企業の実務あるいは本来あるべき商標制度とは何かと考えさせるものでした。