Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

研修

知財とブランド

田中 洋 先生の論文を読みました 以前の会社の先輩から、読みなさいと紹介を受け、知財管理の2019年4月号の「知財とブランド-知財部門がブランド戦略において担うべき役割ー」を読みました。中央大学ビジネススクールの田中洋先生の論文です。 パテント誌と…

ガバガバ儲けるブランド経営

久しぶりに読み返して 2005年の本ですので、14年前の本になりますが、小出正三さんの「ガバガバ儲けるブランド経営」(サイビズ)を再読しました。 ガバガバ儲けるブランド経営 作者: 小出正三 出版社/メーカー: サイビズ 発売日: 2005/10/21 メディア: 単行…

メキシコ商標法改正

使用宣誓書の提出 現在、Brexitが話題で、EUTMや英国商標法が話題になっています。また、ミャンマーの商標法がいつ発行されるのかも、非常に興味があるところです。 しかし、最近の各国の商標法改正で、一番重要だなと思ったのは、2018年のメキシコの法改正…

BtoB企業とマーケティング

日経のやさしい経済教室の連載 2019年1月16日から1月25日まで、9回にわたって紹介されていた、日経のやさしい経済教室の記事を読みました。 www.nikkei.com www.nikkei.com 内容は、 日本企業には、技術力、販売力、人材はあるが、マーケティングがない マー…

高橋是清の人物紹介

波乱万丈 2019年1月19日と26日の土曜日の、日経の日本史ひと模様で、歴史学者の本郷和人さんが書かれた高橋是清の人生の紹介コラムを見ました。 まさに、波乱万丈の人生です。 御用絵師が奉公人の娘に手を付けた→養子→寺の小僧→悪ガキ 横浜で外国人のボーイ…

ブランドと商標

非常に近いように思うが... ここしばらく、外国への商標出願の仕事をしているので、商標やTrademarkという言葉を使ったり、見たりすることが多いのですが、しばらく前はブランドマネジメントをしていたので、ブランドやBrandという言葉を見る方が、断然多い…

中国商標出願の実務分析

HFGの李 蕾弁護士、蘇斌商標代理人の論文 2018年12月号のパテントに中国で、マドプロ出願するべきか、直接出願すべきかを中心に、日本の出願人向けに書かれた論文がありました。 HFG LAW & INTELLECTUAL PROPERTYの李 蕾弁護士、蘇 斌商標代理人の論文です。…

インターネット上の模倣品対策(その2)

ECサイトを通じた各国での拡散 パテントの「スポーツと知財」の続きです。本日、読んだのは、ヨネックスの法務部知的財産課の弁理士さんの「模倣品撲滅への取り組み」というタイトルの論文です。 ヨネックスの会社の説明、事業の説明、代表的な技術(ブラン…

インターネット上の模倣品対策

モール型サイト、個別サイト、オークションサイト、SNS 昨日に続き、2018年12月号のパテントの「スポーツと知財」特集を読んでいます。ミズノの法務部の弁理士さんが、「スポーツ用品メーカーにおける模倣品対策」をまとめて書いておられます。 前半は、工場…

中国の知財裁判制度の改善

最高裁に二審を一元化 2018年11月30日の日経に、中国の知財裁判制度の改善についての解説記事がありました。 r.nikkei.com 2019年1月から、特許など技術系の裁判について、最終審である二審を最高人法院(最高裁)に集約 判断のバラつきを防ぐ 地域保護主義…

読んでみました

英語は「英語で学ぶ」とうまくいく 事務所の近くの、虎ノ門の本屋に平積みされていたので、買いました。 英語は「英語で学ぶ」とうまくいく 英語で考える力をつける14段階式英語学習法 作者: 西ジェームス 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンタ…

読んでみました

コカ・コーラ その資本・戦略・体制(ダイヤモンド) アメリカのブランドライセンスの話で良く出てくる、コカ・コーラの本を図書館で見つけたので、読んでみました。 昭和43年の本で、古いのですが、ダイヤモンド社の「世界の企業物語」の一つです。 ファン…

JIPA商標委員会の勉強会

武田グローバル本社で 2018年11月2日に、日本知的財産協会(JIPA)の商標委員会の勉強会があり、一時間ほどお話をする機会がありました。そのあと、1時間ほど、参加者とディスカションするという勉強会です。 本社の横に、福徳神社があります。 ●しばらくの間…

商標管理(日本生産性本部)(その13)

資料Ⅲ 商標に関する論文 この本の最後です。「商標の使用許諾」というタイトルのアーサー・L・ナザンスンさんの論文と、「混同と消費者の心理」という特許局副長官のダフネ・リーズさんの論文です。 ただ、判例はときどき引用されていますが、先行論文の引…

商標管理(日本生産性本部)(その12)

資料Ⅱ 商標使用許諾契約 資料の2つ目は、契約書例です。Sunkistのボトリング事業に関するものと、CYANAという樹脂の成分ブランディングのタグ表示についての契約書です。 契約書は、機密性が高いという理解をしていましたが、雛形が完全オープンになっていま…

商標管理(日本生産性本部)(その11)

資料Ⅰ 商標使用便覧 この本の最後に、資料が3つあります。商標使用便覧、商標使用許諾契約書例、商標に関する論文です。 まず、商標使用便覧ですが、11社のものが掲載されていますが、今日のブランドロゴ使用ガイドラインとは、少しちがいます。 ブランドロ…

商標管理(日本生産性本部)(その10)

Ⅹ 日本における商標管理の実情 第10章は、1958年当時における日本の商標管理の実情です。現行法の説明、改正法の動向、特許庁、企業の運用などを説明しています。 ●先願登録主義 商標権は、使用ではなく、登録によって発生するが、当時は、「現に商標を使用…

商標管理(日本生産性本部)(その9-2)

Ⅸ 商標管理に関する専門家の意見(その2) 続きですが、よく似たことを、各々のスピーカーが言っているところがありますので、特徴的なところだけ拾います。 9.抵触のおそれのある商標の調査、先登録主義国(メルク) 医薬品業界の業界登録の説明があり、…

商標管理(日本生産性本部)(その9-1)

Ⅸ 商標管理に関する専門家の意見(アメリカ商標協会における講演記録)前半部分 第9章は、15個の講演録になっています。テーマが多岐に亘っているので、2回分に分けて書きます。 1.企業における商標管理(シンガーの商標部長) 企業の商標担当者は、商標管…

商標管理(日本生産性本部)(その6)

Ⅵ 貿易における商標管理 第6章は、海外での商標管理です。この章は、ネーミング、適正使用管理、ライセンスというよりは、通常の商標権の実務に近い内容です。 途中で「三菱」「Three diamonods」の事例が沢山でてきますので、執筆者は、三菱商事の総務部の…

商標管理(日本生産性本部)(その5)

Ⅴ 企業における商標管理 第5章は、事例のオンパレードです。 各社のマニュアル、ガイドライン、契約、タグ、組織構成まで、詳細に説明されています。 この本の、もっとも価値があるところでしょうか。 商標の選定で、ネーミングの一般論のようなことが述べら…

商標管理(日本生産性本部)(その4)

Ⅳ アメリカにおける商標法と不正競争防止 第4章は、商標法と不正競争防止との関係です。この章は、少し難解でした。 元々は、コモンローのPassing Offがありました。Passing Offとは、「何らかの方法で、自己の商品をあたかも他人の商品であるかのごとく消費…

商標管理(日本生産性本部)(その3)

Ⅲ アメリカ商標法の沿革と現状 この第3章では、アメリカ商標法の沿革と当時の現状が書かれています。 1.アメリカ商標法の沿革 憲法に根拠がある特許や著作権とことなり、コモンローがベースで、州際取引条項を手掛かりに連邦登録制度を作ってきた過程が書…

商標管理(日本生産性本部)(その2)

Ⅱ 商標と商標制度 第二章は、商標と商標制度です。 中世においては、生産者と消費者が直接商品が売買したので、商標は、生産標であり、公共の利益のために使用する義務があり、警察標とか、責任標と呼ばれていたとあります。 商標は、近代的な商品生産社会に…

商標管理(日本生産性本部)(その1)

米国視察団の報告書 萼(はなぶさ)優美先生翻訳の日本経済新聞社の「商標の管理(TRADEMARK MANAGEMENT)」と同じようなタイトルの本ですが、別の本です。 「商標管理」とズバリのタイトルです。 昭和35年4月発行で、視察団自体は、昭和33年9月から10月中旬…

商標の管理(Trademark management)(その7-2)

外国における諸問題② 昨日の続きです。 適正な商標の使用は、外国ではライセンスが必須になります。本社の支店は別として、子会社でも別法人ですので、ライセンスが必要になります。 ライセンス ライセンスとで、ライセンシーの使用がライセンサー(権利者)…

商標の管理(Trademark management)(その7-1)

外国における諸問題① 第7章は、この本の最後の章です。執筆者は、ラングナー パーレー カード エン ド ラグナー商会の弁護士とあります。商社の弁護士でしょうか。米国人が、外国で商標権を取得する際の留意事項です。 面白い話が多いので、2回に分けます。 …

商標の管理(Trademark management)(その6)

商号 第6章は、商号です。商号に、独立した章を割いているのは、商標も商号もランナム法の対象だからだと思いますし、アメリカの商標の実務家は、弁護士であり、弁理士ではないという面もあると思います。 企業では、商号は、商標と同様に重要ですが、そのあ…

商標の管理(Trademark management)(その4)

商標の内部的管理 第4章は、企業の中でどのように商標を管理するかです。この章の執筆者は、デュポンの法務部長です。 まえがき 当時のアメリカにおける、各社の取り組みが紹介されています。次のようなことをしているとあります。 新商標の名称選定委員会(…

商標の管理(Trademark management)(その3)

商標の適正な使用 本書の特徴の一つである、商標の適正な使用(適正使用管理)です。 「使用の定義」 まず、ランナム法の使用の定義の紹介です。すなわち、商標の使用を製造物、容器、密接な関係のある販売用展示物、製造物のラベルの上に表示し、それらは、…