Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

研修

不使用取消審判における使用の意義

パテント 2017年9月号 昨日の大塚教授の論文で紹介されていた、同教授の上記のタイトルの論文を読みました。 https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/2898 大塚教授は、不使用取消審判でも商標的使用が必要という立場です。 平成21年の調査で、インターネ…

商標機能論の拡張

パテント 2020年5月号 パテントの2020年5月号の大阪工業大学の大塚理彦教授の「商標機能論の拡張」というタイトルの論文を読みました。 3条1項は、一応、識別力としていますが、特別顕著性説のような理解をされているようです。ある商標は特徴がなく、そもそ…

弁理士会の研修

髙部眞規子知財高裁裁判長の講演 2020年2月10日、ニッショーホールで行われた髙部判事の講演会に出席しました。タイトルは、「知的財産権訴訟の諸問題ー商標関係訴訟を中心にー」でした。3時間ほどの研修会です。 内容は、裁判で出てくる商標法の条文の解説…

EUIPOのセミナー(その4)

Cancellation Cancellationというと、不使用取消などの取消をイメージするのですが、EUTMでは、Cancellationは上位概念で、下位概念として、①Revocation(取消)と②Invadidity(無効)があります。 ①のRevocation(取消)は、不使用取消などです。取消の効果は…

EUIPOのセミナー(その3)

使用証拠 続きです。 EUTMには、使用証拠は、異議申立と不使用取消と無効の3点などで規定があるようです。もちろん、侵害にも関連しますが、そこは各国法によるのだと思います。 異議申立をしたときに、被異議申立人から使用証拠の提出を要求される点が、日…

EUIPOのセミナー(その2)

異議申立 昨日の続きです。 まずは、統計の話で、EUTMの出願は、年間15万件(分類を累積的に計算)ぐらいで、そのうち18000件程度の異議があるようです。14%~16%は異議を受けるということで、この数字、非常に多いなと思います。 当事者主義であり、職権…

EUIPOのセミナー(その1)

EUIPOのツール 2019年12月16日、商工会館(弁理士会館)で行われた、EUIPOのセミナーに出席しました。講師は、EUIPOのMr.Jose Izquierdoさんです。EUIPOの国際協力・法務関係部門の副部長ということです。 大きく、4つぐらいのTOPICがありました。 TM Class…

産業(意匠)革命、スプーンからスマホへ

意匠が伸びている 2019年12月10日、弁理士会の研修会に参加しました。タイトルは表題のものです。サブタイトルに「米国における意匠の保護と権利行使についての戦略」とあります。 講師は、McAndrews事務所のChristopher V. Carani氏です。 英語の勉強になる…

行ってきました(エコプロ展)

「セルロール」と「セルロースナノファイバー」 昨日、エコプロ展に行ってきました。会期は、2019年12月5日(木)、6日(金)、7日(土)の3日間で、その最終日の土曜日の午後に行ったのですが、それほど混雑していませんでした。 エコプロ2019 持続可能な社…

セミナーに参加しました(応用美術の再検討2)

応用美術の保護(日本) 2019年11月16日の早稲田大学のセミナーの続きです。 元裁判官の岡本岳弁護士・弁理士の話は、BAO BAO事件、ゴナU事件、TRIPP TRAPP事件ですが、各事件とも著作権侵害だけではなく、不正競争防止法や、一般不法行為法、が合わせて請求…

セミナーに参加しました(応用美術の再検討1)

応用美術の保護(フランスとアメリカ) 2019年11月16日、早稲田大学で行われた、早稲田大学知的財産法制研究所(RCLIP)主催、デザインと法協会(JADELA)共催の、応用美術の保護に関するセミナーに参加しました。 「デザインと法協会」に興味があるのですが…

スラップ訴訟

裁判を受ける権利と表現の自由 2019年10月28日の日経に、スラップ(SLAPP)訴訟という話が出ていました。批判的な言動をして名誉を棄損されたなどと訴訟を起こされた側が「言論を封じるための不当な提訴だ」と主張して、提訴を違法とする判決を得ることをい…

「英語のお手本」(読んでみました)

丁寧な英語の書き方・話し方 近くの本屋で、平積みしてあったので、マヤ・バーダマンさんの「英語のお手本」(朝日新聞出版)という本を購入し、読んでみました。 ビジネス英語の教科書のような感じです。 英語のお手本――そのままマネしたい「敬語」集 作者:…

読んでみました

サバイバル英文法 図書館に本を返却にいったとき、英語学習のコーナーにも立ち寄ることにしています。地元の図書館は、大きな図書館ではないので、沢山の本があるわけではないのですが、それでも時々発見があります。 関正生先生の「サバイバル英文法」とい…

中国商標出願の研修会

2時間でコンパクトに 2019年11月8日の夕刻、弁理士会館で行われた「中国商標出願の実務~出願の検討事項から審判まで~」というタイトルの研修会に出ました。 北京尚誠知識産権代理有限公司の中国弁護士の王丹丹先生と日本弁理士の伊藤貴子先生の話です。 尚…

応用美術セミナー

応用美術保護の再検討―近時のCJEU判決を背景として―(仮称) 以前の会社のデザイナーの方から紹介を受け、早稲田大学知的財産法制研究所の主催、デザインと法協会が共催の、セミナーに参加することにしました。 応用美術セミナー(2019年11月16日) – 早稲田…

意匠法改正の説明会

弁理士会意匠委員会メンバーからの説明 2019年10月31日に弁理士会館(商工会館)で開催された、「意匠法改正の概要とその実務上の留意点」という研修会の講義を受けました。講師は、弁理士会の意匠委員会のメンバーです。 (法律等) 2018年5月23日付のデザ…

読んでみました

「IPランドスケープ経営戦略」 日本経済新聞社発行の「IPランドスケープ経営戦略」を読みました。日本経済編集委員の渋谷高弘さんと、IPL経営戦略研究会の共著です。IPL経営戦略研究会では、KIT虎ノ門大学院の杉光一成教授がまえがきなどを書かれています。 …

クラウド型知財管理システム

知財管理 2019年9月号 知財管理誌の9月号に、知財協会の情報システム委員会の第3小委員会の、「知財管理システムによる業務効率化に関する調査」という論説がありました。 クラウド型知財管理システムが導入されつつある 委員会所属企業とシステムベンダに…

ブランド・マネージャー資格試験公式テキスト

マーケティングとブランディングの基本が1冊で学べる! 2019年9月10日に発行された、中央経済社の「ブランド・マネージャー資格試験公式テキスト」を購入してみました。著者は、一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会で、監修は中央大学の田中洋教授で…

「オンライン調査による模倣品発見手法の検討」

知財管理 2019年9月号 昨日と同じく知財管理の9月号に、「オンライン調査による模倣品発見手法の検討」という論説がありました。 模倣品が発見された後の対策は、経産省や特許庁、JETRO、弁理士会、知財協会などから、多くの対策を紹介した文書もあります。 …

ネイティブにほめられる英語

Dear Mr. Mike Davisで信頼を失う 書店で、平積みされており、帯に「Dear Mr. Mike Davis.この一言で信頼を失います。」と大きな文字であり、この帯に引かれて、西真理子さんの「ネイティブにほめられる英語」という本を買いました。 ネイティブにほめられる…

倫理研修

3回目の受講 2019年8月31日、弁理士会館で、5年に一度の倫理研修(集合研修)を受講してきました。その2日前に、研修事務局から事務所に電話があり、集合研修を受けるには、その前に倫理研修のeラーニングを受講していることが必須で、5時間聞かないと受講で…

侵害対応チャート

発明推進協会の研修会に参加しました 2019年8月28日に発明推進協会で開催された「(知財課題を共有する)侵害対応チャートの作り方」という講演会に参加しました。 最近、模倣品関係の相談も多少あるので、その情報収集になればと思っての参加です。 講師は…

大学入学共通テスト

TOEICの離脱 2019年7月2日の日経に、大学入学共通テストから、TOEICが離脱したという記事がありました。 大学入学共通テスト、制度設計に甘さ TOEIC離脱 :日本経済新聞 大学入学共通テストに採用される英語民間試験に、TOEICが参加を取りやめ 受験から成績提…

サーチコスト理論

宮脇先生の論説を読んで 最近、特許庁の商標に関する日中商標研究の論文を4つほど読んだのですが、立命館大学の宮脇教授の論文に、サーチコスト理論の紹介がありました。 実は、別の人からも、サーチコスト理論の話を聞いたので、そんなものがあるのかと思っ…

商標に関する日中共同研究

結合商標の類否判断から考える商標制度の機能と将来像 続いて、特許庁の、商標に関する日中共同研究を読んでいます。今日は、学習院大学の小塚教授の上記タイトルの論文です。こちらが最後です。 非常に面白かったというのが印象です。是非、読んでください…

商標に関する日中共同研究

商標の類否判断における「取引の実情」 続きで、立命館大学教授の宮脇正晴教授の日本における商標の類否判断についての論文を読んでいます。論文のタイトルは、上記のものです。 https://www.jpo.go.jp/resources/report/takoku/nicchu_houkoku/document/h30…

商標に関する日中共同研究

中国における商標類似認定の基準に関する検討 昨日に引き続き、特許庁のWebサイトに掲載されている、日中共同研究を読んでいます。今日の論文は、中南財経政法大学 知識産権研究センターの曹 新明教授の論文です。 https://www.jpo.go.jp/resources/report/t…

商標に関する日中共同研究

商標の類否判断に関する日中の比較研究 特許庁のWebサイトに、「平成30年度知的財産に関する日中共同研究報告書」が、アップされています。 平成30年度知的財産に関する日中共同研究報告書 | 経済産業省 特許庁 この中に、商標に関するものが、4つあり、順番…