Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

知財全般(特許や著作権)

知財立国は車頼み

財務省のサービス収支(速報)と総務省の科学技術研究調査 2019年9月16日の日経に、「知財立国」足元は車頼みという記事がありました。財務省の国際収支のサービス収支に知的財産権等使用料の速報が出ており、それを受けた記事と思われます。 「知財立国」足…

「フォント使用上の留意点」

知財管理 2019年9月号 知財管理の9月号に、藤本豪弁護士の「フォント使用上の留意点」という解説がありましたので読んでみました。 へーそうなのという解説でしたので、ポイントをメモしておきます。 1.タイプフェイスとフォントの違い タイプフェイス(書…

プラットフォーマーの法的責任強化

EUディレクティブ 2019年8月19日の日経で、EU著作権指令が6月に発行して、YouTubeやfacebookのようなプラットフォーマーへの規制が強化されるという記事がありました。 著作権保護 EUの大転換 プラットフォーマーに法的責任 「事実上の検閲」批判も :日本経…

平等院鳳凰堂のジクソーパズル

差止を求めて京都地裁に提訴 2019年8月14日の朝日新聞に、平等院鳳凰堂の写真を使ったジクソーパズルを販売している東京の玩具会社の「やのまん」に対して、平等院が、京都地裁に販売中止と在庫廃棄、20万円の損害賠償を求めた裁判を起こしているという話が…

北大サマーセミナー(4日目 その2)

不正競争防止法改正~ビッグ・データの保護等~ 2019年8月18日の最終日は、田村先生のビッグ・データの保護です。 前半は、フリーライドや模倣やイノベーションのインセンティブの話で、すんなり聞いていましたが、不正競争防止法でビッグ・データを保護する…

北大サマーセミナー(4日目 その1)

店舗等デザイン、営業形態の保護 2019年8月18日は、最終日で、田村先生のお話しでした。午前中は、上記のテーマで、コメダ珈琲の事件であり、意匠法の改正につながるものです。 ●まず、仮処分事件のコメダ珈琲事件を、写真を使って、詳しく説明されました。…

北大サマーセミナー(3日目 その2)

ファッションロー 2019年8月16日のセミナーの午後の部は、青木先生のファッションローでした。最近、ファッションローという言葉を聞くようになりましたが、何を指すのかと思っていました。 ファッション企業やファッションデザイナーが通常直面する法的問題…

北大サマーセミナー(3日目 その1)

平成31年意匠法改正の評価と課題 2019年8月17日、北大サマーセミナーの3日目は、青木先生の話でした。今回、参加した一つの目的は、意匠法の改正の話や、ファッションローの話を聞きたいなと思っていた点です。まず、意匠法改正です。 2018年5月に、経産省と…

北大サマーセミナー(2日目 その2)

韓国法の現状 2019年8月16日の北大のサマーセミナーの2日目の続きです。 著作権は、私には難しかったなという印象でしたが、こちらは分かりやすく教えていただきました。 まとめで仰っていましたが、 韓国では、大きな流れとして、ベンチャー保護・育成とい…

北大サマーセミナー(2日目、その1)

平成30年著作権法改正、海賊版対策の功罪 2019年8月16日は、サマーセミナーの2日目です。 この日は、慶応大学の奥邨弘司教授の著作権法の話と、韓国のKIM & CHANGの韓(ハン)弁護士の韓国法の最近の話題です(韓先生の話は、次回に)。 奥邨先生は、以前勤…

北大サマーセミナー(1日目)

著作権法の保護範囲 著作権法などによる応用美術のの保護の可能性 2019年8月15日、北大のサマーセミナーに参加しました。テーマは題記のものです。 10:00-12:30の前半に東大の田村教授による「著作権法の保護範囲」、 14:00-16:30の後半に元知財高裁の…

アップルが知財侵害

公取委の調査 2019年8月7日の朝日新聞に、昨秋の、公正取引委員会のアンケートに対して、アップルと部品供給契約を結ぶ複数の企業が、知的財産権を侵害する可能性のある契約を一方的に結ばされたと回答しているという記事がありました。 独禁法の禁じる、優…

意匠の活用

藤本昇先生のお話し 雑誌「発明」の2019年6月号の藤本昇弁理士の「意匠の活用」を読みました。 藤本先生は、 日本の意匠出願は年間3万件 藤本先生の事務所では、年間500~600件で、特許事務所では第2位 知財ミックスは、昔からあった 中小企業では、特許がメ…

改正不正競争防止法(限定提供データ)

7月から施行 2019年7月8日の日経で、2019年7月1日から、不正競争防止法の「限定提供データ」制度が施行されているという話が載っています。 企業の蓄積データ どう保護する? (写真=AP) :日本経済新聞 「限定提供データ」制度の新設 パスワードで管理され…

特許庁の知財戦略事例集

100社を調査した結果の60社の事例集 2019年6月24日の日経新聞に、特許庁が、国内外の企業の知的財産戦略についての事例集を発行したという記事がありました。 知財戦略、国内外60社の事例集 特許庁 :日本経済新聞 トヨタやマイクロソフトなど約100社の調査。…

HuaweiがVerizonに10億ドルを請求

200以上の特許使用料 2019年6月14日の朝日新聞に、ファーウェイがベライゾンに、200以上の特許について、10億ドル(1080億円)の使用料を請求しているという記事がありました。 ウォールストリート・ジャーナルなどが報じているようです。 ファーウェイは、…

知財の下請けいじめ

公取の調査 2019年6月15日の朝日新聞に、ノウハウ開示や名ばかり共同研究など、大企業が下請けの中小企業の知的財産を盗む実体についての、公正取引委員会の調査報告についての記事がありました。 問題事例は、延べ1400件 公正取引委員会は、独禁法違反にあ…

クアルコムの米連邦地裁判決

FTCが勝訴 2019年5月24日の日経に、クアルコムとFTC(米連邦取引委員会)の独禁法違反の裁判で、競争を阻害しているとの判断で、FTCが勝訴したという記事があります。 クアルコム、知財戦略に暗雲 米連邦地裁「競争を阻害」 :日本経済新聞 2017年に独禁法違…

オプジーボの新発明者

米地裁で2名追加 2019年5月31日の日経に、米地裁で、オプジーボの発明者に、ダナ・フーバーがん研究所の研究員ら2名を追加する判決が出たという記事がありました。 「オプジーボ」特許、米地裁が「新発明者」 :日本経済新聞 本庶教授と小野薬品が対立してい…

中小企業の知財強化

特許法改正と独禁法の違反事例のまとめ 2019年5月17日の日経に、大手企業が中小企業の特許やノウハウなどの知的財産権を奪われるケースが深刻になっているという記事がありました。 中小の知財を大手が奪う 巧妙な手口、公取委が調査 :日本経済新聞 技術革新…

IPランドスケープ

商標で展開すると? 2019年5月13日の日経に、「攻めの知財」シフト進むとして、IPランドスケープの紹介がされていました。編集委員の渋谷さんの記事です。 「攻めの知財」広がる ブリヂストンや旭化成 :日本経済新聞 IPランドスケープとは、知財を中心とした…

クレジットカードで出願可能に

へぇ~という感じ 2019年4月3日の特許庁のWebサイトで、特許庁がクレジットカードでの料金納付をやっているという話を読みました。 クレジットカードによる納付(指定立替納付) | 経済産業省 特許庁 VISA、Master、JCB、American Expressが使えます。 ただ…

国際出願件数ランキング(特許と商標)

特許は華為、商標はノバルティスが一位 2019年3月19日の日経夕刊で、2018年の国際特許出願のランキングを見ました。 国際特許出願、アジアが初の5割超、中国がけん引 :日本経済新聞 アジアの国からの出願が5割超 通信、人口知能で、中国に勢い 1位は米国(56…

英語で知財訴訟

国際裁判部 2019年3月15日の日経に、知財裁判が英語で訴訟可能になるという記事があります。 知財、英語で訴訟可能に 「国際裁判部」新設検討 :日本経済新聞 内容は、 特許侵害などの知財訴訟で英語の使用を認める「国際裁判部」の設置 2019年中に提言まとめ…

特許紛争で5Gが出せない

アップルとクアルコム 2019年3月3日の日経で、アップルが、クアルコムとの特許紛争の影響で、5Gのスマホを出せないでいるという記事を見ました。 アップル、沈黙の5G戦略 中韓勢に出遅れ (写真=ロイター) :日本経済新聞 内容は、 MWC19バルセロナで、5G対…

建物の意匠

本当に広げるんだ 最近、意匠法の改正の話が、新聞に良く出ています。 2019年2月15日に、特許庁のWebサイトに、産業構造審議会知的財産分科会意匠制度小委員会の、意匠制度の見直しに関する報告書が出ています。 産業競争力の強化に資する意匠制度の見直しに…

高橋是清の人物紹介

波乱万丈 2019年1月19日と26日の土曜日の、日経の日本史ひと模様で、歴史学者の本郷和人さんが書かれた高橋是清の人生の紹介コラムを見ました。 まさに、波乱万丈の人生です。 御用絵師が奉公人の娘に手を付けた→養子→寺の小僧→悪ガキ 横浜で外国人のボーイ…

商品形態模倣(英国)

詐称通用(passing off) 続いて、パテント誌の2019年1月号で、商品形態模倣の不競法での保護のイギリスの論文を読んでいます。 良く聞く、コモンロー上の保護のpassing offです。 論文は非常に詳しいですが、簡単にいうと、 不実表示で、需要者の欺瞞(のお…

商品形態模倣(米国)

獲得された識別力、非機能性 引き続き、パテント誌の2019年1月号の不競法特集を読んでいます。今日は、米国です。 日本人の米国弁護士の荒木さんという方と米国弁護士の女性が共同執筆者なので、非常に読みやすくなっています。 理解したことは、 トレードド…

商品形態模倣(イタリア)

隷属的模倣、価値の不正利用、寄生的模倣 同じく、パテント誌の商品形態模倣ですが、イタリアは、2019年1月号にあります。イタリアでは、独立した不正競争防止法ではなく、民法で商品形態模倣が保護されているようです。 民法の2598条1号、2号、3号が、これ…